相次ぐ食品の偽装問題は日本マクドナルドホールディングスにも及んだ。ハンバーガーやマックシェイクに賞味期限切れの材料を使用、サラダやヨーグルトは調理日時を改ざん──。東京都内の加盟店による不正の疑いにマクドナルドが揺れる。「1971年の創業以来、初めての経験。海外でもこのような事例はない」(原田泳幸会長兼社長兼CEO=最高経営責任者)という不祥事に、直営店長や加盟オーナーらを集めてフードセーフティ決起集会を緊急開催するといった対応に追われた。 社長就任時に新設したが… 「社員に不正の報告も仕事であるという意識を持たせることができていなかった。この点は経営者として反省すべきだと思っている」。日経ビジネスの単独インタビューに応じた原田会長は、こう心境を明かした。 社長に就任した2004年5月、原田会長は社員向けに「CEOホットライン」を開設した。社員は電話や電子メールで直接、原田会長に意見を述べ