「2~3割削減だって。君、甘いよ。半分ぐらいになるかもしれない」。あるパーティーで大手SIerの経営者と立ち話をした時、そんな言葉が飛び出した。この前、ユーザー企業の来年度のIT予算のことを書いたが、この人によると半減もあり得るという。その後、「我々はまだよいが、下請けさんはねぇ・・・」と言葉を濁したが、言いたいことは分かる。でも、本当にそうだろうか。 まずユーザー企業の来年度のIT予算についてだが、私はさすがに「半減説」には同意できない。まあ、この人も経営者としての覚悟と備えを語ったのだと思うが、もしそんな事態になればIT産業に大打撃なのはもちろん、ユーザー企業の中長期的な競争力も危うくなる。不況の時は売上拡大のためのIT投資は無理でも、コスト削減に向けた投資を行うのは経営の責務だ。キャッシュの流出を怖れて何もしないのは経営ではない。 とは言え、2~3割の減少では済まないかもとは、覚悟し
![ITサービス業界における“下克上”の勧め](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/bed39b5962a5d552c95b6d796db8f55e72d32943/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fxtech.nikkei.com%2Fimages%2Fn%2Fxtech%2F2020%2Fogp_nikkeixtech_hexagon.jpg%3F20220512)