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ブックマーク / bijutsutecho.com (234)

  • 国内美術館では初。マーク・マンダースの個展、東京都現代美術館で開催へ

    彫刻や詩、単語、オブジェ等を用いたインスタレーション作品によって国際的に評価の高い現代美術作家、マーク・マンダース。その国内美術館としては初の個展「マーク・マンダース─マーク・マンダースの不在」が、東京都現代美術館で開催される。会期は2021年3月20日〜6月20日。 マーク・マンダースは1968年オランダ生まれ、ベルギー在住。86年から「建物としてのセルフ・ポートレイト」をコンセプトに制作を行い、その作品は高い人気を誇る。サンパウロ・ビエンナーレ(1998、ブラジル)、第55回ヴェネチア・ビエンナーレ(2013、イタリア)にオランダ代表作家として選出。また直近では、ボンネファンテン美術館で大規模な個展(2020、オランダ)を開催しているほか、パブリック・アート・ファンド・プログラム(2019、アメリカ)や、ローキンスクエア(2017、オランダ)で屋外彫刻を発表している。 展では、マンダ

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  • 「村上春樹ライブラリー」が早稲田大学内に10月に開館へ。建築設計は隈研吾

    2021年10月、他に類を見ない文学館が早稲田大学の早稲田キャンパス内に誕生する。 早稲田大学国際文学館「村上春樹ライブラリー」は、同校の校友である村上春樹が寄託・寄贈した小説作品の直筆原稿、執筆関係資料、書簡、インタビュー記事、作品の書評海外で翻訳された書籍、蒐集した数万枚のレコード等を保管・公開する施設。組織自体は2019年6月に設立されており、来秋の開館に向けて準備が進められている。世界中の村上文学の愛好者や国際文学の研究者たちにとって、新たな「村上春樹文学」「国際文学」「翻訳文学」の研究だけでなく、多様な芸術分野と文学の交流の場になりそうだ。 「村上春樹ライブラリー」の設計を担うのは隈研吾。早稲田キャンパスの坪内博士演劇博物館に隣接する4号館を大規模に改築し、村上文学の研究・交流・発信機能を備えた新たな拠点として生まれ変わる。館内には、研究者のための資料室や閲覧席、セミナースペー

    「村上春樹ライブラリー」が早稲田大学内に10月に開館へ。建築設計は隈研吾
  • 戦後から2020年までの映画やドラマを対象に。LGBTQ+表象に迫る展覧会が早稲田大学演劇博物館で開催中

    戦後から2020年までの映画やドラマを対象に。LGBTQ+表象に迫る展覧会が早稲田大学演劇博物館で開催中戦後から2020年前半までの映画テレビドラマを主な対象に、多様なLGBTQ+表象に着目する展覧会「Inside/Out ─映像文化LGBTQ+」が、早稲田大学演劇博物館で開催されている。会期は2021年1月15日まで。 性の視点から映画テレビドラマの歴史を紐解いていくと、同性同士の恋愛や情愛、女らしさ/男らしさの「普通」に対する異議申し立て、名前のない関係性など、男女のラブストーリー以外の景色も見えてくる。LGBTQ+の人々を描く映像作品が次々と製作された2010年代以降、セクシュアリティの問題や「普通とは何か」について考える機会は増えたのではないだろうか。 早稲田大学演劇博物館では、戦後から2020年前半までの映画テレビドラマを主な対象に、多様なLGBTQ+表象に着目する展覧会

    戦後から2020年までの映画やドラマを対象に。LGBTQ+表象に迫る展覧会が早稲田大学演劇博物館で開催中
  • 珠玉の版画作品が問いかける。「日本美術史とは、何か?」 小金沢智評「もうひとつの日本美術史  近現代版画の名作2020」展

    珠玉の版画作品が問いかける。「日美術史とは、何か?」 小金沢智評「もうひとつの日美術史  近現代版画の名作2020」展明治から平成にかけての版画の名作約300点により、日の近現代を振り返る展覧会が福島県立美術館にて開催された。これまで日の美術の歴史を語るうえであまり光が当てられることのなかった「版画」を文脈として、地方から見えるもうひとつの近現代日美術史を編み直す。版画表現の歴史を振り返りながら、キュレーターの小金沢智が展をレビューする。 文=小金沢智 版画表現から日の近現代美術史への 再考をうながす 画期的な展覧会だ。「近現代版画の名作2020」というタイトルは名品展的趣を感じさせるが、「もうひとつの日美術史」とあるように、展は明治時代以降現代までの版画表現によって既存の日美術史に対する再考を迫っている。 「既存の日美術史」と書いてしまったが、もっとも美術史は固定さ

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  • 政治における区分から買売春の歴史まで。国立歴史民俗博物館で「性差(ジェンダー)の日本史」が開催

    政治における区分から買売春の歴史まで。国立歴史民俗博物館で「性差(ジェンダー)の日史」が開催千葉・佐倉市の国立歴史民俗博物館で、ジェンダーが日社会の歴史のなかでどんな意味をもち、どう変化してきたのかを問う歴史展示「性差(ジェンダー)の日史」が開催。会期は10月6日〜12月6日。 千葉・佐倉市の国立歴史民俗博物館で、ジェンダーが日社会の歴史のなかでどんな意味をもち、どう変化してきたのかを280点以上の資料を通して問う歴史展示「性差(ジェンダー)の日史」が開催される。会期は10月6日〜12月6日。 同展は「古代社会の男女」「中世の政治空間と男女」「中世の家と宗教」「仕事とくらしのジェンダー ─中世から近世へ─」「分離から排除へ ─近世・近代の政治空間とジェンダーの変容─」「性の売買と社会」「仕事とくらしのジェンダー ─近代から現代へ─」の7章構成。 同展ではまず、政治が行われる空間に

    政治における区分から買売春の歴史まで。国立歴史民俗博物館で「性差(ジェンダー)の日本史」が開催
  • 「“私はあなたの『アイヌ』ではない”」:小田原のどかが見た「ウポポイ(民族共生象徴空間)」

    「“私はあなたの『アイヌ』ではない”」:小田原のどかが見た「ウポポイ(民族共生象徴空間)」今年7月に開業した北海道白老郡白老町の「ウポポイ(民族共生象徴空間)」。「国立アイヌ民族博物館」「国立民族共生公園」「慰霊施設」によって構成されるこの国立施設が誕生した背景を踏まえ、「語られていないこと」について小田原のどかが論じる。 文=小田原のどか 民族共生象徴空間とは何か 2020年7月12日、北海道白老郡白老町に「ウポポイ(民族共生象徴空間)」が開業した。来は4月24日に開業が予定されていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により2回の延期を経てのオープンとなった。同施設の「愛称」であるウポポイとはアイヌの言葉で「(おおぜいで)歌うこと」を意味するといい、2018年に一般公募によって決定した。民族共生象徴空間という名称は、閣議決定された内容に基づいている。 「アイヌ文化の復興と発展のナショ

    「“私はあなたの『アイヌ』ではない”」:小田原のどかが見た「ウポポイ(民族共生象徴空間)」
  • 2つの原爆資料館、その「展示」が伝えるもの。小田原のどか評「広島平和記念資料館」

    2つの原爆資料館、その「展示」が伝えるもの。小田原のどか評「広島平和記念資料館」2019年4月、広島平和記念資料館で1955年の開館以来3度目となる展示リニューアルが行われた。「実物資料で表現すること」などを展示方針に掲げたこのリニューアルでは何が変わり、何をもたらしたのか? もうひとつの資料館である長崎原爆資料館における加害展示論争とともに論じ、彫刻家・彫刻史家の小田原のどかが、いまだ見ぬ「国立の戦争博物館」における展示の未来について問う。 文=小田原のどか 被ばく者なき後に 2019年4月、広島平和記念資料館の全面改修が完了し、1955年の同館開館以来3度目となる展示リニューアルが行われた。これに際し広島では、2010年から有識者を交えた検討会議が25回開かれ、どのような展示がつくられるべきかの議論が重ねられていた。ここでの主眼は「被ばく体験を次世代にわかりやすく伝えること」にあった(

    2つの原爆資料館、その「展示」が伝えるもの。小田原のどか評「広島平和記念資料館」
  • もの派、ポスター、メディア・アートに見るアーカイヴの新たな展望。多摩美術大学で2日間のシンポジウムが開催

    2018年4月に設立された、多摩美術大学のアートアーカイヴセンター。大学が有する膨大な美術資源を整理するとともに、時代背景や制作過程までを含めたアーカイヴを構築し、次の世代に繋げるためのプラットフォームとして活動してきた。 そんな同所で今回、第1回目となるシンポジウム「新たなるアートアーカイヴに向けて」が開催。センター設立時の活動の軸である「もの派」「ポスター」「メディア・アート」を中心に、発表と議論が行なわれる。 「もの派-70年代 by Anzai」展示風景 具体的には、「もの派」に深く関連したアートドキュメンタリスト・安齊重男の写真の可能性を探る「もの派 / 安齊重男写真アーカイヴ」、同大学と製紙会社の竹尾、DNP(大日印刷)が収集するポスター群を扱う「ポスター / 多摩美ポスターアーカイヴ」、15年に急逝したメディア・アーティスト、三上晴子のインタラクティヴ・インスタレーション

    もの派、ポスター、メディア・アートに見るアーカイヴの新たな展望。多摩美術大学で2日間のシンポジウムが開催
  • ダダからニュー・ペインティングまで。「絵本に見るアートの100年」展が国立国会図書館 国際子ども図書館で開催

    ダダからニュー・ペインティングまで。「絵に見るアートの100年」展が国立国会図書館 国際子ども図書館で開催東京・上野の国立国会図書館 国際子ども図書館で、「絵に⾒るアートの100年―ダダからニュー・ペインティングまで」展が開催される。展では20世紀初頭から現代にいたるまで、芸術思潮と絵の関わりを前・後期あわせて約300点の資料で紹介。会期は10⽉1⽇〜2020年1月19日(展示替えあり)。 「絵に⾒るアートの100年―ダダからニュー・ペインティングまで」展が、国立の児童書専門図書館である東京・上野の国立国会図書館 国際子ども図書館で開催される。会期は10⽉1⽇~2020年1月19日。 左から原作=オスカー・ワイルド、訳=曽野綾⼦、画=建⽯修志『幸福の王⼦』(バジリコ、2006)、絵=エル・リシツキー『6つの構成による2つの正⽅形についてのシュプレマティスムのお話』(Skify、1

    ダダからニュー・ペインティングまで。「絵本に見るアートの100年」展が国立国会図書館 国際子ども図書館で開催
  • 「国の分野横断統合ポータル」ジャパンサーチ、全国美術館会議が「つなぎ役」として参加。その意義とは?

    「国の分野横断統合ポータル」ジャパンサーチ、全国美術館会議が「つなぎ役」として参加。その意義とは?今年8月に正式公開が予定されている、「国の分野横断統合ポータル」ジャパンサーチ。ここに全国美術館会議が「つなぎ役」として参加することが発表された。その背景にあるもの、そして意義とは? 国が2020年8月25日に正式公開を予定している分野横断統合ポータルサイト「ジャパンサーチ」をご存知だろか? ジャパンサーチは、書籍、文化財、メディア芸術など、様々な分野のデジタルアーカイブと連携して、日が保有する多様なコンテンツのメタデータをまとめて検索できるサイト。運営は国立国会図書館が行っており、6月11日現在で、文化財や美術・映画、学術資産等の18連携機関71データベースと連携し、約1990万件のデータが検索可能となっている。 このサイトに参画することになったのが、全国美術館会議(以下、全美)だ。 19

    「国の分野横断統合ポータル」ジャパンサーチ、全国美術館会議が「つなぎ役」として参加。その意義とは?
  • 江戸博はなぜiMacやメイド服を展示するのか? 常設展「現代の東京」から見える博物館の意義

    江戸博はなぜiMacやメイド服を展示するのか? 常設展「現代の東京」から見える博物館の意義六木や上野をはじめ、東京には美術館・博物館が密集するエリアが多い。そのなかで、最近勢いを増しているのが両国だ。その両国のなかでも、突出して巨大で、なおかつ多くの人々を集めているのが江戸東京博物館。約260年の江戸の歴史、そして約150年の東京の歴史文化を網羅した博物館だ。今回は、その江戸博のなかで展示されている「現代の東京」にフォーカスしたい。 文=浦島茂世 両国を、東京を代表する巨大な博物館 両国にある美術館・博物館は、バラエティに富んでいることでも知られている。錦絵や番付、化粧廻しなど相撲に関する資料が充実した両国国技館内の相撲博物館、関東大震災にまつわる資料や徳永柳洲や有島生馬の大型絵画などを展示する都立横網町公園内の東京都復興記念館、携帯電話の歴史を学ぶことができる企業博物館・NTTドコモ

    江戸博はなぜiMacやメイド服を展示するのか? 常設展「現代の東京」から見える博物館の意義
  • 雲巻雲舒―現代中国美術展・紙(市原湖畔美術館)

    市原湖畔美術館は、中国の現代アーティスト7名による「紙」をテーマとした展覧会を開催。広州ビエンナーレのキュレーションや欧米での展覧会のコーディネートに数多く携わってきた鄭妍(ツェン・イェン)をゲストキュレーターに迎える。 「紙」は、古代中国の4⼤発明(羅針盤、火薬、紙、印刷)のひとつ。「紙」の発明は、文献、書籍、科学や文化などの交流を促し、世界の文明の発展に貢献してきた。日中国と距離が近しいだけでなく、文化的にも密接につながっており、書や絵画など「紙」を通じた文化はあらゆる側⾯において、中国からの影響を受けている。 展では「雲巻雲舒(うんかんうんじょ=雲が太陽に絡まり、大空に広がる様子)」をメインテーマに、中国の気鋭作家による日初公開作を含め、現代の紙の表現の地平を示す作品を展示。蔡國強(ツァイ・グオチャン)、李洪波(リー・ホンボー)、林延(リン・イェン)、劉建華(リュウ・ジャンフ

    雲巻雲舒―現代中国美術展・紙(市原湖畔美術館)
  • 国宝《洛中洛外図屏風(舟木本)》の高品位複製が限定10点で発売。売上の一部は東博文化財の保護に

    Refina Graphyを用いた国宝《洛中洛外図屛風(舟木)》の高品位複製 監修=東京国立博物館/文化財活用センター 制作=凸版印刷株式会社 原=岩佐又兵衛筆、紙金地着色、江戸時代・17世紀、東京国立博物館蔵 2019年に凸版印刷は、金箔用紙に密着性の高いインクを使用し、岩絵具などで描かれた作品の絵柄を印刷する「Refina Graphy(レフィナ グラフィ)」を開発。金箔用紙に密着性の高いインクを使用し、岩絵具などで描かれた作品の絵柄を印刷することができる「印刷による複製技術」だ。 加えて印刷技術を応用した表面加工により、和紙や金箔、金泥など日文化財の特徴である様々な質感の再現に成功。高精細なアーカイブデータと印刷が微細な表現を実現するとともに、独自のカラーマネジメントノウハウにより、物の色調を忠実に再現できるという。 20年7月1日より、このRefina Graphyを用

    国宝《洛中洛外図屏風(舟木本)》の高品位複製が限定10点で発売。売上の一部は東博文化財の保護に
  • 「美術館女子」は何が問題だったのか。「美術界のジェンダー格差を強化」「無知な観客の役割を女性に」

    「美術館女子」は何が問題だったのか。「美術界のジェンダー格差を強化」「無知な観客の役割を女性に」美術館連絡協議会と読売新聞オンラインが企画したウェブサイト「美術館女子」がSNS上で大きな批判に晒されている。この企画の問題点を、有識者のコメントとともに分析する。 美術館連絡協議会(以下、美連協)と読売新聞オンラインによる新企画「美術館女子」が、開始早々SNS上で大きな批判に晒されている。 企画は、「読売新聞で『月刊チーム8』を連載中のAKB48 チーム8のメンバーが各地の美術館を訪れ、写真を通じて、アートの力を発信していく」(公式サイトより)というもの。その第1弾では、小栗有以が東京都現代美術館を訪れる様子を画像メインで伝えている。 この企画に対し、6月12日の公開後の週末、SNS上では批判の声が相次いだ。指摘されている主な問題は、「〇〇女子」という言葉に含まれるジェンダーバランスへの意識

    「美術館女子」は何が問題だったのか。「美術界のジェンダー格差を強化」「無知な観客の役割を女性に」
  • ある黒人キュレーターの告発から見えた、白人多数のアメリカ美術界の問題

    グッゲンハイム美術館 Photo by David Heald (C) Solomon R. Guggenheim Foundation, New York. 美術館における多様性の実情 ミネアポリスの警察官によってジョージ・フロイドが殺害されたことをきっかけに、全米各地で大規模な「Black Lives Matter」を掲げた人種差別への抗議行動が起こっているのを受け、企業や組織などが、相次いでこの動きへの支持を表明している。 美術界もこの流れに乗っているものの、業界全体では依然有色人種の占める割合が少ないのが現状である。アンドリュー・W・メロン財団が2019年に発表した報告書によると、キュレーターにおいては84パーセント、運営に関わるポジションでは88パーセントが白人で占められている。国勢調査で自らの人種を「白人」と回答した割合が76.5パーセント(2019年)であることを考慮すると、

    ある黒人キュレーターの告発から見えた、白人多数のアメリカ美術界の問題
  • 「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」、都現美で開催。世界初の大規模回顧展

    石岡瑛子 映画『白雪姫と鏡の女王』(ターセム・シン監督、2012年)衣装デザイン (C)2012-2020 UV RML Films dba Relativity Media. All Rights Reserved. 1992年公開の映画『ドラキュラ』の衣装を手がけ、アカデミー賞を受賞。また2008年の北京五輪では開会式の衣装を担当するなど、世界的デザイナーとして知られる石岡瑛子(1938〜2012)。その世界初となる大規模回顧展が、東京都現代美術館で開催される。会期は11月14日〜2021年2月14日。 石岡瑛子 Photo by Robert Mapplethorpe Eiko Ishioka, 1983 (C)Robert Mapplethorpe Foundation. Used by permission. 石岡は1938年東京都生まれ。東京藝術大学美術学部を卒業後に資生堂に入

    「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」、都現美で開催。世界初の大規模回顧展
  • SERIES / これからの美術館を考える

    SERIES これからの美術館を考える政府案として報道された「リーディング・ミュージアム(先進美術館)」構想を発端に、美術館のあり方をめぐる議論が活発化している。そこで美術手帖では、「これからの日の美術館はどうあるべきか?」をテーマに、様々な視点から美術館の可能性を探る。 第11回 シリーズ:これからの美術館を考える(終) 先進美術館(リーディング・ミュージアム)構想が成功した、とする昨年5月下旬に政府案として報道された「リーディング・ミュージアム(先進美術館)」構想を発端に、いま、美術館のあり方をめぐる議論が活発化している。そこで美術手帖では、「これからの日の美術館はどうあるべきか?」をテーマに、様々な視点から美術館の可能性を探る。最終回は、アーティストとして国内外の美術館で展覧会を行ってきた経験を持つ田中功起の言葉。

    SERIES / これからの美術館を考える
  • 大型展覧会は変わるべき? 『美術展の不都合な真実』著者・古賀太に聞く

    大型展覧会は変わるべき? 『美術展の不都合な真実』著者・古賀太に聞く日の美術館で行われるメディア主催の大規模な展覧会(企画展)。その裏側を描いた『美術展の不都合な真実』が新潮新書より刊行された。このを執筆した背景について、著者の日大学芸術学部教授・古賀太に話を聞いた。 聞き手=橋爪勇介(ウェブ版「美術手帖」編集長) 新型コロナウイルスによって数ヶ月もの長い臨時休館を強いられてきた美術館が、6月に入り次々と再開した。多くの美術ファンにとって喜ばしいニュースだが、美術館は事前予約制など、これまでにない対応を迫られている。このコロナ禍を機に美術館のあり方を見直すべきだという声は、美術関係者からも聞かれる。そんななか、メディア共催展(マスコミが主催に入る展覧会)をはじめとする美術館展覧会の隠れた部分を顕にした書籍『美術展の不都合な真実』(新潮新書)が刊行された。 * ──古賀さんは現在日

    大型展覧会は変わるべき? 『美術展の不都合な真実』著者・古賀太に聞く
  • まとめ:全国の美術館・博物館の再開状況

    まとめ:全国の美術館・博物館の再開状況新型コロナウイルスの影響を受け、各地で臨時休館となっていた美術館・博物館。一部の県での制限緩和などを受け、様々な対策を講じたうえで再開を始めた館をまとめた(6月5日最終更新)。 一部の県では制限の緩和も行われ、これを受けて各地の美術館・博物館では、様々な対策を講じたうえでの再開が始まっている。ここでは、再開を決定した館と、その展覧会情報をまとめてお届けする(※は各館が発表しているコロナ感染防止対策のうち特筆すべきもの。「アルコール消毒液設置」「スタッフのマスク着用」などはほぼすべての館で実施されているため、ここでは記載しない)。なお各館を訪れる前にはウェブサイトから最新の情報や注意事項をチェックしてほしい。 ・日博物館協会の感染防止ガイドラインについてはこちら ・国際博物館会議(ICOM)の新型コロナ基対策についてはこちら ・国際美術館会議(CIM

    まとめ:全国の美術館・博物館の再開状況
  • LIXILギャラリーが今秋閉廊。LIXIL出版も終了へ

    東京・京橋のLIXILギャラリーは、2020年秋をもって同スペースを閉廊することを発表した。 同ギャラリーは、1981年に伊奈ギャラリーとして開廊。2013年からはLIXILギャラリーと改称し、延べ40年にわたり活動を続けてきた。名称変更後は「建築とデザインとその周辺をめぐる巡回企画展」(東京・大阪)、「クリエイションの未来展」、「やきもの展」など977回の展覧会を開催。建築ややきものという独自の路線で存在感を示してきた。 閉廊の理由については、継続するコストも含め、経営判断がなされたといい、今後は愛知県常滑市にあるINAXライブミュージアムに活動の軸を移すという。 なお、建築文化を中心に400タイトルを超える書籍を刊行してきたLIXIL出版も、ギャラリー閉廊とあわせて活動を終了する。

    LIXILギャラリーが今秋閉廊。LIXIL出版も終了へ