2016年12月24日12:30 カテゴリ 『読んでいない本について堂々と語る方法』(ピエール・バイヤール著)をちゃんと読んで語る そもそも『読んでいない本について堂々と語る方法』など、必要無いはずなのです。なぜ、人は「読んでいない本について堂々と語る」にあたって、よりにもよって「本」で方法を知ろうとしてしまうのか。しかも買ったきりで、どうせ読まずに積んでしまうのに。 哲学者の千葉雅也は、この本を書評して読み落としがある、読んだそばから忘れていく、記憶は変質していく……。最後までページをめくったときのカタルシスは、形骸的なものでしかない。読書体験の実質は、律儀に最後までめくるのでも、ざっと流し読みするのでも、結局は不完全なのである。読書のこうした一般条件を確認することで、我々は積極的に、必要に応じての流し読みでも「読んだ」と言えるし、目次だけで構成を摑むのでも「読んだ」と言えるし、と、多様