日本の場合、痛みを表す言葉としては「ちくちく」「ずきずき」「しくしく」といった擬音によるくり返し言葉がよく使われます。これに対し英語ではpulsing,beating,drilingなど、その刺激の上体や刺激を与える物を具体的に表した言葉が多く使われています。 患者さんの痛みについて尋ねるものを「痛みの質問表」といいますが、その草分けの存在であり、世界的にも最もよく使われているマクギル疼痛質問票というものがあります。マクギル大学の心理学者であるメルザック博士が作ったものです。 この質問票には、痛みを表現する形容詞が全部で78個並んでいます。『標準 痛みの用語集』(南江堂)を作成するときにこれらの形容詞をどのように載せるのかを悩みました。といいますのも、これまでにさまざまな日本語に訳されているからです。悩んだあげくに別表としてそれら形容詞を掲載することに決め、国際結婚されている言語学者や医