自社の強みを明確に打ち出している印刷会社は強い。「なんでもできます」というのは、実はあいまいで顧客からの信頼を勝ち取ることは難しい。 *** 2010年11月11日、JAGATにてセミナー「デジタル印刷を生かす」が開催された。今回は第14期プリンティングコーディネータ養成講座のカリキュラムのひとつとして開催され、アメリカの最新事例から日本の印刷会社にとって参考となるデジタル印刷ビジネスについて学んだ。 講師はJAGAT 相馬謙一。 アメリカではデジタル印刷で利益を出す仕組みができている セミナーでは講師がアメリカで視察した印刷会社の事例を中心に解説した。日本では、デジタル印刷機の導入は進むものの、まだオフセット印刷のほうに比重がおかれている傾向がある。営業担当にとっても、同じ提案の手間と時間をかけるのであれば、単価が3万円~5万円と安いデジタル印刷より単価が1桁違うオフセット印刷に力をいれ
三回目の西部支社だよりである。前回は水都大阪を代表する道頓堀のネオンについてお話したが、あれから約二月、源八橋から見える大川両岸の木々は紅葉の真っ盛り。赤黄に彩られた水面を眺めていると都心であることを忘れるほどの静寂さである。【西部支社だより(3)】 大阪はかつての「水の都」を取りもどそうと数年前から川清掃に力を入れているのだが、川清掃の前に人心の清掃から始めなくてはいけない、情けないニュースが話題になっている。 さて、堀川同様大阪の中心街には大きな商店街、それもアーケード商店街が多いのに驚かされる。商店街アーケードの最初は北九州市小倉北区の「魚町銀天街」といわれているように全般に西日本に多いが、とくに関西圏は多いと聞く。たとえば東京と大阪の高級商店街を比べると違いがよくわかる。東京の高級ショッピング街といえば「銀座」である。そのシンボルは銀座4丁目の交差点、和光の時計台、三越、日産といっ
電子書籍のデバイスとコンテンツ制作を考えると、かつてDTP制作で起こったバージョン違いによる混乱や、デバイスやOSの変更に伴って利用できなくなるなどの事態は起こらないと言えるだろうか。 ■古いDTP環境から脱却できない理由とは 国内の出版・印刷分野では、2010年の今でも10数年も前のMACやOS9、アプリケーションが一部で使われている。これだけコンピュータやネットワーク環境の進化の激しい時代に、なぜそのようなことが起きているのか。 一番の理由は、古い環境で制作されたデータは、その環境でしか正しく編集・加工することができないという制約があるからだろう。 古いバージョンのQuarkXPressやIllustrator、OCFなど古い形式のフォントを使って制作されたデータは、最新のアプリケーションやフォント環境で読み込むことはできても、以前のレイアウトがすべて正確に再現されるわけではない。 移
「森裕司のInDesign未来塾!!」というタイトルで、InDesignについて語っていきます。第1回目は「InDesignってどんなアプリケーション?」です。 皆さん、はじめまして。これからInDesignについて語っていきたいと思うのでよろしくお願いします。第1回目は「InDesignってどんなアプリケーション?」です。 皆さんご存じのように、InDesignは印刷物を制作するためのアプリケーションで、一般的にページ物制作に使用されている。とは言っても、何十ページもあるパンフレットやカタログ、書籍をバリバリ制作している人もいれば、自動化で数百ページを一気に処理している人、さらにはIllustratorで作成したドキュメントをInDesignに面付けして、PDF書き出しやプリントだけに利用している人もいるだろう。また、CS5ではウェブモードが追加され、SWFやEPUBへの書き出し機能も強
10月5日(火)から10月9日(土)まで、ITやエレクトロニクス関係ではアジア最大の展示会「CEATEC JAPAN 2010」が開催された。北米ではラスベガスで開催されるCESが有名で今年はeBookの一大旋風だったのは有名である。 日本のIT展示会ではCEATECがメジャーで、有名メーカーの最新鋭デバイスや通信技術などが開催日に発表されたり、技術を駆使したおもしろい展示がされたりするなど、とても見どころの多いものとなっている。今回のテーマが「Digital Harmony-もっと快適に、もっとエコに」ということなので、省エネ的な展示、スマートグリッドに関した講演等が多く目に付くのだが、正直な話、あまり人気があるとは言い難い。省エネを前面に押し出したPanasonicブースなどは、とても意欲的な提案や非常にまじめな展示をしていたのだが、見たイメージは閑散としていた。 テーマに合致している
電子書籍の国際標準フォーマットとして期待されるEPUBは、現時点では縦組などの機能が含まれていない。そのため、当面の国内の電子書籍コンテンツ(縦組)はそれ以外の方式で販売されるだろう。 例えば、大日本印刷は電子文庫パブリの書籍コンテンツを秀英体で表示するビューアーをiPhone向けに提供している。縦組やリフロー方式、外字などに対応していることや、これまでの多くの文芸書などで馴染みのある秀英体を表示するため、電子書籍においても自然な読書が可能であると言う。近い将来、iPad向けにも提供される予定である。 また、モリサワはInDesignなどのDTPデータから電子書籍データを生成し、モリサワ書体を使用して表示するソリューションを提供している。縦組やリフロー方式、外字にも対応している。このようなソリューションでコンテンツが提供されると、読者はiPhoneなどでモリサワ書体にて表示された電子書籍を
プリプレス部門の特徴として、「(2)直接作業ではあるが売上が立たない」業務の比率が高い点がある。プリプレス部門の価値的生産性(部門売上)を上げるには、(1)の業務の比率を向上させることが重要である。 まず、(2)にあたる業務には、どのようなものがあって、どれくらいの時間を使っているのかを把握したうえで、その業務の効率化は可能かを検討する。こうした業務は、個々のオペレータが個々の判断で行っているケースも多く、業務ルールをきちんと定めるだけで大きな成果が得られるケースもある。 その上で、作業時間の長い業務については、得意先に費用を認めてもらうような働きかけをしていく。いきなり商慣習を変えるのは難しい面もあるが、客観的なデータに基づいてアクションを起こすことは非常に大切である。 ※(2)の中には「間接業務」扱いとするものもある。図2の例では「入稿チェック」 。厳密なルールがあるわけではなく、判断
光の3原色、インキの3原色と従来慣れ親しんできたが、最近テレビのCMなどでは4原色の液晶テレビなるものが騒がれ話題になっている。多原色とは、改めてどういったことなのだろうか? 原色には、光の3原色と色材の3原色がある。ある色を表現しようとする時、いくつかの元となる色(色材・光源)を足し合わせて目的の色を作る。この足し合わせる元の色が原色と称されている。光の3原色は、R(赤)・G(緑)・B(青)で、光を混ぜれば明るさが増し、RGBの全部の光を混ぜると白色になる。一方、色材(インキ)の3原色はC(シアン)・M(マゼンタ)・Y(イエロー)で、インキを混ぜれば明るさは減り、CMYのインキを重ねると黒になる。印刷の場合では、これに濃度の補足や階調再現の向上の目的としでBk(ブラック)インキが加えられている。 まずは、物が認識できるまで 眼で見て物を認識するまでの流れを簡単に説明すると、光が対象物から
■はじめに PAGE2007で、PAGE20周年を記念した特別セッション「コンピュータ組版の軌跡」が開催された。 1965年から株式会社写研で電算写植システムの開発にたずさわっていたことから、パネラーの一人として参加させていただいたが、電算写植システム開発当初からを振り返る良い機会であった。 今回は、1965年~1980年ごろまでの電算写植システムの開発について、トピックを拾い上げてみた。 ■1960年代前半の組版業界の状況 株式会社写研(当時は株式会社写真植字機研究所。以後写研)に、私が入社したのは1965年である。 当時の写研は、広告などいわゆる端物組版で使用されていた写真植字機を、書籍や雑誌などの本文組版へと使用分野を広げることをめざしていた。そのため、和文タイプライター程度の大きさの本文専用小型写真植字機「スピカ」を1963年10月に発表し、その量産を開始したところであった。 また
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