「メディア」とは一体何を指す言葉なのでしょうか。インターネットが普及した現代、その意味はますます多様化し、一義的な定義が難しくなってきているように感じます。しかし歴史を振り返ると、「メディア」が時代の変革に大きな影響を及ぼしてきたことだけは、どうやら確かなようです。「メディア」の誕生と日本における発展、そしてそれがもたらしてきたものについて、歴史学者の土屋礼子先生にお聞きしました。 ――まずはメディアの定義といいますか、どういうものをメディアと呼ぶのかというところから教えていただきたいのですが、先生の編集された『日本メディア史年表』(吉川弘文館)を見ると1837年のモールスの電信機、いわゆるモールス信号の発明からはじまっていますね。 メディアのはじまりをどこにするかというのにはさまざまな議論があり、それこそ古代のアルタミラの洞窟壁画から始めるという考えもあります。しかし私は、メディアは近代
![1. メディアとは何か - 土屋礼子 | トイビト](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/a1d9f91819952450ef128afddaadb66bb4c85cf9/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fapi.toibito.com%2Fmedia%2Fuser_uploads%2Ftetsuhiko-kato%2Ftitle_image%2Freiko-tsuchiya.png)