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ブックマーク / bijutsutecho.com (249)

  • 女性アーティストの作品のみを収蔵・展示。ボルチモア美術館の「2020 Vision」とは?

    女性アーティストの作品のみを収蔵・展示。ボルチモア美術館の「2020 Vision」とは?アメリカ・メリーランド州にあるボルチモア美術館が、女性アーティストに捧げるプログラム「2020 Vision」を行っている。250万ドル(約2億6000万円)以上の予算を投じて女性アーティストの作品のみを購入し、また、女性アーティストによる23の個展やグループ展を開催する。 アメリカで女性が参政権を認められてから100周年を記念し、メリーランド州にあるボルチモア美術館が、女性アーティストに捧ぐプログラム「2020 Vision」を実施している。 同館は2020年、250万ドル(約2億6000万円)以上の予算を投じ、女性アーティストによるすべてのジャンルや媒体の作品を購入。また、19年秋からは、女性アーティストを紹介する16の個展や7のグループ展などを行っている。 このプログラムについて、同館のドロシー

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  • バシェの音響彫刻5点が一堂に。川崎市岡本太郎美術館で「音と造形のレゾナンス」展が開催

    バシェの音響彫刻5点が一堂に。川崎市岡太郎美術館で「音と造形のレゾナンス」展が開催1970年の大阪万博で注目を集めた、バシェ兄弟による「音響彫刻」。その5点を一堂に展示し、岡太郎の芸術空間で共演させる「音と造形のレゾナンス-バシェ音響彫刻と岡太郎の共振」展が、川崎市岡太郎美術館で開催される。会期は4月25日〜7月12日(4月15日追記:展は開幕延期となった)。

    バシェの音響彫刻5点が一堂に。川崎市岡本太郎美術館で「音と造形のレゾナンス」展が開催
  • 世界のミュージアム入館料事情は? スペイン・アメリカの事例から

    世界のミュージアム入館料事情は? スペインアメリカの事例から論文『日の博物館はなぜ無料でないのか?―博物館法制定時までの議論を中心に― 』の著者で博物館制度に詳しい追手門学院大学教授・瀧端真理子が、スペインアメリカのミュージアム入館料制度を紹介。美術館の理念に迫る(稿の初出は2020年3月8日。値段などの数字は当時のもの)。 文=瀧端真理子

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  • ジェイソン・モランが学んだジョーン・ジョナスの教えとは? 他者とリンクする『“SKATEBOARDING” Tokyo』の試み

    ジェイソン・モランが学んだジョーン・ジョナスの教えとは? 他者とリンクする『“SKATEBOARDING” Tokyo』の試み1960年代からニューヨークを拠点にパフォーマンスと映像インスタレーションを融合させた表現を続けてきたジョーン・ジョナス。その活動を記念して、2019年12月に京都で大規模なパフォーマンス公演『Reanimation』(2012年初演)が行われた。雪や動植物をモチーフに、人間中心的ではない時間や世界観を示すその内容は、近年のジョナスの関心のありようを動的に伝えるものだが、この記事では舞台上の彼女から視点を少し左にずらして、舞台下手にいた「演奏者」に移動してみたい。 文=島貫泰介

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  • 過去30年で3倍に。国立博物館の値上げは是か非か

    30年で3倍の値上げ 東京国立博物館(以下、東博)など3つの国立博物館が一斉に発表した常設展(*1)の観覧料値上げが波紋を呼んでいる。 東博、京都国立博物館、奈良国立博物館はそれぞれ、4月1日から常設展の観覧料を変更。東博は一般620円を1000円に、大学生410円を500円に、京博・奈良博は一般520円を700円に、大学生260円を350円に改定する。 SNS上では、「これまでが安すぎた」という声もあるいっぽう、値上げは博物館へのアクセシビリティを低めるという懸念も聞こえる。 例えば、東博は1989(平成元)年の消費税導入以降、段階的に常設展の料金を引き上げてきた。値上げは基的に消費増税に伴うタイミングで実施されており、結果的にこの約30年間で3倍近くとなっている。 3館は今回の値上げについて、文化財修復や展示室リニューアルを含む鑑賞環境の整備のためだとしており、現状では「ランニング・

    過去30年で3倍に。国立博物館の値上げは是か非か
  • 東博など国立3博物館、入館料を値上げへ。「ランニング・コストも賄えない」

    東博など国立3博物館、入館料を値上げへ。「ランニング・コストも賄えない」東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館の3館は、今年4月1日より常設展(平常展・名品展)の料金を値上げすると発表した。 日を代表する博物館である東京国立博物館(以下、東博)、京都国立博物館、奈良国立博物館の3館が、4月1日より常設展(平常展)の料金を値上げすることを発表した。 東博は一般620円を1000円に、大学生410円を500円に値上げ。値上げ幅は最大380円となる。また京都国立博物館と奈良国立博物館は、現行の一般520円を700円に、大学生260円を350円に改定。これまで存在していた団体料金は、3館すべてで一般・大学生ともに廃止される。 気になるのはその理由だ。東博は、総合文化展(常設展)の来館者数が急増しているいっぽう、現在の観覧料では来館者一人当たりの直接的なランニング・コストも賄えていないとい

    東博など国立3博物館、入館料を値上げへ。「ランニング・コストも賄えない」
  • リヒターの絵はどうやってつくられるのか? 映画『ゲルハルト・リヒター ペインティング』でその制作背景を垣間見る

    2014年にはオークションハウス・クリスティーズで36億円という高額を記録し、今年は日で大規模回顧展が予定されているアーティスト、ゲルハルト・リヒター。世界中のコレクターやアートファンを魅了する作品はどのようにしてつくられているのか? その裏側に迫るドキュメンタリー映画『ゲルハルト・リヒター ペインティング』がDVDとして発売されている。 リヒターは1932年ドイツ・ドレスデン(旧東ドイツ)生まれ。ドレスデン芸術大学で美術教育を受けるが、西ドイツ旅行中に出合った抽象表現主義に強い影響を受け、ベルリンの壁が建設される半年前にデュッセルドルフへ移住。現在はケルンを拠点に活動している。

    リヒターの絵はどうやってつくられるのか? 映画『ゲルハルト・リヒター ペインティング』でその制作背景を垣間見る
  • 知られざる前衛画家が刻んだ、日本の未来。沢山遼評「坂田一男 捲土重来」展

    知られざる前衛画家が刻んだ、日の未来。沢山遼評「坂田一男 捲土重来」展1920年代のパリにおいて、第一線で活躍していた前衛画家・坂田一男。同展では、その功績が十分に評価されているとは言えなかった作家の全貌を、著書『抽象の力』で坂田にスポットを当てた造形作家の岡﨑乾二郎を監修に招くことで、みごとに蘇らせた。坂田の同時代性、そして度重なる災害に苛まれる日の現状をも予見するような現在性について、批評家の沢山遼がレビューする。 沢山遼=文

    知られざる前衛画家が刻んだ、日本の未来。沢山遼評「坂田一男 捲土重来」展
  • 森村泰昌が問う日本人としての「私」。原美術館で「森村泰昌:エゴオブスクラ東京2020―さまよえるニッポンの私」開幕

    森村泰昌が問う日人としての「私」。原美術館で「森村泰昌:エゴオブスクラ東京2020―さまよえるニッポンの私」開幕様々な歴史上の人物に扮したポートレートで知られるアーティスト・森村泰昌。その個展「森村泰昌:エゴオブスクラ東京2020―さまよえるニッポンの私」が、東京・品川の原美術館で開幕した。 日が連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)による占領下にあった1951年、大阪に生まれた森村泰昌。その人生において、日人としての自分について問い続けてきた森村が、東京・品川の原美術館で個展「森村泰昌:エゴオブスクラ東京2020―さまよえるニッポンの私」をスタートさせた。 森村は、名画や映画の登場人物、歴史上の人物に自らが扮するセルフ・ポートレイト作品で知られるアーティスト。1985年に《肖像(ゴッホ)》でデビューして以来、一貫して「私とは何か」という問いに取り組んできた。 「森村泰昌 レンブラント

    森村泰昌が問う日本人としての「私」。原美術館で「森村泰昌:エゴオブスクラ東京2020―さまよえるニッポンの私」開幕
  • ミュージアムは「文化のハブ」になれるのか? ICOMが問い直す「博物館」の定義

    ミュージアムは「文化のハブ」になれるのか? ICOMが問い直す「博物館」の定義国立京都国際会館で開催中の第25回ICOM(国際博物館会議)京都大会。その2日目に行われたプレナリー・セッション「ICOM博物館定義の再考」では、ミュージアムの理想的な姿が語られた。 ミュージアムの理想的な姿を強く訴えかける──そんなセッションが、ICOM(国際博物館会議)京都大会で行われた。 「ICOM博物館定義の再考」と題されたセッションは、今回の大会で大きな焦点となっている「Museum(ミュージアム)」の定義の見直しに関するもの。博物館の定義・展望・可能性委員会(MDPP)の委員長を務めるジェッテ・サンダールがモデレーターとなり、6人のスピーカーが登壇した。 ICOMは今大会で、ICOM規約にある「博物館」の定義を45年ぶりに大幅改正することを目指しており、その案は以下の通りとなっている。 博物館は、過

    ミュージアムは「文化のハブ」になれるのか? ICOMが問い直す「博物館」の定義
  • 現代の作家は「ジェンダー」に応答できているか? 美術家・黒瀬陽平インタビュー シリーズ:ジェンダーフリーは可能か?(7)

    現代の作家は「ジェンダー」に応答できているか? 美術家・黒瀬陽平インタビュー シリーズ:ジェンダーフリーは可能か?(7)美術手帖では、全11回のシリーズ「ジェンダーフリーは可能か?」として、日の美術界でのジェンダーバランスのデータ、歴史を整理。そして、美術関係者のインタビューや論考を通して、これからあるべき「ジェンダーフリー(固定的な性別による役割分担にとらわれず、男女が平等に、自らの能力を生かして自由に行動・生活できること)」のための展望を示していく。第7回では、カオス*ラウンジの代表であり、「ゲンロン カオス*ラウンジ新芸術校」で5年にわたり講師を務め、アーティスト育成のための指導を行ってきた黒瀬陽平に話を聞いた。 ※編集部注:黒瀬陽平はカオス*ラウンジ 新芸術校の事業において、アシスタントスタッフへのハラスメント行為が発覚。被害者が詳細を告発する事態となった。こうした自体は深刻なも

    現代の作家は「ジェンダー」に応答できているか? 美術家・黒瀬陽平インタビュー シリーズ:ジェンダーフリーは可能か?(7)
  • アンディ・ウォーホルの大回顧展が京都市京セラ美術館(京都市美術館)で開催へ。リニューアル・オープン後初の海外展

    1960年代のニューヨークで「ポップ・アート」という新たな定義を生み出したアンディ・ウォーホル。今回、その大回顧展 「ANDY WARHOL KYOTO / アンディ・ウォーホル・キョウト」が開催される。 会場となる京都市京セラ美術館は、京都市美術館から名称を改め、現在改修工事が進行。展は、その際に増設される新館 「東山キューブ」での開催となり、同館のリニューアル後最初の海外展だ。会期は2020年9月19日~21年1月3日。 展は、ウォーホル美術財団公式美術館であるアンディ・ウォーホル美術館の所蔵作品のみで構成。ウォーホルがイラストレーターとして活躍していた50年代の初期作品をはじめ、60年代に制作された「死と惨事」シリーズに代表される象徴的なキャンバス作品、映画テレビ番組などの記録映像、注文絵画としてのセレブリティのポートレイト、そして宗教画を参照した晩年の作品など約200点が一堂

    アンディ・ウォーホルの大回顧展が京都市京セラ美術館(京都市美術館)で開催へ。リニューアル・オープン後初の海外展
  • 仙厓への愛にあふれた個人コレクションを一挙公開。福岡市美術館で見る画業の初期から晩年、日用品まで

    動物や人物などを描いたユーモラスな禅画で知られる仙厓義梵(1750~1837)。日最初の禅寺・聖福寺の住職を務め、親しみやすい書画で禅の教えをわかりやすく伝えたことから「博多の仙厓さん」として慕われてきた。 そのため福岡・博多では、地元の文化人や実業家による優れた仙厓コレクションが形成。そのひとつである「小西コレクション」は証券会社の経営者・小西友次郎が収集し、その子息・小西昭一より2016年に福岡市美術館に寄贈されたもの。これを記念し、同館で「仙厓―小西コレクション」展が開催される。 仙厓義梵筆 蜆子和尚図仙厓義梵作 鳩形香合 小西コレクションの全容を示す初の機会となる展。最大の特徴は、全55点におよぶ収集品の幅広さだ。展示されるのはその画業の初期から晩年までをたどる作品のほか、茶器や文房具などの日用品。謹直なスタイルの禅画や緩やかな筆致で描かれた動物たちを楽しみながら、仙厓をこよな

    仙厓への愛にあふれた個人コレクションを一挙公開。福岡市美術館で見る画業の初期から晩年、日用品まで
  • 「バウハウス100年映画祭」をチェック。選りすぐりのドキュメンタリー6作品が全国の劇場で上映へ

    モダニズムのパイオニアとして建築、デザイン、写真など様々な分野に衝撃を与えたバウハウス。その創設から100年を記念し、渋谷のユーロスペースを皮切りに「バウハウス100年映画祭」が開催される。 バウハウスは1919年、第1時世界大戦後のドイツに誕生した学校。芸術と技術の新たな統合を目指し、建築家のヴァルター・グロピウスによって創設された。 独自の教育システムをつくり上げ、ヨゼフ・アルバースやマルセル・ブロイヤーなどの才能を生み出したバウハウスだったが、ナチスの迫害を受けわずか14年で閉校。映画祭はそんなバウハウスの活動の軌跡を、選りすぐりのドキュメンタリー作品で紐解く。 上映は4プログラム・計6作品で構成。「バウハウス最後の巨匠」とも呼ばれ、彫刻や建築など幅広い分野で活躍したマックス・ビルの激動の生涯を追う『マックス・ビルー絶対的な視点』や、じつは男性優位だったバウハウスで、多大な成果を残

    「バウハウス100年映画祭」をチェック。選りすぐりのドキュメンタリー6作品が全国の劇場で上映へ
  • 見ることで対象に触れるために。 画家・伊庭靖子 インタビュー

    果実や寝具、器などをモチーフに、静謐で写実的な絵画を手がけてきた画家・伊庭靖子。自身にとって10年ぶり、東京の美術館では初となる個展「伊庭靖子展 まなざしのあわい」が、東京都美術館で開催中だ。立体視を用いた映像作品など初の試みも多く展示される展で、伊庭は何を見せようとしているのか。批評家の菅原伸也が聞いた。 聞き手・構成=菅原伸也 ポートレイト撮影=加治枝里子 ━━東京都美術館での「伊庭靖子展 まなざしのあわい」は、神奈川県立近代美術館鎌倉館での展示以来約10年ぶりの大規模な個展となります。最初に今回の展示について説明していただけますか? 10年前は初めての大規模な展示で、それまでの仕事を網羅するようにほぼ時代順に展示し、やってきたことを一堂に見せるというかたちでした。この美術館は展示室がわりと個性的で複数あるので、面白い使い方ができないかなと考えました。あと、10年前の個展の後は次の展

    見ることで対象に触れるために。 画家・伊庭靖子 インタビュー
  • ドレス・コード?――着る人たちのゲーム(京都国立近代美術館)

    服を着るという行為は、社会生活を送る上で欠かせない文化的な営みのひとつ。「着る」だけでなく「視られる」もので、学校の制服や職場で着るスーツのように、時代や地域、社会階層文化や慣習と結びついた暗黙の「ドレス・コード」ともいえる様々なルールが存在している。 しかし、かつて軍服や労働着であったトレンチコートやデニムがいまではおしゃれのアイテムのひとつとなったように、それまでの用途(=コード)が失われ、別のコードが生まれることもある。また、インターネットとSNSの普及によって自己表現からあえてコードを逸脱した個性的なファッションに身を包む人が現れるなど、装いを自由に発信できるようになった現在、私たちとファッションの関わり方は新しい局面を迎えている。 展では、18世紀の男女の宮廷服や20世紀初頭の紳士服などの歴史的な衣装類から、グッチやルイ・ヴィトン、コム デ ギャルソンなど現代の衣服まで、様々

    ドレス・コード?――着る人たちのゲーム(京都国立近代美術館)
  • 「文化財よ、永遠に」。修復作品を一挙公開する展覧会が東京国立博物館、泉屋博古館分館など4館で同時期開催へ

    文化財よ、永遠に」。修復作品を一挙公開する展覧会が東京国立博物館、泉屋博古館分館など4館で同時期開催へ国宝5件、重要文化財22件のほか全国各地で守り伝えられてきた名品を一挙公開する展覧会「文化財よ、永遠に」が京都・泉屋博古館(9月6日〜10月14日)、東京・泉屋博古館分館(9月10日〜10月27日)、福岡・九州国立博物館(9月10日〜11月4日)、そして東京国立博物館(10月1日〜12月1日)で同時期開催される。 これまで文化財の保存や修復、そして修復技術の継承に関わる事業への助成を行ってきた住友財団。同財団の創立30周年を記念し、修復の成果を一挙に公開する展覧会「文化財よ、永遠に」が開催される。 展は国宝5件、重要文化財22件を含む仏像、絵画、文書、歴史資料など多彩な修復作品を展示するもの。なかでも注目したいのは、自然災害による損傷を乗り越えた文化財の数々。阪神淡路や能登半島、そして

    「文化財よ、永遠に」。修復作品を一挙公開する展覧会が東京国立博物館、泉屋博古館分館など4館で同時期開催へ
  • 大正時代の夭折画家、20余年の生涯を追って。関根正二の回顧展が福島県立美術館ほかで開催へ

    大正時代の夭折画家、20余年の生涯を追って。関根正二の回顧展が福島県立美術館ほかで開催へ大正時代に活動し、20歳と2ヶ月の若さでこの世を去った画家・関根正二。約160点の作品と資料による20年ぶり、過去最大の回顧展「生誕120年・没後100年 関根正二展」が、福島県立美術館(9月14日~11月10日)を皮切りに三重県立美術館(11月23日~2020年1月19日)、神奈川県立近代美術館 鎌倉別館(2020年2月1日~3月22日)で開催される。 わずか20歳と2ヶ月という若さでこの世を去った画家・関根正二。その過去最大となる回顧展が、福島県立美術館を皮切りに三重県立美術館、神奈川県立近代美術館 鎌倉別館で開催される。 関根は1899年福島県生まれ、9歳で上京し深川に居を移す。15歳のとき、後に浮世絵師として名を馳せる幼馴染の伊東深水の紹介で印刷会社に勤務。その後オスカー・ワイルドなどの画家に影

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  • 佐藤直樹展:紙面・壁画・循環(太田市美術館・図書館)

    美術館と図書館の複合施設である太田市美術館・図書館が継続的に実施する「と美術の展覧会」。第3弾では、デザイナー/アートディレクターの佐藤直樹を迎えて開催する。 佐藤は1961年東京都生まれ。北海道教育大学卒業後、信州大学で教育社会学・言語社会学を学んだ。美学校菊畑茂久馬絵画教場修了。94年の『WIRED』日版創刊にあたりアートディレクターに就任し、98年にはアジール・デザイン(現・アジール)を設立した。2010年、アートセンター「アーツ千代田 3331」の立ち上げに参画。12年からスタートしたアートプロジェクト「TRANS ARTS TOKYO(TAT)」をきっかけとして絵画制作に力を入れ、「大館・北秋田芸術祭2014」などにも参加した。 絵画に重きを置くようになったことについて、「それまで意識したことのなかったある場所の気配に身体が反応した」からと言う佐藤。13年には木炭壁画「そこで

    佐藤直樹展:紙面・壁画・循環(太田市美術館・図書館)
  • 44年ぶりに発見。鏑木清方の名作《築地明石町》など3作品を東京国立近代美術館が新収蔵、公開へ

    美人画の名手として、上村松園と並び称された日画家・鏑木清方(1878〜1972)。その幻とされてきた作品が、東京国立近代美術館に新収蔵された。 収蔵されたのは、清方の代表作として知られながら1975年以来所在不明であった《築地明石町》(1927)と、あわせて三部作となる《新富町》《浜町河岸》(ともに1930)の3点。 このうち《築地明石町》は帝国美術院賞を受賞し、清方を名実ともに日を代表する画家のひとりに押し上げた作品で、モデルとなっているのは清方夫人の女学校時代の友人であった江木ませ子。水色のペンキが塗られた洋館の垣根や朝顔が描かれ、辺りは朝霧で白く霞んでいる。佃の入江に停泊した帆船のマストを背景に、髪をイギリス巻にし、単衣の小紋の着物に黒い羽織姿の女性像。作は、清方が「明治20年代から30年代の人々の生活」というテーマに行き着いた、画業の後半のスタートラインに位置する作品だという

    44年ぶりに発見。鏑木清方の名作《築地明石町》など3作品を東京国立近代美術館が新収蔵、公開へ