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ブックマーク / company.books-yagi.co.jp (44)

  • 歌舞伎に不可欠な「芝居唄」の数々を、使用された外題・場面の解説とともに初集成!―郡司正勝・浅原恒男『芝居唄: 歌舞伎黒御簾音楽歌詞集成』(文化資源社) | 八木書店グループ

    歌舞伎の舞台で演奏される唄は、その場面をより効果的に印象づけるために欠かせないことは、多くの方がご存じでしょう。しかし、現代ではその歌詞を聴き取り、理解できる方は少ないのが現状です。素晴らしい歌舞伎の舞台を盛り上げる芝居唄の歌詞が理解できれば、芝居がさらに深く楽しめると思いませんか? 書はその実現を目指したものです。 「芝居唄」の歌詞の多くは、黒簾の演者たちにより「唄」「附帳」と呼ばれる覚え書きの帳面として伝承されてきました。書は初めて格的な収集テキストとしてまとめられ、歌舞伎の音楽の側面の研究に欠かせない貴重な文献資料として刊行されます。しかし、歌舞伎は観て楽しむものであるのが原則です。そのため、書には歌詞だけでなく、どの場面で唄われたかや、曲のジャンルなどの情報も丁寧に記載されます。例えば、明日観に行く舞台で流れる「芝居唄」を探すのに便利な三種の索引や、歌詞の意味を深く理解す

    歌舞伎に不可欠な「芝居唄」の数々を、使用された外題・場面の解説とともに初集成!―郡司正勝・浅原恒男『芝居唄: 歌舞伎黒御簾音楽歌詞集成』(文化資源社) | 八木書店グループ
  • イエズス会が刊行した文法書を読む―『天草版ラテン文典巻一全釈』刊行の弁― | 八木書店グループ

    「天草版ラテン文典」とは 「天草版ラテン文典」(1594年天草刊)は、イエズス会が刊行したキリシタン版日語文典3種の最初の文典であり、ラテン文法の枠組みで日語を論じた初の文法書である。 という教科書的な一行なら、今やchatGPTでも書けそうだが、「天草版ラテン文典」の原文に即して、その日語文法記述に接するとなると、話は、そう単純ではない。 現存は僅かに2で、その一のエボラ(ポルトガル)のフルカラー影印(写真版)は、2012年に八木書店から公刊した処であるが、その後、原文の精読に基づいて著わされた論考を、殆ど見ないのは、残念である。 「天草版ラテン文典」が、日語文法関連の記述を行なうのは、全170丁のうち、巻一の69丁までなので、日語文法学史の観点からは、大した関心も喚起し得なかったものであろうか。例えば、「準体」の日語学史上初の記述が書にある事は、編者の一人の黒川茉

    イエズス会が刊行した文法書を読む―『天草版ラテン文典巻一全釈』刊行の弁― | 八木書店グループ
  • 吉村武彦・加藤友康・川尻秋生・中村友一編『墨書土器と文字瓦―出土文字史料の研究―』 | 八木書店グループ

    吉村武彦・加藤友康・川尻秋生・中村友一編『墨書土器と文字瓦―出土文字史料の研究―』日、吉村武彦・加藤友康・川尻秋生・中村友一編『墨書土器と文字瓦―出土文字史料の研究―』が納品となりました。 地中から出土する文字史料が語る古代社会。全国の発掘調査により出土した多様な墨書土器・文字瓦を読み解き、東アジア漢字文化圏での事例など、多彩な論点から古代社会を再現した最新研究。 【試し読み】 書の概要を記した、吉村武彦先生による「序文」と「目次」を公開。 https://catalogue.books-yagi.co.jp/files/pdf/d9784840622615.pdf 【内容説明】 【1】墨書土器・文字瓦の最新成果をまとめた学術書 奈良・平安時代の土師器・須恵器に、文字・記号・人面・絵画などが残された墨書土器と文字瓦を多角的に読み解き、古代社会の実態を解明した最新の学術書。 【2】多彩な

    吉村武彦・加藤友康・川尻秋生・中村友一編『墨書土器と文字瓦―出土文字史料の研究―』 | 八木書店グループ
  • 髙田宗平編『日本漢籍受容史―日本文化の基層―』 | 八木書店グループ

    髙田宗平編『日漢籍受容史―日文化の基層―』日、髙田宗平編『日漢籍受容史―日文化の基層―』が納品されました。 前近代の日を理解するためには、漢籍を知ることが大切となります。あらゆる知識・情報の根源となった漢籍は、どのように受容され、日文化に根付いたのか。 漢籍に関わる様々な分野の研究者が最新論考を寄稿し、前近代の漢籍受容の歴史を学際的・通時代的に解明した、初の学術書です。 【試し読み公開】 漢籍の歴史書収録論考の概要などを、編者の髙田宗平先生が執筆した「序―書の概要―」(19ページ)、詳細目次(12ページ)をPDF公開しています。 https://catalogue.books-yagi.co.jp/files/pdf/d9784840622608.pdf… 【内容説明】 清朝以前に中国人が漢文(漢語)で撰した書物=漢籍。日は前近代において、多くの漢籍が舶載・将来され、

    髙田宗平編『日本漢籍受容史―日本文化の基層―』 | 八木書店グループ
  • やさしい茶の歴史(二)(橋本素子) | 八木書店グループ

    やさしい茶の歴史(二)(橋素子)日最古の茶園・大内裏茶園 前回、弘仁6年(815)6月3日、嵯峨天皇は、畿内等で茶を植え、それを毎年献上するように命じたが、実際にそれが行われたかどうかわからないと書いた。また、永忠・最澄・空海ら入唐僧が、帰国後茶をどのように調達していたのかわからないとも書いた。 そのような中で唯一、嵯峨天皇の命以後に作られたことが確認できる茶園がある。それが平安京大内裏茶園である。さしずめ、霞が関官庁街の一角に茶園があった、ということになろうか。そして関連する史料からは、この茶園の茶葉を使い製茶が行われ、その茶を宮中の儀礼で使用していたことが想定できるのである。 大内裏茶園の場所は、一条大路より南、正親町小路より北、大宮大路より西、櫛笥小路より東(現京都市上京区、一条通より南、中立売通より北、大宮通より西、智恵光院通より東)の一町四方で、ちょうど平安京の鬼門にあたる。

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  • やさしい茶の歴史(一)(橋本素子) | 八木書店グループ

    やさしい茶の歴史(一)(橋素子)喫茶文化史とは何か これまで、茶の歴史を扱う分野は、「茶道史」や農業史のなかの「茶業史」であった。特に茶道史では、千利休が「茶の湯」を大成するまでのひとすじの流れを描くものであった。しかし、その流れから外れる事柄は、「茶の湯」の通史に無理に引き付けて理解されたり、逆に全く評価されなかったりと、フラットに評価されることはなかった。 そこで筆者は、これらの問題に対応するため、平成13年(2001)に、茶道史も含む日の茶の歴史全般を扱うこととし、この分野名を「日喫茶文化史」とすることを提唱した。 すなわち、日喫茶文化史とは、中国からの渡来文化である喫茶文化が日に伝来し、遊芸、宗教儀礼、政治儀礼、生産といった複数の経路を経て、16世紀初めまでには「日常茶飯事」―茶も飯も当たり前の事という言葉が示すように、庶民層にまで受け入れられる。そのうえで、日の風土に

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  • 須恵器は何故受容され消滅したのか―須恵器の歴史をたどる―(渡辺一) | 八木書店グループ

    須恵器は何故受容され消滅したのか―須恵器の歴史をたどる―(渡辺一)須恵器とはいかなる焼き物か 須恵器(すえき)は日で最初の焼き物です。縄文土器以来の野焼き(覆焼きがより正確)と違って、斜面に穴(ないし溝)を掘ってトンネル状にした窖窯(あながま)で焼かれてつくられた土器です。窯の形や大きさは時代ごとに違いますが、大きさはだいたい全長6~8m、地面からの深さは1~2mぐらいです。在来の土器とは違い、青灰色に固く焼き締められています。磁器(伊万里焼)と同じく朝鮮半島から工人が渡来してもたらされた外来の焼き物です。ただし技術の大中国(China)です。 一字一音式に表された須恵器という名前は、陶器と区別するために付けられた、言わば学術用語です。古代にはスエノウツハモノなどと呼ばれ、漢字には「陶器」が充てられていました。したがってそのまま使うと、施釉品の陶器(とうき)と区別がつかなくなってしま

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  • C.R.ボクサー原著/高瀬弘一郎訳『キリシタン世紀の日本』 | 八木書店グループ

    C.R.ボクサー原著/高瀬弘一郎訳『キリシタン世紀の日日、C.R.ボクサー原著/高瀬弘一郎訳『キリシタン世紀の日』が納品となりました。 英国人ボクサーのキリシタン通史の名著を日語翻訳 葡・西・蘭・仏・日など諸国語の膨大な原史料と研究を読み解き、大航海時代の歴史を広い視野から透徹した名著が、日欧交渉史の泰斗による日語翻訳版で初刊行! ■試し読みもできます。こちらからご覧ください。 https://catalogue.books-yagi.co.jp/files/pdf/d9784840622387.pdf 【内容説明】 〔原著〕Charles Ralph Boxer,The Christian Century in Japan 1549-1650, University of California Press,(1951) second printing,corrected,19

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  • 新天理図書館善本叢書 全5期36巻完結! | 八木書店グループ

    新天理図書館叢書 全5期36巻完結!6年間にわたって刊行を続けてきた新天理図書館叢書が年2月に全巻完結しました。 シリーズは天理図書館所蔵の貴重な古典籍を、高精細カラー版で刊行するものです。 古典研究者・図書館・研究室に必備のシリーズとなっております。 在庫僅少巻もありますので、お早めにお求めください。 全5期36巻内容見PDF版) https://catalogue.books-yagi.co.jp/files/pub/pdf/shintenri kannketu.pdf 【新天理図書館叢書第1期 国史古記録 全6巻セット】 〔所収〕(1)古事記道果・播磨国風土記/(2・3)日書紀乾元/(4)古語拾遺/(5)明月記/(6)定家筆古記録 詳細内容見PDF版) https://catalogue.books-yagi.co.jp/files/pdf/c97848

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  • 凡例のない辞書――『日葡辞書』を読み解くために(中野 遙) | 八木書店グループ

    凡例のない辞書――『日葡辞書』を読み解くために(中野 遙)キリシタンの日語学習の集大成『日葡辞書』 16世紀の大航海時代、日では、イエズス会宣教師によるキリスト教布教活動が行われる。その中で、布教を目的として、イエズス会を中心に編纂・刊行された出版物の事を、キリシタン版と呼ぶ。キリシタン版には、修徳書・教義書の他、文学書や語学辞書も含まれる。 『日葡辞書』(1603-04、長崎)は、そのキリシタン版語学辞書の中でも特に大部のものであり、その見出し語数は約33,000語と、当時の日語辞書・ポルトガル語辞書に於いても他に類を見ない規模となっている。収めている語彙の種類も多岐に亘っており、当時の日辞書ではほぼ記録されていない、当時の話し言葉や俗語、方言などの位相語も見出し語に立項している点が特筆される。これは、キリシタンが布教をするに当たって、幅広い話し言葉を理解し、説教の際に日語を話

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  • 丸山徹著『キリシタン世紀の言語学―大航海時代の語学書―』 | 八木書店グループ

    丸山徹著『キリシタン世紀の言語学―大航海時代の語学書―』丸山徹著『キリシタン世紀の言語学―大航海時代の語学書―』が納品となりました。 書は、400年前にカトリック宣教師が日での布教のために出版した日語の語学書について、ポルトガル語で書かれた自筆とキリシタン版(版)を克明に対比したもので、キリシタン語学書にポルトガル語の側から光を当て言語学的に解明したものです。 書のポイントは以下の豊島正之先生の言葉に端的にまとめられています。 キリシタンの語学書を読むために 上智大学教授 豊島 正之 キリシタン語学書は、ポルトガル語で書かれている。それは、今更言うまでもないことだ。だが、そのポルトガル語は、どこの、どのようなポルトガル語か。現代でも、ブラジルとポルトガル国のポルトガル語は、聞いてすぐに判別出来る程に違う。まして、400年前、「自分は田舎者で言葉も洗練されていない」と自認する通

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  • 新たなメディア環境への試行錯誤(茨城高等学校・中学校教諭 長谷部将司) | 八木書店グループ

    新たなメディア環境への試行錯誤(茨城高等学校・中学校教諭 長谷部将司)情報を記憶し、記録する 国内はおろか世界中を巻き込むコロナウイルス。その影響で私の職場でも休校が続き、最近ではテレワークやオンライン学習への格的な取り組みが求められている。このような対応はこの20数年で急速に進展したIT化により可能となった。私が大学生の頃はまだ電子メールや携帯電話も身近でなかったことを鑑みれば、この状況下でも様々な対応が可能なインフラが存在することの有り難さが身にしみる。とはいえ、デジタルネイティブでない私は、身の回りの環境が急速に変化していく中で日々試行錯誤を繰り返しているのが現状である。 そんなことを考えながら生徒向けの教材を作成していると、ふと先頃まで執筆していた書『日古代の記憶と典籍』の登場人物たちに思いが至った。書での中心的な課題が、「典籍」という文字情報の蓄積で構成された「記録」と、

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  • 天草コレジオはどこにあった? | 八木書店グループ

    天草コレジオはどこにあった?今から400年前、熊県の天草コレジオはどこにあったのか。 ながらくその所在地について論争があったが、新発見史料により河浦にあることが確定した! 以下の記事は、天草テレビ作成の記事と動画で、天草コレジオの所在地論争についてわかりやすく解説しています。 キリシタン研究の第一人者、高瀬弘一郎先生も出演され、ご著書『キリシタン時代のコレジオ』も紹介されています。書を片手に、天草テレビによる記事と動画を、ぜひともご覧ください。 「天草コレジオはどこに?60年以上も論争 決定的な証拠見つからず」 http://www.amakusa.tv/news_collegio2.html 「天草コレジオは河浦に!跡地論争に終止符か 大英図書館に場所を示す古文書」 http://www.amakusa.tv/news_collegio3.html Youtube動画>>> http

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  • 高精細カラー版で読む中世公家の自筆日記 『実躬卿記』の見どころ(菊地大樹・東京大学史料編纂所) | 八木書店グループ

    高精細カラー版で読む中世公家の自筆日記 『実躬卿記』の見どころ(菊地大樹・東京大学史料編纂所)鎌倉時代の公家日記を通覧 2019年5月より刊行の始まった『尊経閣善影印集成』第九輯鎌倉室町古記録編のうち、67冊~70冊には、鎌倉時代中後期の中級貴族、三条(藤原)実躬(1264~1326頃)の日記『実躬卿記』自筆23巻が紹介される。『実躬卿記』はほかに、武田科学振興財団などにも自筆が所蔵される。あわせて70巻を越える鎌倉期の公家日記自筆が伝わるのは、国宝『明月記』(冷泉家時雨亭文庫他所蔵)など数点にすぎず、たいへん貴重であり、国重要文化財に指定されている。 現存の記事は、弘安6年(1283・実躬20歳)に始まり元亨元年(1321)正月までが知られるが、シリーズに収められた自筆は弘安10年(1287)から徳治2年(1307)に及び、ほとんどの巻の裏側全面に紙背文書が残されていることも

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  • 【展示会】奈良絵本を見る! 第2回 | 八木書店グループ

    【展示会】奈良絵を見る! 第2回第1回(年1月開催)大好評につき、新たな出品で第2回を開催いたします。(入場無料) 展では、御伽草子とよばれる公家や武士の物語、『竹取物語』『伊勢物語』などの平安物語、幸若舞曲や百人一首のカルタ等々、多種多様な奈良絵コレクション(個人蔵)30点を一堂に展観! 第1回とは別の新たな出品で、時代を追って様々な原を間近にご覧いただけます。 【奈良絵とは】 室町時代後期から江戸時代中期にかけて、主に京都・堺などで作られた彩色絵入りの絵や絵巻のことです。一点毎に手作業で作られ、素朴な作品から豪華なものまで様々な作品が残されています。 ※呼称の由来:扇子等の「奈良絵」との連想から、明治期以降に「奈良絵」と呼ばれるようになりました。 【出品一覧】 1 花鳥風月      一冊 〔天正期以前〕 2 熊野の地     一軸 〔慶長頃〕 3 竹生島の地   

    【展示会】奈良絵本を見る! 第2回 | 八木書店グループ
    funaki_naoto
    funaki_naoto 2019/11/12
    見逃すところだった。
  • 高精細カラー版複製 その特長とこだわりをマンガで解説 | 八木書店グループ

    【10月25日刊行】日高麗関係史 https://catalogue.books-yagi.co.jp/books/view/2209 近藤剛著 体9,800円+税 日と高麗の関係を解明した初めての総合研究 正式な通交関係になかった日と高麗を中心に、契丹(遼)・金との国際関係をも含んだ 東アジア全体から俯瞰。韓国の最新研究や韓国の金石文等の成果もふまえ検証 〔チラシはこちら〕https://catalogue.books-yagi.co.jp/books/view/2209 【速報 2020年2月刊行予定】リオ・デ・ジャネイロ国立図書館蔵 日葡辞書 https://catalogue.books-yagi.co.jp/books/view/2211 2018年、中南米大陸ブラジルで初めて発見された 日のキリシタン版辞書を、高精細・原寸カラー版で初公開! 400年前の日・ポルトガ

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  • 「広開土王碑」を拓本画像にあたって再検証 『明治大学図書館所蔵 高句麗広開土王碑拓本』刊行 | 八木書店グループ

    「広開土王碑」を拓画像にあたって再検証 『明治大学図書館所蔵 高句麗広開土王碑拓』刊行高句麗第19代の国王、広開土王(好太王)の顕彰碑「広開土王碑」。4世紀の日(倭国)と朝鮮半島を知る唯一のものとして、歴史の教科書にも登場する「超有名」な資料です。 碑文は現在の中国吉林省集安市に現存しますが、1600年ものあいだ風雨にさらされて、文字が見づらくなっています。そこで、碑文から写し取られた拓を読み解くことこそが碑文読解の鍵となります。 ところが、拓にあたって読んだことがある人はどれほどいるでしょうか。ほとんどの人は活字を参照しているのではないでしょうか。 それには理由があります。拓の写真を手軽に見る環境が整っていなかったからです。碑文の読解には、拓画像を検証することことが必要なのです。100種類以上現存するといわれる拓のなかから、どの拓をみればよいのか、という指標も欠かせま

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  • つくった人、描いた人たち  【反町茂雄「奈良絵本私考」4】 | 八木書店グループ

    つくった人、描いた人たち  【反町茂雄「奈良絵私考」4】1)前期(寛永以前) 少々武断的ですが、結論を先に記しますと、前期(寛永以前)においては、生産者は主として京都及び堺の扇屋、後期(寛永以後)では、生産者は主として京都の新興の書籍業者(出版・販売、及び一部分古書を兼業)だったのでしょう。 執筆したのは、前期には土佐派を学んだ画師、画扇描きの技工(職人)。絵仏師の手になるものも多少はありましたでしょう。素人絵も確かにあります。後期においては、多くは書肆(新興の)に従属する技工、これには上下の段階があった様です。扇屋もつくったでしょう。土佐派の画人も描いたと推量されます。素人は殆ど描いていない様です。 以上は主として今日伝存している数多くの奈良絵を観察しての、1つの結論であります。 古来、日の画家の生活は、主として支配階級及び宗教団体に依存していました。上代から中世末まで、大体そうで

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  • 奈良絵本のうまれたところ 【反町茂雄「奈良絵本私考」2】 | 八木書店グループ

    奈良絵のうまれたところ 【反町茂雄「奈良絵私考」2】奈良絵は文正(1466-1467)・大永(1521-1528)・天文(1532-1555)のころから、少しずつ段々に製作されたのだろうと考えますが、製作された土地は、奈良・京都・堺の三市及びその周辺であったと信じております。 江戸・大坂は、この時代には未だ興りません。鎌倉・山口は既に衰微しております。博多は主として朝鮮・中国、及び南方諸国の一部との通商によって、商港として、以前からかなり繁昌しておりますが、文化的な伝統に乏しく、文学にも美術にも由縁は微かです。長崎の開港は慶長以後になります。それこれで、絵と文字とが華美に結びついた奈良絵の産地としては、上記の三都市以外には、この頃には考えられません。 奈良絵については、寛永初年(1624)を境として、前後の2期に分けて考えることが必要で、さもないと考察が混乱し勝ちであります。前期は

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  • 【展示会】奈良絵本を見る! | 八木書店グループ

    【展示会】奈良絵を見る!新天理図書館叢書「奈良絵集」刊行を記念し、個人蔵コレクションより厳選出品の展示会「奈良絵を見る!」を開催いたします。(入場無料) 室町、安土桃山時代から江戸中期にかけて作られた彩色絵入りの奈良絵。その数は5千点以上になると言われています。展では、貴重な個人蔵コレクションから30点を厳選し、黎明期から末裔期まで、およその時代順に奈良絵の変遷をたどります。原をご覧いただき奈良絵の魅力をお楽しみください。 【奈良絵とは】 室町時代後期から江戸時代中期にかけて、主に京都・堺などで作られた彩色絵入りの絵や絵巻のことです。 一点毎に手作業で作られ、素朴な作品から豪華なものまで様々な作品が残されています。 ※呼称の由来:扇子等の「奈良絵」との連想から、明治期以降に「奈良絵」と呼ばれるようになりました。 <会期>2019年1月10日(木)~1月26日(土)

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