パレスチナ自治政府のアッバス議長は27日、ナチス・ドイツによるホロコースト(ユダヤ人大虐殺)について、「人道に反する、近代で最も恥ずべき犯罪だ」と述べ、犠牲者やその家族に哀悼の意を示した。議長がホロコーストを非難する声明を出すのは初めて。 イスラエルのホロコースト記念日(27日)にあたっての声明で述べた。アッバス氏は一方で、ユダヤ人が経験したのと同様に「パレスチナ人の自由と平和は否定されている」とも指摘。イスラエルに対し、パレスチナ人に対する抑圧をやめ、パレスチナ国家を樹立して2国家が共存する包括的な和平を呼びかけた。 アッバス氏は23日、イスラム組織ハマスとの和解促進を決め、ハマスをテロ組織とみなすイスラエルは和平交渉の中断を決めた。イスラエルのネタニヤフ首相は27日、「国際社会をなだめる声明の代わりにハマスかイスラエルとの和平かを選ぶべきだ」と述べ、ハマスとの和解中止を求めた。(エルサ