橋梁の塗装塗り替え工事において、錆(さび)の「いたみ」がひどい場所に貼り付けて剥がすことで、さびの元となる塩素イオンを除去できるシートを、横河ブリッジ(千葉県船橋市)と神戸大学、東亞合成(東京都港区)が共同で開発した。簡易な施工で残存塩分による塗装の再劣化を防ぐことから、工期の短縮が期待できる。神戸大学の水畑穣教授(無機材料化学)が医療用湿布剤から着想し、製品化が検討されている。 横河ブリッジと神戸大学が生み出した作成法で東亞合成が試作した防錆シート。市販の医療用湿布剤と同様に、不織布とゲル材料で構成している(横河ブリッジ提供) 橋梁製作などに携わる横河ブリッジホールディングス総合技術研究所の前田諭志課長補佐(橋梁工学)によると、鉄などでできた橋梁では、部材の腐食を防ぐために標準的には20~30年程度で定期的な塗装塗り替え工事を行う。しかし、飛来塩分が多い沿岸部の橋や凍結防止剤を冬にまく寒