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ブックマーク / bijutsutecho.com (240)

  • ミュージアムは「文化のハブ」になれるのか? ICOMが問い直す「博物館」の定義

    ミュージアムは「文化のハブ」になれるのか? ICOMが問い直す「博物館」の定義国立京都国際会館で開催中の第25回ICOM(国際博物館会議)京都大会。その2日目に行われたプレナリー・セッション「ICOM博物館定義の再考」では、ミュージアムの理想的な姿が語られた。 ミュージアムの理想的な姿を強く訴えかける──そんなセッションが、ICOM(国際博物館会議)京都大会で行われた。 「ICOM博物館定義の再考」と題されたセッションは、今回の大会で大きな焦点となっている「Museum(ミュージアム)」の定義の見直しに関するもの。博物館の定義・展望・可能性委員会(MDPP)の委員長を務めるジェッテ・サンダールがモデレーターとなり、6人のスピーカーが登壇した。 ICOMは今大会で、ICOM規約にある「博物館」の定義を45年ぶりに大幅改正することを目指しており、その案は以下の通りとなっている。 博物館は、過

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  • 現代の作家は「ジェンダー」に応答できているか? 美術家・黒瀬陽平インタビュー シリーズ:ジェンダーフリーは可能か?(7)

    現代の作家は「ジェンダー」に応答できているか? 美術家・黒瀬陽平インタビュー シリーズ:ジェンダーフリーは可能か?(7)美術手帖では、全11回のシリーズ「ジェンダーフリーは可能か?」として、日の美術界でのジェンダーバランスのデータ、歴史を整理。そして、美術関係者のインタビューや論考を通して、これからあるべき「ジェンダーフリー(固定的な性別による役割分担にとらわれず、男女が平等に、自らの能力を生かして自由に行動・生活できること)」のための展望を示していく。第7回では、カオス*ラウンジの代表であり、「ゲンロン カオス*ラウンジ新芸術校」で5年にわたり講師を務め、アーティスト育成のための指導を行ってきた黒瀬陽平に話を聞いた。 ※編集部注:黒瀬陽平はカオス*ラウンジ 新芸術校の事業において、アシスタントスタッフへのハラスメント行為が発覚。被害者が詳細を告発する事態となった。こうした自体は深刻なも

    現代の作家は「ジェンダー」に応答できているか? 美術家・黒瀬陽平インタビュー シリーズ:ジェンダーフリーは可能か?(7)
  • アンディ・ウォーホルの大回顧展が京都市京セラ美術館(京都市美術館)で開催へ。リニューアル・オープン後初の海外展

    1960年代のニューヨークで「ポップ・アート」という新たな定義を生み出したアンディ・ウォーホル。今回、その大回顧展 「ANDY WARHOL KYOTO / アンディ・ウォーホル・キョウト」が開催される。 会場となる京都市京セラ美術館は、京都市美術館から名称を改め、現在改修工事が進行。展は、その際に増設される新館 「東山キューブ」での開催となり、同館のリニューアル後最初の海外展だ。会期は2020年9月19日~21年1月3日。 展は、ウォーホル美術財団公式美術館であるアンディ・ウォーホル美術館の所蔵作品のみで構成。ウォーホルがイラストレーターとして活躍していた50年代の初期作品をはじめ、60年代に制作された「死と惨事」シリーズに代表される象徴的なキャンバス作品、映画テレビ番組などの記録映像、注文絵画としてのセレブリティのポートレイト、そして宗教画を参照した晩年の作品など約200点が一堂

    アンディ・ウォーホルの大回顧展が京都市京セラ美術館(京都市美術館)で開催へ。リニューアル・オープン後初の海外展
  • 仙厓への愛にあふれた個人コレクションを一挙公開。福岡市美術館で見る画業の初期から晩年、日用品まで

    動物や人物などを描いたユーモラスな禅画で知られる仙厓義梵(1750~1837)。日最初の禅寺・聖福寺の住職を務め、親しみやすい書画で禅の教えをわかりやすく伝えたことから「博多の仙厓さん」として慕われてきた。 そのため福岡・博多では、地元の文化人や実業家による優れた仙厓コレクションが形成。そのひとつである「小西コレクション」は証券会社の経営者・小西友次郎が収集し、その子息・小西昭一より2016年に福岡市美術館に寄贈されたもの。これを記念し、同館で「仙厓―小西コレクション」展が開催される。 仙厓義梵筆 蜆子和尚図仙厓義梵作 鳩形香合 小西コレクションの全容を示す初の機会となる展。最大の特徴は、全55点におよぶ収集品の幅広さだ。展示されるのはその画業の初期から晩年までをたどる作品のほか、茶器や文房具などの日用品。謹直なスタイルの禅画や緩やかな筆致で描かれた動物たちを楽しみながら、仙厓をこよな

    仙厓への愛にあふれた個人コレクションを一挙公開。福岡市美術館で見る画業の初期から晩年、日用品まで
  • 「バウハウス100年映画祭」をチェック。選りすぐりのドキュメンタリー6作品が全国の劇場で上映へ

    モダニズムのパイオニアとして建築、デザイン、写真など様々な分野に衝撃を与えたバウハウス。その創設から100年を記念し、渋谷のユーロスペースを皮切りに「バウハウス100年映画祭」が開催される。 バウハウスは1919年、第1時世界大戦後のドイツに誕生した学校。芸術と技術の新たな統合を目指し、建築家のヴァルター・グロピウスによって創設された。 独自の教育システムをつくり上げ、ヨゼフ・アルバースやマルセル・ブロイヤーなどの才能を生み出したバウハウスだったが、ナチスの迫害を受けわずか14年で閉校。映画祭はそんなバウハウスの活動の軌跡を、選りすぐりのドキュメンタリー作品で紐解く。 上映は4プログラム・計6作品で構成。「バウハウス最後の巨匠」とも呼ばれ、彫刻や建築など幅広い分野で活躍したマックス・ビルの激動の生涯を追う『マックス・ビルー絶対的な視点』や、じつは男性優位だったバウハウスで、多大な成果を残

    「バウハウス100年映画祭」をチェック。選りすぐりのドキュメンタリー6作品が全国の劇場で上映へ
  • 見ることで対象に触れるために。 画家・伊庭靖子 インタビュー

    果実や寝具、器などをモチーフに、静謐で写実的な絵画を手がけてきた画家・伊庭靖子。自身にとって10年ぶり、東京の美術館では初となる個展「伊庭靖子展 まなざしのあわい」が、東京都美術館で開催中だ。立体視を用いた映像作品など初の試みも多く展示される展で、伊庭は何を見せようとしているのか。批評家の菅原伸也が聞いた。 聞き手・構成=菅原伸也 ポートレイト撮影=加治枝里子 ━━東京都美術館での「伊庭靖子展 まなざしのあわい」は、神奈川県立近代美術館鎌倉館での展示以来約10年ぶりの大規模な個展となります。最初に今回の展示について説明していただけますか? 10年前は初めての大規模な展示で、それまでの仕事を網羅するようにほぼ時代順に展示し、やってきたことを一堂に見せるというかたちでした。この美術館は展示室がわりと個性的で複数あるので、面白い使い方ができないかなと考えました。あと、10年前の個展の後は次の展

    見ることで対象に触れるために。 画家・伊庭靖子 インタビュー
  • ドレス・コード?――着る人たちのゲーム(京都国立近代美術館)

    服を着るという行為は、社会生活を送る上で欠かせない文化的な営みのひとつ。「着る」だけでなく「視られる」もので、学校の制服や職場で着るスーツのように、時代や地域、社会階層文化や慣習と結びついた暗黙の「ドレス・コード」ともいえる様々なルールが存在している。 しかし、かつて軍服や労働着であったトレンチコートやデニムがいまではおしゃれのアイテムのひとつとなったように、それまでの用途(=コード)が失われ、別のコードが生まれることもある。また、インターネットとSNSの普及によって自己表現からあえてコードを逸脱した個性的なファッションに身を包む人が現れるなど、装いを自由に発信できるようになった現在、私たちとファッションの関わり方は新しい局面を迎えている。 展では、18世紀の男女の宮廷服や20世紀初頭の紳士服などの歴史的な衣装類から、グッチやルイ・ヴィトン、コム デ ギャルソンなど現代の衣服まで、様々

    ドレス・コード?――着る人たちのゲーム(京都国立近代美術館)
  • 「文化財よ、永遠に」。修復作品を一挙公開する展覧会が東京国立博物館、泉屋博古館分館など4館で同時期開催へ

    文化財よ、永遠に」。修復作品を一挙公開する展覧会が東京国立博物館、泉屋博古館分館など4館で同時期開催へ国宝5件、重要文化財22件のほか全国各地で守り伝えられてきた名品を一挙公開する展覧会「文化財よ、永遠に」が京都・泉屋博古館(9月6日〜10月14日)、東京・泉屋博古館分館(9月10日〜10月27日)、福岡・九州国立博物館(9月10日〜11月4日)、そして東京国立博物館(10月1日〜12月1日)で同時期開催される。 これまで文化財の保存や修復、そして修復技術の継承に関わる事業への助成を行ってきた住友財団。同財団の創立30周年を記念し、修復の成果を一挙に公開する展覧会「文化財よ、永遠に」が開催される。 展は国宝5件、重要文化財22件を含む仏像、絵画、文書、歴史資料など多彩な修復作品を展示するもの。なかでも注目したいのは、自然災害による損傷を乗り越えた文化財の数々。阪神淡路や能登半島、そして

    「文化財よ、永遠に」。修復作品を一挙公開する展覧会が東京国立博物館、泉屋博古館分館など4館で同時期開催へ
  • 大正時代の夭折画家、20余年の生涯を追って。関根正二の回顧展が福島県立美術館ほかで開催へ

    大正時代の夭折画家、20余年の生涯を追って。関根正二の回顧展が福島県立美術館ほかで開催へ大正時代に活動し、20歳と2ヶ月の若さでこの世を去った画家・関根正二。約160点の作品と資料による20年ぶり、過去最大の回顧展「生誕120年・没後100年 関根正二展」が、福島県立美術館(9月14日~11月10日)を皮切りに三重県立美術館(11月23日~2020年1月19日)、神奈川県立近代美術館 鎌倉別館(2020年2月1日~3月22日)で開催される。 わずか20歳と2ヶ月という若さでこの世を去った画家・関根正二。その過去最大となる回顧展が、福島県立美術館を皮切りに三重県立美術館、神奈川県立近代美術館 鎌倉別館で開催される。 関根は1899年福島県生まれ、9歳で上京し深川に居を移す。15歳のとき、後に浮世絵師として名を馳せる幼馴染の伊東深水の紹介で印刷会社に勤務。その後オスカー・ワイルドなどの画家に影

    大正時代の夭折画家、20余年の生涯を追って。関根正二の回顧展が福島県立美術館ほかで開催へ
  • 佐藤直樹展:紙面・壁画・循環(太田市美術館・図書館)

    美術館と図書館の複合施設である太田市美術館・図書館が継続的に実施する「と美術の展覧会」。第3弾では、デザイナー/アートディレクターの佐藤直樹を迎えて開催する。 佐藤は1961年東京都生まれ。北海道教育大学卒業後、信州大学で教育社会学・言語社会学を学んだ。美学校菊畑茂久馬絵画教場修了。94年の『WIRED』日版創刊にあたりアートディレクターに就任し、98年にはアジール・デザイン(現・アジール)を設立した。2010年、アートセンター「アーツ千代田 3331」の立ち上げに参画。12年からスタートしたアートプロジェクト「TRANS ARTS TOKYO(TAT)」をきっかけとして絵画制作に力を入れ、「大館・北秋田芸術祭2014」などにも参加した。 絵画に重きを置くようになったことについて、「それまで意識したことのなかったある場所の気配に身体が反応した」からと言う佐藤。13年には木炭壁画「そこで

    佐藤直樹展:紙面・壁画・循環(太田市美術館・図書館)
  • 44年ぶりに発見。鏑木清方の名作《築地明石町》など3作品を東京国立近代美術館が新収蔵、公開へ

    44年ぶりに発見。鏑木清方の名作《築地明石町》など3作品を東京国立近代美術館が新収蔵、公開へ竹橋の東京国立近代美術館は、近代日画の巨匠・鏑木清方の幻の作品とされてきた3作品を新たに収蔵。11月1日より特別公開すると発表した。 美人画の名手として、上村松園と並び称された日画家・鏑木清方(1878〜1972)。その幻とされてきた作品が、東京国立近代美術館に新収蔵された。 収蔵されたのは、清方の代表作として知られながら1975年以来所在不明であった《築地明石町》(1927)と、あわせて三部作となる《新富町》《浜町河岸》(ともに1930)の3点。 このうち《築地明石町》は帝国美術院賞を受賞し、清方を名実ともに日を代表する画家のひとりに押し上げた作品で、モデルとなっているのは清方夫人の女学校時代の友人であった江木ませ子。水色のペンキが塗られた洋館の垣根や朝顔が描かれ、辺りは朝霧で白く霞んでいる

    44年ぶりに発見。鏑木清方の名作《築地明石町》など3作品を東京国立近代美術館が新収蔵、公開へ
  • 丸木俊の戦後の名作《解放され行く人間性》を着想源に。東京国立近代美術館がセクシャリティを問う小企画を開催

    丸木俊の戦後の名作《解放され行く人間性》を着想源に。東京国立近代美術館がセクシャリティを問う小企画を開催竹橋の東京国立近代美術館が、《原爆の図》などで知られる洋画家・丸木俊による裸婦像《解放され行く人間性》(1947)を、同館のコレクションに新しく収蔵した。今回その作品とタイトルに着想を得た、セクシャリティを問う小企画「解放され行く人間性 女性アーティストによる作品を中心に」をギャラリー4で開催する。会期は6月18日〜10月20日。 2019年、丸木俊(1912〜2000)が描いた裸婦像《解放され行く人間性》(1947)をコレクションとして新収蔵した東京国立近代美術館。今回同館では、その作品とタイトルに着想を得た小企画「解放され行く人間性 女性アーティストによる作品を中心に」が開催される。 丸木は北海道に生まれ、女子美術専門学校(現・女子美術大学)を卒業後、外交官の家庭教師としてモスクワに

    丸木俊の戦後の名作《解放され行く人間性》を着想源に。東京国立近代美術館がセクシャリティを問う小企画を開催
  • ATELIER MUJI GINZAでバウハウスの展覧会が開催。14年の活動から学ぶ、新たな生活スタイルの探求とは

    ATELIER MUJI GINZAでバウハウスの展覧会が開催。14年の活動から学ぶ、新たな生活スタイルの探求とは今年4月にオープンした無印良品 銀座。その6階に位置するATELIER MUJI GINZAのGallery 2で、「Archives: Bauhaus」展が開催される。展では、バウハウスのアーカイブや生徒の作品のほか、今回のテーマに沿って選ばれた無印良品の製品を展示。会期は6月28日〜9月23日。 今年4月、無印良品の世界初旗艦店としてオープンした無印良品 銀座。その6階に位置するATELIER MUJI GINZA内のGallery 2で、「Archives: Bauhaus」展が開催される。 展は、デザインにまつわる重要な記録を保存・活用し、未来へ伝達する試みである「Archive」シリーズの一環として行なわれるもの。オリジナルの家具を扱うショップ「Playmount

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  • 学芸員は名前が出せない? 美術館の(奇妙な)現状を探る

    学芸員は名前が出せない? 美術館の(奇妙な)現状を探る美術館で展覧会の企画や研究を担う学芸員。その個人名をめぐり、SNSで議論が巻き起こっている。学芸員の個人名を積極的に出したがらない日の風潮はどこから来るのか? 学芸員は現状に対してどのような思いを抱いているのか? 文=橋爪勇介 個人名を出さない風潮 発端はひとつのtweetだった。岐阜県現代陶芸美術館館長・高橋秀治が、三重県立美術館の「担当学芸員によるギャラリートークを開催します」という投稿に対し「外部講師だけでなく担当学芸員も名前を出して欲しい。自分が勤務する美術館でもそうだけど、学芸員は名前を出したがらない人が多いと思う。美術館の財産でもある学芸員を各美術館がもっと売り出しましょうよ。学芸員の顔が見える美術館に」と引用RTしたのだ(なお三重県立美術館は、「学芸室だより」というリレー形式のエッセイで、早くから各学芸員の名前を掲載して

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  • ジャコメッティと哲学者・矢内原伊作の関係性に迫る。国立国際美術館で《ヤナイハラ Ⅰ》の収蔵を記念する特集展示が開催

    昨年、アルベルト・ジャコメッティ(1901~66)の彫刻作品《ヤナイハラ Ⅰ》を収蔵した国立国際美術館。これを記念し、同館で「コレクション特集展示 ジャコメッティとⅠ」が開催される。 スイスに生まれフランスで活躍したアルベルト・ジャコメッティは、20世紀を代表する彫刻家のひとり。20年代の終盤からシュルレアリスム運動に参加し、35年頃から身体を細く長く引き伸ばした独自のスタイルによる彫刻作品の制作を始める。 ジャコメッティの創作に多くの刺激を与えたのは、日の哲学者・矢内原伊作(1918~89)の存在だ。矢内原はサルトルやカミュに惹かれ、実存主義の立場から哲学を研究。56~61年の間に繰り返し渡仏してジャコメッティのモデルを務めたほか、『ジャコメッティとともに』(筑摩書房、1969)など、その交流関係を記した著書も多い。 矢内原をモデルとしたブロンズ彫刻のうち完成に至ったのは2作品のみで、

    ジャコメッティと哲学者・矢内原伊作の関係性に迫る。国立国際美術館で《ヤナイハラ Ⅰ》の収蔵を記念する特集展示が開催
  • 美術作品を残すということ 計測する作家・毛利悠子インタビュー

    美術作品を残すということ 計測する作家・毛利悠子インタビューBankARTで開催中の「日産アートアワード2015」でグランプリを受賞した毛利悠子は、今もっとも注目を集める作家のひとり。展示環境に寄り添うインスタレーション作品を制作してきた彼女は、10月15日〜25日、アサヒ・アートスクエアにて、展示のための空間把握を数値化するプロジェクト「感覚の計測──《I/O ある作曲家の部屋》の場合」を実施しました。展示のためのあらゆる環境条件を計測し、作品展示のためのインストラクションを公開制作するこのプロジェクトは、サイトスペシフィック・アートの収蔵の問題や、美術作品の未来を見据えたものでした。 近江ひかり ──このプロジェクトは、「ヨコハマトリエンナーレ2014」の展示空間に合わせて制作された《I/O─ある作曲家の部屋》(2014)の再展示を可能にするためのインストラクションを公開制作するもので

    美術作品を残すということ 計測する作家・毛利悠子インタビュー
  • 100年ぶりの再会。分割された《佐竹本三十六歌仙絵》が過去最大規模で集結

    100年ぶりの再会。分割された《佐竹三十六歌仙絵》が過去最大規模で集結36人の優れた和歌の詠み人「歌仙」を描いた鎌倉時代の名品《佐竹三十六歌仙絵》。100年前に分割されたこの作品が、京都国立博物館の特別展「流転 100年 佐竹三十六歌仙絵と王朝の美」で集結、過去最大規模になることが発表された。 「今後そうそう開かれることはない貴重な展覧会になるでしょう」。京都国立博物館研究員の井並林太郎がこう語る特別展が、今年10月に開催される。 特別展「流転 100年 佐竹三十六歌仙絵と王朝の美」は、鎌倉時代につくられたと考えられる2巻の絵巻物《佐竹三十六歌仙絵》を中心にした展覧会だ。「流転」と題された展のポイントを整理してみよう。 重要文化財 佐竹三十六歌仙絵 小大君(部分) 鎌倉時代(13世紀) 大和文華館蔵 まず「三十六歌仙」とは、歌人・藤原公任(ふじわらのきんとう、966~1041

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  • チームラボが創業145周年「明治座」の緞帳をデザインへ。刻々と変わる緞帳とは?

    2018年に創業145周年を迎えた明治座は、東京でもっとも長い歴史を持つ劇場として年代を問わず多くの人々に愛されてきた。そして今回、4年後に控えた150周年へ向けた新規事業の幕開けとして、チームラボとタッグを組み、デジタルテクノロジーを用いた新緞帳を常設することを明らかにした。 今回新たに常設される緞帳は、「刻々と画が移り変わる緞帳」。伝統的な緞帳のきめ細やかな装飾を、デジタルテクノロジーによる映像表現で再構築し、4K解像度と同等の高画質で制作される。 現在の明治座内観客席 緞帳のサイズは縦7×横20メートル。緞帳には、明治座が誕生した文明開化ごろの喜昇座(当時の明治座)を中心とした、日橋の町並みと人々の営みが再現される。緞帳の中の景色と人々の営みは、実際の時間や季節、天候に連動して、刻々と変化。実際の日の出とともに明るくなり、日の入りが近づけば夕焼けに、夜が深くなれば暗くなり、実際に雨

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  • いま、原美術館を見つめ直す。これまでの歩みと閉館の理由、そして美術館のこれから

    廃墟から美術館へ 2021年1で約40年の歴史に幕を降ろす原美術館。その歴史をあらためて振り返りたい。 原美術館が開館したのは1979年12月のこと。原俊夫(原美術館を運営するアルカンシェール美術財団理事長)の祖父にあたる実業家・原邦造の私邸を美術館として開館させたものだ。 原邸自体の竣工は、いまから80年前の1938年に遡る。この邸宅を設計したのは渡辺仁。渡辺は、東京国立博物館館や銀座の和光館などを手がており、当時を代表する建築家だった。白く平面的な壁やガラス窓、鉄格子などを取り入れたモダニズム建築である原邸は、2003年にはDOCOMOMO(モダン・ムーブメントに関わる建物と環境形成の記録調査および保存のための国際組織)にも認定されるなど、建築としても高い評価を受けている。 しかしこの原美術館は開館以前、じつは廃墟同然だったのだという。 原邸は終戦後、GHQによって接収。将校の宿舎

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  • ヒグチユウコが世田谷文学館で自身初となる大規模個展を開催。おなじみのキャラクターたちが繰り広げるサーカスの世界へ

    いまや誰もが見覚えのあるや少女、動物たちを描いてきたヒグチユウコ。その約20年の活動を紹介する展覧会「ヒグチユウコ展 CIRCUS」が、世田谷文学館で開催される。 ヒグチはこれまで『ギュスターヴくん』(白泉社、2016)、『いらないねこ』(白泉社、2017)など数々の絵を発表。また、グッチや画材メーカーのホルベインなど様々な企業とのコラボレーションも手がけてきた。 ヒグチユウコ 鋏 2018 ©Yuko Higuchi 展では「サーカス」をテーマに、約500点にのぼる作品を公開。いままでに発刊された絵の原画をはじめ、企業とのコラボレーション作品、書籍の装画などが一堂に会する。また、ヒグチが追求してきた「ホラー」な作品に焦点を当てるコーナーも登場する。 ヒグチユウコ 『ふたりのねこ』 原画 2014 ©Yuko Higuchi そのほかにも、会場には実際のサーカステントが出現。ヒグチ

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