特徴のないことが、特徴になるブランド? 『MUJI式 世界で愛されるマーケティング』は、無印良品の商品開発やブランドを理論と実践の二つの側面から解説した一冊だ。ブランドのエッセンスが非常に容易な言葉で描かれており、MUJIの世界観を分かりやすく伝えてくれている。 私が初めて無印良品と出会ったのは、コンビニで文房具を買った時のことだったと思う。コンビニなのに明らかに洗練されたノートやペンが揃っており、それ以降は無印良品を探してコンビニを何件かはしごしたこともあるくらいだ。 しかし本書の冒頭を読み始めたら、その時「洗練された」と感じたのが記憶違いだったのかもしれないと思うほどの衝撃を受けた。そこでは、以下のように説明されている。 MUJIは、世の中のいろいろなブランドに対して、「特徴がない」ことが特徴となれるブランドなのである。 つまり「特徴がない」はずのものが、私の目には「洗練されたもの」に