『奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド』が、2019年2月9日(土)~4月7日(日)まで、東京都美術館(東京・上野公園)で開催される。 美術史家・辻惟雄(1932〜)が、今から半世紀近く前の1970年に著した『奇想の系譜』。本書は、当時まだ30代後半の新進気鋭の学者であった辻が、江戸時代における突出した個性を発揮した画家の系譜をたどったもの。刊行以来、古美術研究の世界のみならず、現代美術作家たちにも多大な影響を与えてきた。そこに紹介されたのは、それまでまとまって書籍や展覧会で紹介されたことがない、因襲の殻を打ち破り意表を突く自由で斬新な発想で、非日常的な世界に誘われる絵画の数々だった。それから半世紀近くたった現在では、かつては江戸時代絵画史の傍流とされてきた画家たちが、その現代に通じる革新性によって熱狂的ともいえる人気を集めている。 本展では、『奇想の系譜』で取り上げられた6名の画家、岩