理化学研究所(理研)と高エネルギー加速器研究機構(KEK)を中心とする研究グループが、重イオン衝突型加速器を使い、約4兆度という超高温状態を実現することに成功したと発表した。原子核同士の衝突による高温で陽子や中性子が融解し、ビッグバン直後と同様の「クォーク・スープ」状態になっているという。 米ブルックヘブン国立研究所の加速器「RHIC」を使って亜光速まで加速した金原子核同士の衝突により、約4兆度という超高温状態が作り出されていることを確認した。太陽中心部より10万倍も高く、実験室で実現した温度の最高記録を達成したという。 高温物質の温度は、物質から放射される「熱的光子」とその発生量から測定できるが、熱的光子量の直接測定は難しい。このため、高エネルギーな光子の一部が電子・陽電子対に変換されることを利用し、測定した電子・陽電子対から理論に基づき元の光子の量とエネルギー分布を計算。理論予想と比較