日本で作られた漢字は,「畑」や「峠」のような広く普及しているものだけではありません。特定の地域・職業でのみ用いられるもの,作家が自分の作品で使ったもの,親が子の名に使ったものなど,実に多様です。国字の中には海外に輸出されたものまであります。 日本人はどのようなときにどのような漢字を生み出してきたのでしょうか。新しく漢字が生み出される背景には何があったのでしょうか。 日本で使われてきた漢字を,誤字まで含めて徹底的に調査してこられた日本語学者,笹原宏之さんにお話しを伺います。 ゲスト 今回のゲストは岩波新書『日本の漢字』の著者,笹原宏之さんです。 プロファイル笹原宏之(ささはら ひろゆき) 1965年,東京都生まれ。早稲田大学大学院 文学研究科 博士後期課程 単位取得。『国字の位相と展開』(三省堂)により,博士(文学)(早稲田大学)。文化女子大学 専任講師,国立国語研究所 主任研究官を経て,現