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ブックマーク / kzr-2.hatenadiary.org (18)

  • 足枷になったレコード会社 - Radium Software

    上の動画は今月初めに公開されたOK Goの新曲"This Too Shall Pass"プロモーションビデオだ。OK Goの曲に合わせてルーブ・ゴールドバーグ・マシン――いわゆる「ピタゴラスイッチ的なもの」が大アクションを繰り広げる。後半の盛り上がりが非常に印象的な作品だ。この動画は公開されてから猛烈な勢いで再生されていて,13日の時点で750万再生に達している。 この動画はそれ自体が非常に面白い作品だけれど,実はその裏には複雑な事情が潜んでいる。 簡単なまとめ OK Goが契約しているレコード会社(EMI)はPV動画の外部埋め込みを許可しない方針をとっている。しかし,外部埋め込みが無ければバイラル的な広がりは起こりえないということを知っているOK Goのメンバー達は,この制約を迂回するために,State Farmという保険会社と交渉し,この会社の広告という形でPVを制作することにした。制

    足枷になったレコード会社 - Radium Software
  • 火星探査機スピリットの最後 - Radium Software

    xkcd - Spirit 1月26日, NASA は数カ月間続けていた火星探査機スピリット (Spirit rover) の砂地からの救出を諦め,今後は「定点調査所」としての運用へと切り替えることを発表した。 今からちょうど6年前の火星着地以来,当初予定していた約90日間の計画を遥かに超える運用を経て,スピリットは遂に終りの場所を見つけたことになる。 人々の予想を超える発見と驚きをもたらしてくれたこの機体に対して,単なる探査機以上の愛着を感じている人は少なくないはずだ。 xkcd のマンガは,その気持ちをよく表していると思う。 スピリットによって撮影された火星地表の写真とCGモデルを合成して作られたイメージ画像。 スピリットが撮影した火星の日没。少し誇張されているものの,実際の見え方に近くなるよう着色されている。 火星のつむじ風。このつむじ風によって太陽電池パネルに積もった塵が払われたと

    火星探査機スピリットの最後 - Radium Software
  • レコードからライブへと変化する音楽産業 - Radium Software

    Times Labs Blog - Do music artists fare better in a world with illegal file-sharing? Times Labs による,イギリスの音楽産業における収益比率の変化のまとめ。上のグラフを簡単に説明すると,赤い下降している線が「レコードの売り上げによってレーベルにもたらされる収益」を表しており,緑の上昇している線が「ライブチケットの売り上げによってアーティストにもたらされる収益」を表している。 下のような積み重ねのグラフで見ても面白い。 これらのグラフが主張していることは明らかだ――「レコードの売り上げは確かに年々減少している。しかし他方で,人々はライブにお金を注ぎ込むようになった。音楽産業全体で見ればむしろ収益は増加しており,その収益はレコード会社よりもアーティストやライブプロモーターへともたらされるようになりつつ

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  • 氷河期を生きた笛 - Radium Software

    上の写真は,昨年ドイツのホーレ・フェルス洞穴から発掘された笛だ。炭素年代測定によっておよそ3万5千年前のものであることが確認されている。これまでに発見された中で最古の笛*1のひとつだ。 ホーレ・フェルスの笛は,素材としてコブハクチョウの翼の骨やケナガマンモスの象牙を使用している。吹き口はV字の溝になっており,指穴として5つの穴が掘られている。5穴というのは笛の中ではかなり単純な部類に入るけれど,これによって音程の概念を音楽に取り入れていたことは疑いようがない。 この笛がどんな音を奏でるのかは,まだ誰も確認していない。恐らく今後,レプリカから音色を確認する研究が行われるのではないかと思う。 ホーレ・フェルスの洞穴は世界最古の女性像が発見された場所としても有名だ。これらの文化の形跡は,この時代の人類が既に高い社会性を備えていたことを物語っている。その社会性は,氷河期の厳しい環境の中で大きな集団

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  • 無音の不可能性 - Radium Software

    The Frontal Cortex: The Sound of Silence 全く光の無い暗闇というものは,頑張れば比較的容易に作り上げることができる。では,全く音の無い「当の無音状態」というものは,作り上げることができるだろうか? Radiolab の司会者 Jad Abumrad は,無響室の中での無音状態の体験を語っている。それによれば,無音状態に置かれた耳は,その「音の無い状態」を受け入れようとせず,幻聴とも何とも言えない「音」を感じ始めるのだという。 4′33″ 無音のピアノ曲 4′33″ で知られる John Cage もまた,無音状態を体験するために無響室へと入っている。彼もやはり「音の無い状態」を体験することはできず,「高い音」と「低い音」の2つの音が聴こえたと述べている。この「高い音」は空気の分子が鼓膜を押すときの音であり,「低い音」は血液循環の音であるとの説明があ

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  • CD-ROM ドライブの独創的な使用方法 - Radium Software

    The Daily WTF: Open Sesame ある日のエマニュエル氏の職場の出来事。ドアのオートロックが故障してしまった。どうやらカードキーの読み取りがうまくいかなくなってしまったらしく,内側からは開けられるけれど,外側からは開けることができないという状態になっている。 オフィス管理者は鍵屋に即刻電話したが,その返答は「留守電は満杯です」という素っ気ないものだった。今夜は誰かが泊まって,明日の朝,内側から鍵を開ける役割にならなきゃならないかもしれない。 しかし幸運なことに,エマニュエル氏はいいアイデアを思いついた。ようは内側から解錠ボタンを押すだけの,ロボットか何かがあればいいのだ。彼はおもむろにダンボール箱をドアの前に持ってくると,その上に1台のPCを載せた。 翌朝,社員の1人がエマニュエル氏にドアを開けてくれと電話をかけてきた。エマニュエル氏はコーヒーカップをテーブルに置くと,

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  • アポロ11号のソースコード - Radium Software

    Google Code Blog - Apollo 11 mission's 40th Anniversary: One large step for open source code... アポロ11号の月面着陸から40周年ということで,最近やたらとアポロ計画関連の話題を見かける。そんな中,アポロ計画にちなんだ話題として Google Code Blog に投稿されたのが上のエントリー。 Google Code 上で公開されている Virtual AGC and AGS プロジェクトの中に, NASA のハードコピーから転記された物の AGC (アポロ誘導コンピュータ)のソースコードがありますよ……とのこと。 このソースコードには,オリジナルのアセンブリコードに記されていたラベルやコメントまでしっかり転記されている。それらの記述に目を通していると,そのコードを書いた人の考えや気持ちが伝

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  • 「売り切ったらフリー化」出版モデル - Radium Software

    Snarkmarket & Revelator Press: New Liberal Arts CT2: Innovative Publishing Model Snarkmarket と Revelator Press が出版した書籍 "New Liberal Arts" は面白いビジネスモデルを採用している。まず $8.99 の書籍を 200 冊だけ販売する。そしてそれが売り切れたら,オンラインで PDF 版の無料配布を開始する。 出版側としては,元を取るために最低限の数は値段を付けて販売したい。だからそれは物理的なとして販売する。元を取ることが完了したら,物理的な制約を受けないデジタルデータとして,無料で広く配布する。 読者側としては,昔ながらの印刷されたの形で読みたいという人や,物理的なを所有することで満足感を得たいという人は,最初の 200 人になればいい。また,その 20

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  • Kibibyte - キビバイト? - Radium Software

    The Old New Thing - Why does Explorer use the term KB instead of KiB? 「なぜエクスプローラーはキビバイト (KiB) を使わずにキロバイト (KB) を使ってるの?」というお話。 ところで「キビバイト」って単位を知ってる?「キビバイト」は IEC (国際電気標準会議)が定めたデータ容量を表す単位のひとつで, 1,024 バイトを表す。同じ容量を「キロバイト」で表すこともできるけれども,こちらは文脈によっては 1,000 バイトを表す場合がある(例えば HDD の容量の表示ではそう使われることが多い)。これが「キビバイト」ならば,誤解を生じることなく常に 1,024 バイトを表すことができる。 「キビバイト」と同じように,2^20 バイトを表す「メビバイト」 (MiB), 2^30 バイトを表す「ギビバイト」 (GiB)

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  • 「アルファベット順」の発明 - Radium Software

    research!rsc rsc: Alphabetical Order いわゆる「アルファベット順」の概念が一般的に使われるようになったのは,案外と遅くのことらしい。 1286 年に書かれた文書に「単語全体をアルファベット順にソートする」という,今で言う「アルファベット順」の概念が解説されているのを初めてみることができるという。当時やそれ以前の文書においては,単語の先頭一文字や二文字だけでソートされることが多かったらしい。 初めての英語の辞書 "A Table Alphabeticall" (1604 年)においては「アルファベット順」が使われているものの,慣れていないせいか,最初の方のページでは順序のミスが多い。それより後ろの部分ではそれほどミスが無いというから,やはり徐々に慣れていったんだろう。 恐らく,日語においても,単語全体を「あいうえお順」に並べる方式が使われるようになったの

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  • Something About Us - Radium Software

    テルミン奏者 Randy George による Daft Punk の "Something About Us" のカバー。 Ableton Live を使ったループレコーディングと,素晴らしいテルミンの演奏,それに手作り感がありながらも完成度の高い映像,様々な点で素敵な作品だと思う。 ところで,イントロに出てくる Nintendo DS の上で動いているソフトは, Ubisoft の "Jam Sessions". これは,日ではプラトから発売されている「弾いて歌えるDSギター M-06」の海外移植版だ。 途中の歌のところで,ヘルメットのバイザー部分に歌詞が流れる演出が入るけれど,これは撮影後に合成したもの。 SOFTIMAGE|XSI を使って作成した「流れる文字」の素材(ヘルメットの動きは手作業で合わせた)を, Adobe After Effects のモーショントラッカーを使って

    Something About Us - Radium Software
  • 自分の顔は実際よりも大きく見える - Radium Software

    You're not as big-headed as you think you are - BPS Research Digest 上のふたつの絵は,いずれもゴッホを描いたもの。左はゴーギャンによるポートレートで,右はゴッホ自身による自画像。自画像の方は,右利きのはずのゴッホが左手で絵を描いているから,恐らく鏡を使ったんだろうと分かる。 このふたつの絵には,もうひとつ興味深い違いがある。それは「頭の大きさ」だ。右の自画像は,どうも左のポートレートよりも,頭が大きく描かれているように見える。 この違いに目を付けた心理学者らが,15世紀から20世紀にかけて描かれたポートレートと自画像を掻き集めて,そこに描かれている頭のサイズをしらみつぶしに調べてみた。下のグラフがその結果。 青の点がポートレートで,赤の点が自画像。全体的に赤の方が上に偏っているのが分かると思う。 また,この心理学者らは,生

    自分の顔は実際よりも大きく見える - Radium Software
  • 踊る鳥 ― 喋りとリズム感 - Radium Software

    やあ,踊る鳥のビデオだよ。こいつは愉快だ! このノリの良さにはまったく驚かされるけれど,このビデオには単なる面白映像という以上に興味深いところがある。 まず,これは意外に思われるかもしれないけれど,人間以外の動物のほとんどは「リズムにのる」ということができない。認知進化の専門家によると,人間に最も近い霊長類のひとつであるチンパンジーを連れてきて,特殊な訓練を施しても,リズム感を獲得することはできなかったという。 そのようなこともあって,「リズムにのる」という能力は人間に特有のものであると考えられてきた。ところが,上のビデオを見れば分かるように,「リズムにのる」ことのできる動物は,確かに存在する。これはどういうことかと調べてみると,どうやら鳥類の中にはリズム感を持つものがいるらしいということが分かってくる。さらに詳しく調べてみると,どうやらインコやヨウムのように喋る能力を持つ鳥だけがリズム感

    踊る鳥 ― 喋りとリズム感 - Radium Software
    funaki_naoto
    funaki_naoto 2008/08/21
    「人間以外の動物のほとんどは「リズムにのる」ということができない」
  • 質より量に学ぶ - Radium Software

    Coding Horror - Quantity Always Trumps Quality Art & Fear という芸術家向けのの中に,こんなエピソードがある ― ある陶芸クラスでのこと,最初の授業において,教師は生徒をふたつのグループに分けた。一方のグループは作品の「量」によって評価を行うとし,もう一方のグループは作品の「質」によって評価を行うとした。 これはどういうことかというと,「量」グループの生徒たちは,提出した作品の量のみによって評価が下される。作品の総重量が50ポンドに達していたらA評価,40ポンド台ならB評価,というように。それに対して「質」グループの生徒たちは,たったひとつの最高の作品を提出すればいい。その作品の出来に対して評価が下される。 すべての授業が終わり,さて評価は,となったとき,少し奇妙な事実が判明した。提出された作品のうち,最も高い質を持つものは,すべて

    質より量に学ぶ - Radium Software
  • 大人の科学・シンセサイザークロニクル ― 本の方も面白い - Radium Software

    別冊大人の科学マガジン・シンセサイザークロニクルを買った。もちろん,付録の SX-150 が目当てなのだけれど,の方も案外面白かった! 懐古的な薀蓄話で固めてしまうのではなく,インタビューを軸にして記事を構成しているのが良かったのだと思う。 個人的に興味深かったのは,ローランド創業者の梯郁太郎さんへのインタービュー記事。ここでまさか創業者にインタビューを敢行するとは……。松武さんの人脈の為せるわざなのだろうと思う。 たった4ページのインタビューの中にも名言が盛りだくさんなのだけれど,なかでもお気に入りなのが最後のひとこと。ローランドが映像製品の開発に着手していることに関してのコメントだった。 「マイクもPAも何もなかった時代は演奏がすべて。つまり映像と音声は常にいっしょにあった。それがレコードができてからは音だけを別にして売るようになりましたよね。それがコンピューターがこれだけ普及したお

    大人の科学・シンセサイザークロニクル ― 本の方も面白い - Radium Software
  • Radium Software - 月面探査の未来と過去

    先日の The Big Picture のテーマは「月面探査の未来と過去」。2020年の探査再開に向けて進められている試験の様子と,40年前に達成された業績とを,併せて紹介している。上の写真は,ワシントン州はモーゼス湖のほとりで行われている月面探査車の稼動試験の様子を収めたもの。宇宙服もちゃんと新しいやつを着ているね。 冷戦下の60年代ならともかく,21世紀になって再び人間を月面に送り込むなんて,なかば夢物語のように思っていたのだけれど,こうして実際に試験が着々と進められている様子を見ると,当やろうとしているんだという「気」が伝わってきて,少し驚きを覚える。 これらの写真を見ていて思い出したのだけれど,月面探査の一連のプロセスの中でも最も難しい瞬間は,月面から離陸するときにある,という話があった。 The Moon Disaster That Never Happened - Ment

    Radium Software - 月面探査の未来と過去
  • 言葉と知覚 - Radium Software

    言語が人の考え方や知覚を形作っている――そんなことを考えたことはないかな? 例えば,「日語で思考できること」と「英語で思考できること」の間には,根的な違いがあるんじゃないか……とかね。 言語と思考の関係性については,「サピア=ウォーフの仮説」なんていう名前で研究されていたりする。ただ,これについてはひとまず置いておこう……なんだかむつかしい話だからね。 言語と知覚の関係性については,分かりやすくて面白い研究がある。 英語で青色は "blue" だよね。明るい青も,暗い青も,基的に "blue" と呼ぶ。これがロシア語では,明るい青を "Голубой", 暗い青を "синий" と呼び分ける。 ここで研究者たちは,ひとつの仮説を立てる。もし言語と知覚が関係性を持つなら,青色の知覚能力を測定したときに,青に対してひとつの呼び名しか持たない英語と,青に対してふたつの呼び名を持つロシア

    言葉と知覚 - Radium Software
  • メールは「伝わったつもり」メディア - Radium Software

    人と何かやりとりをするとき,メールでやりとりをするよりも,直接面と向かって話し合った方が,より正確なニュアンスを伝えることができるというのは,みんなが知っていること。 だから,「正確なニュアンスを伝える」という点において,メールは弱いメディアだと言える。 でも,メールにはさらに困った点がある。それは,「ニュアンスが伝わった」と勘違いしやすいということ。メールはニュアンスを伝えにくいけど,頑張れば伝わるに違いない! ……って頑張っても,結局,伝わらないんだよね。 ある社会心理学者による面白い実験がある。 Egocentrism Over E-Mail: Can We Communicate as Well as We Think? 被験者を集めてペアにして,用意された文面を使ってふたつの異なるニュアンス(「真面目に」「皮肉っぽく」)を相手に伝えるという作業を行ってもらう。被験者の半分はメール

    メールは「伝わったつもり」メディア - Radium Software
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