日曜日夕方、西部古書会館の大均一祭二日目(一冊百円)。十三冊。『月刊ことば』の一九七七年十一月号(創刊号)と七八年二月号など。『月刊ことば』の版元は英潮社、編集人は外山滋比古である。エディトリアルデザインは戸田ツトム。七八年二月号は「文章読本」の特集で山本夏彦が「谷崎文章読本」と題したエッセイを書いている(これが読みたくて買ったといっても過言ではない)。 《本というものは、それを読んだときの年齢と関係があって、弱年のときに読んで感心した本がほんとの本で、それ以後読んだ本はほんとの本でないと、勝手ながら私は区別している》 《本と人の間は縁である。縁で結ばれること人と人の間のごとしと私は思っている。人が本を選ぶことはよく知られているが、本もまた人を選ぶのである》 山本夏彦は一九一五年六月生まれ。谷崎潤一郎の『文章読本』は一九三四年十一月、萩原朔太郎『氷島』は同年六月の刊行である。当時山本夏彦は