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ブックマーク / mag.mysound.jp (32)

  • 記事一覧 - mysoundマガジン

    なぜ、完成した後も楽譜に手を入れ続けるのか? ~改訂癖のある作曲家たち【演奏しない人のための楽譜入門#18】

  • 来日記念対談 ~Talk About Hermeto Pascoal~ 原田郁子(クラムボン)×柳樂光隆

    マイルス・デイヴィスに「地球上でもっとも重要なミュージシャンのひとり」と評されたエルメート・パスコアール。1960年代より活動するレジェンドが、5月10日の熊公演を皮切りに、愛弟子5人と共に来日する。 ここでは、昨年の来日公演でエルメートを初体験したクラムボンのボーカリスト/キーボーディストの原田郁子と、ジャズ評論家の柳樂光隆を招き、エルメートの魅力について語ってもらった。 それまで聴いてきた音楽とは 全然違う言語に聴こえて、とてもユニークに感じた(原田) ─エルメート・パスコアールを知ったきっかけから教えてください。 柳樂光隆:マイルス・デイヴィスのバンドに参加していて、まず名前を知りました。(Live- Evil) そのあとで、ジャズ喫茶でエルメートのレコードを聴いて、変わったスキャットやよく分からない音が入っていて、面白いなと思って聴くようになりました。 原田郁子:私は10代の頃、

    来日記念対談 ~Talk About Hermeto Pascoal~ 原田郁子(クラムボン)×柳樂光隆
  • 宮崎泉(DUB MASTER X)が説くPA道 【Behind the scenes】

    かつては「MUTE BEAT」、現在は「DUBFORCE」「MOONBUG」のメンバー、DUB MASTER Xとして活躍する日屈指のダブエンジニア&ミュージシャン宮崎泉さんは、80年代初頭にクラブでのアシスタント・ミキサーとしての活動をきっかけに、ライブダブ・エンジニアの道を開拓。リミキサー、アレンジャーとしても浜崎あゆみなどavex所属アーティストから、キリンジ、東京スカパラダイスオーケストラ、初音ミクまで多種多様なアーティストを担当し、ミュージシャンとPA(サウンドエンジニア)という二足のわらじでコアな現場に向き合っている。「アーティストの意図を誰よりも理解できる裏方」と言われているキャリアを聞いた。 「PAは裏方ではあるがステージに立っていないだけで、ライブの空気感を作り上げる点ではアーティストと対等」 そもそもPAとは、「パブリックアドレス」という音響拡声装置の総称であるが、楽

    宮崎泉(DUB MASTER X)が説くPA道 【Behind the scenes】
  • ミュージシャン、音楽通に愛される ボウリング場 「笹塚ボウル」の秘密

    新宿から高井戸方面を目指す甲州街道沿い笹塚周辺、気にかけていれば首都高を走行中にもボウリングのピンの看板が目に入って来る。 外観は昭和の佇まいを残す古い雑居ビルなので「今、日で最もクールなボウリング場」と言われてもピンと来ない人が殆どだろう……。もしくは、リリー・フランキー氏の自伝的小説『東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~』にも登場する場所! ということで思い出す人も居るのではないだろうか。 そんな『笹塚ボウル』が、ここ数年音楽シーン界隈で人気と注目を集めている。いや、ここ数年というような一過性のモノではなく、10年前のリニューアルオープン以来その勢いは増し、新境地を開拓。さらに進化し続け『ミュージシャン達に愛されるボウリング場』となっているのである。 この「ササボ」ムーブメントを作り出した仕掛け人である、財津宜史氏に「ボウリング場と音楽」の関係性と、そのコンセプトを訊いてみた

    ミュージシャン、音楽通に愛される ボウリング場 「笹塚ボウル」の秘密
  • 「本棚の前で音楽と……」~音楽ライター・小室敬幸が誘う読書ノススメ~ 【第3回:指揮者が語る、指揮者について語る音楽書】

    音楽ライター・映画音楽評論家の小室敬幸氏が “今、読むべき1冊” を、音楽を愛するあなたにお届けします。第3回は『小澤征爾さんと、音楽について話をする』『マエストロ・バッティストーニのぼくたちのクラシック音楽』といった「指揮者が語る、指揮者について語る」音楽書を紹介いたします。 「実際に音を出しているのはオーケストラなのに、指揮者でそんなに変わるの?」 これまでの人生であまりクラシック音楽に触れてこなかった人にとっては、当然の疑問のようだ。人生の折々で似たような質問を投げかけられた。ちなみに今の私は「スポーツチームの監督のような存在。いくら能力の高い選手が揃っていても、監督の采配が悪いと実力を発揮できないでしょ? その逆も然り」と答えることにしている。番の采配だけでなく、ビルダーとしての能力が求められる点も指揮者と監督は似ている。 指揮者によって演奏解釈がどれほど異なるかは、同じ楽曲を違

    「本棚の前で音楽と……」~音楽ライター・小室敬幸が誘う読書ノススメ~ 【第3回:指揮者が語る、指揮者について語る音楽書】
  • 「本棚の前で音楽と……」~音楽ライター・小室敬幸が誘う読書ノススメ~ 【第4回:『クラシック名曲「酷評」事典』の酷評は、真っ当な音楽批評である!? 】

    棚の前で音楽と……」~音楽ライター・小室敬幸が誘う読書ノススメ~ 【第4回:『クラシック名曲「酷評」事典』の酷評は、真っ当な音楽批評である!? 】 ――100年前の『アンサイクロペディア』……としての『悪魔の辞典』 いきなりだが『アンサイクロペディア』というWEBサイトをご存知だろうか? 2005年から運営されているウィキペディアのパロディサイトである。例えば「音楽」という記事を検索して、最初の見出し“概要”を読んでみると「音楽は、人間が開発した依存性のある薬物の中で最も広く蔓延し、極めて強い作用を持つ危険ドラッグの一つである」という書き出しになっており、該当の事物を風刺するような視点やブラックユーモアでもって記述されている。ウィキペディア同様、特定の著者がいるわけではなく、誰でも編集が可能な「フリー八百科事典(※八百科は、嘘八百に掛かっている)」だ。 ▲アンブローズ・ビアスの肖像 (

    「本棚の前で音楽と……」~音楽ライター・小室敬幸が誘う読書ノススメ~ 【第4回:『クラシック名曲「酷評」事典』の酷評は、真っ当な音楽批評である!? 】
  • 「本棚の前で音楽と……」~音楽ライター・小室敬幸が誘う読書ノススメ~ 【第5回:没後のアストル・ピアソラをめぐる愛憎劇】

    音楽ライター・映画音楽評論家の小室敬幸氏が “今、読むべき1冊” を、音楽を愛するあなたにお届けします。第5回は没後のアストル・ピアソラをめぐる愛憎劇についてです。 「没後のアストル・ピアソラをめぐる愛憎劇」というタイトルから、遺産をめぐる骨肉の争いを想像した方もいるかもしれない。だが今回語りたいのはそうではなく、ピアソラをめぐって“音楽ジャンル”が衝突しているという話である……。 ――タンゴ業界から見たピアソラ このままでは、たぶんピアソラはクラシックやジャズの人たちとのアクセサリーとして適当に扱われたあげく、忘れられてゆく 穏当とは言い難い、こんな主張をしているのは小松亮太氏だ。日を代表するバンドネオン奏者であり、彼がいなければ現在の日で、バンドネオンやタンゴはもっと縁遠いものになっていたことは間違いない。現役世代における最大の功労者といって良い存在だ。そんな彼が2021年4月に『

    「本棚の前で音楽と……」~音楽ライター・小室敬幸が誘う読書ノススメ~ 【第5回:没後のアストル・ピアソラをめぐる愛憎劇】
  • 「本棚の前で音楽と……」~音楽ライター・小室敬幸が誘う読書ノススメ~ 【第7回:活字から演奏は学べるか?】

    音楽ライター・映画音楽評論家の小室敬幸氏が “今、読むべき1冊” を、音楽を愛するあなたにお届けします。第7回は「活字から演奏は学べるか?」です。 指揮に関してもそうだし、教えることに関してもそうですね。こうあるべきだ、という型を用意していくんじゃなくて、何にも用意しないでいって、その場で相手を見て決めるというやり方です。相手がやっていることを見て、その場その場で対応していく。だから僕みたいな人間は教則とか書けないですよね。相手が実際に目の前にいないと、言うことがないから 村上春樹 著『小澤征爾さんと、音楽について話をする』(新潮社,2011) 引用したのは、出典の書名からも分かるように指揮者・小澤征爾の言葉である。著者である作家・村上春樹が2011年に「小澤征爾スイス国際音楽アカデミー」を取材。その上でおこなわれた対談のなかでの発言だ。この直前には、スイスのアカデミーでの指導者のひとり

    「本棚の前で音楽と……」~音楽ライター・小室敬幸が誘う読書ノススメ~ 【第7回:活字から演奏は学べるか?】
  • ドラマー BOBO のラディック LM402【人生を変えた楽器】

    人生を変えるような楽器との出会いを、各ジャンルで活躍中のミュージシャンに聞く連載シリーズ。 四回目のゲストはMIYAVIやTKをはじめ、くるり、フジファブリックなどのライブ/レコーディング・サポートとして幅広く活躍するドラマーのBOBO。ここで紹介するスネア・ドラムのラディックLM402は、伝説のオルタナティブ・ロック・バンド、54-71の一員として活躍していた時代から、現在にいたるまでメイン・モデルとして長年愛用している。一点集中型のパワーヒッター・ドラマーとしてのスタイルを培ったこのスネアについて、詳しく聞いた。 「やっぱり、ジョン・ボーナムの音がするんですよ」 ーBOBOさんが最初に買ったスネアは何でしたか? 大学生の頃に買ったヤマハのデヴィッド・ガリバルディのシグネイチャー・モデルですね。学生の頃にタワー・オブ・パワーの「Oakland Stroke」が叩けないとダメだ、みたいな空

    ドラマー BOBO のラディック LM402【人生を変えた楽器】
  • 坂東祐大×小室敬幸対談 ポートレート・コンサート『耳と、目と、毒をつかって』について大いに語る

    昨年は『大豆田とわ子と三人の元夫』で音楽を担当し、大手メディアからも注目を集めた作曲家の坂東祐大。他にも『竜とそばかすの姫』や、今年に入ってからは『17才の帝国』といった話題作でも印象的な音楽を提供しているが、彼自身はあくまでも「現代音楽の作曲家」であるというスタンスを強調している。 坂東にとっての分である、現代音楽に特化したポートレート・コンサート(個展)である『耳と、目と、毒を使って』の東京公演が2022年10月16日(日)に浜離宮朝日ホールで開催される。まず、坂東が現代音楽にこだわり、どんな問題意識をもって創作をおこなっているのか?音楽ライターの小室敬幸との対談でたっぷりと語ってもらった。 小室:今日は坂東さんと、そもそも2020年代に「現代音楽」と向き合う意味や意義について語っていければと思っています。まず触れたいのが昨年(2021年)、中公新書から出された『現代音楽史 闘争しつ

    坂東祐大×小室敬幸対談 ポートレート・コンサート『耳と、目と、毒をつかって』について大いに語る
  • リペアマン直伝!もう一度弾きたい!自宅でできるエレキギターメンテ法

    押し入れの奥やタンスの上、ベッドの下、物置など、長年閉まったままのギター。 “もう一度弾きたい!”――そんな思いで引っ張り出してきて、ケースから出してみたものの、とても弾ける状態ではなかった…なんてことはよくあります。 そんなときは、できる限り自分の手で、とりあえず弾ける状態まで持っていこうじゃありませんか。 レクチャーしていただくのは、プロミュージシャンや楽器店から厚い信頼を受ける、インフィニティー・プロダクツの代表兼リペアマン、木庭啓惟さんです。 ちなみに近年では“ジャパンヴィンテージ”なんて言葉も生まれているので、もしかすると眠っていたあなたのギターにも実はプレミアムがついていたりして…! 症状によっては自力で直せない場合もあるので、そのときは楽器店またはリペアショップに持って行きましょう。 なお、作業はくれぐれも自己責任でお願いいたします。 まずはギターの健康診断 自分のギターの状

    リペアマン直伝!もう一度弾きたい!自宅でできるエレキギターメンテ法
  • “ソ連”という音楽的宇宙に迫る--岡島豊樹×山中明・特別対談【レコにまつわるエトセトラ】番外編

    多くの日人にとって“洋楽”といえば、イギリスやアメリカ(いわゆる欧米)の音楽を想像するであろう。それこそ冷戦下では“鉄のカーテン”で遮られていたソヴィエト連邦(以下、ソ連)や東欧の音楽に慣れ親しんでいるという人は、少数派かもしれない。だが近年ではそういった国々の音楽を紹介する書籍も複数出版されるなど、密かな盛り上がりを見せつつある。 そんな中で出版された『ソ連メロディヤ・ジャズ盤の宇宙』(カンパニー社刊)は、いまだ全貌把握が困難なソ連の国営レコード会社・メロディヤがリリースしたジャズ盤の主要タイトルをほぼ網羅。歴史的・社会的背景も含めた、著者・岡島豊樹氏による充実の解説とともに紹介する世界初のソ連ジャズ・ディスクガイドだ。 そして現在、mysoundマガジンで2の連載を持つディスクユニオン・山中明氏もまた、ソ連の音楽に魅了された1人である(【レコにまつわるエトセトラ】第6回を参照 )。

    “ソ連”という音楽的宇宙に迫る--岡島豊樹×山中明・特別対談【レコにまつわるエトセトラ】番外編
  • そもそも「楽譜」とは何か? ~その2:言葉の意味から辿る【演奏しない人のための楽譜入門#20】

    この連載も遂に最終回。最後は、前回に引き続いて「楽譜」というものを改めて検討していきます。その1では「楽譜 music, music paper」という言葉を出発点にしましたが、今回は楽譜の成り立ちを歴史に沿ってみていきましょう。その過程のなかで、前回の記事で積み残した「五線譜の起源」と「オックスフォード大学において、五線譜が植民地主義的とみなされるようになったのは何故か?」(イギリスのテレグラフ紙に掲載された「オックスフォード大学の教授が“脱植民地化”を目指し、記譜法〔Musical notation〕に“植民地主義”の烙印を押す」というニュースから派生した話題です)という2つの事柄にも答えていきたいと思います。 ――言葉と音を結びつけ、音の高低を記録する (出典元:Wikipedia) 楽譜の起源を遡っていくと「セイキロスの墓碑銘」のようなものに辿り着きます(これ以前にも断片的に残され

    そもそも「楽譜」とは何か? ~その2:言葉の意味から辿る【演奏しない人のための楽譜入門#20】
  • そもそも「楽譜」とは何か? ~その1:言葉の意味から辿る【演奏しない人のための楽譜入門#19】

    これまでの連載で当たり前のように取り扱ってきた「楽譜」について、改めてそれがどのようなもので、音楽とどう関わってきたものなのか? いま一度、今回の連載では考え直してみたいと思います。楽譜について考えるということは、ヨーロッパで発展してきた音楽について考えることと、ニアリーイコールといっても過言ではありません。何故なら、楽譜は英語に訳せば「music」もしくは「music paper」等となるからです。というわけで、まずは「音楽」とは何かという話に一旦立ち戻っていきましょう。 ――「音楽 music」という言葉の語源 西洋由来の「music」という概念が、日で「音楽」と訳され、使われるようになっていくのはやはり明治以降とされています。「音を楽しむと書いて、音楽」といったような言説を様々なところで目にしますが、語源に従えばこの理解は正しいとはいえません。中国語では「音」は声、「楽」は楽器のこ

    そもそも「楽譜」とは何か? ~その1:言葉の意味から辿る【演奏しない人のための楽譜入門#19】
  • 楽器の迷宮【Labyrinth Of Musical Instruments】エレクトリック箏 :八木美知依編

    連載「Labyrinth Of Musical Instruments — 楽器の迷宮」では、通常ポップ・ミュージックではあまり使われることのない特殊な楽器、あるいは近年新たに発明・開発された楽器について、代表的演奏者へのインタビューを通じてその魅力や、シーンを紹介してゆきたい。 初回に選んだのは「箏〈こと〉」。 いや、正確に言うと「エレクトリック箏」である。解説していただくのは、第一人者である八木美知依さんだ。 ちなみに箏は単体では「こと」と読むが、熟語では「箏曲<そうきょく>」のように「そう」と読むのが通例。奈良時代に中国から伝わり、江戸時代には現代につながる奏法、流派の原型が整えられるなど、その歴史は約1300年に及ぶ。年始BGMの定番として、あらゆる場所で流れる宮城道雄の「春の海」(昭和4年)を耳にしたことのない人はいないだろう。この曲は、戦前に尺八のパートをヴァイオリンで演奏し

    楽器の迷宮【Labyrinth Of Musical Instruments】エレクトリック箏 :八木美知依編
  • アフロビートを生みだしたレジェンド・ドラマー! トニー・アレンが語る“進化するオリジナリティ”

    フェラ・クティが率いたバンド「アフリカ70」の一員として、アフロビートの創成を担ったドラマー、トニー・アレン。近年はクラブ・ミュージック系のアーティストとのコラボレーションが多いが、彼名義の作品としては2017年にブルーノートよりリリースされた『A Tribute To Art Blakey and the Jazz Messengers』にあるように、自身が影響を受けたジャズへの傾倒を見せている。 この作品のツアーでブルーノート東京に来日したアレン人に、アフロビート創成の話を中心にインタビューを行った。また、アレンの公演を見た上々颱風のドラマー・渡野辺マントによる、ドラム目線のライブ・レポートとともに、“誰にも似ていない”物の個性を確立したアレンの素顔をお届けしたい。 人と比べない。重要なのは、同じ「音楽」というくくりの中で違いをつけること ーあなたのお父さんはギターを弾いていたよう

    アフロビートを生みだしたレジェンド・ドラマー! トニー・アレンが語る“進化するオリジナリティ”
  • 楽器の迷宮【Labyrinth Of Musical Instruments】 親指ピアノ:サカキマンゴー編

    このコーナーでは、通常ポップ・ミュージックではあまり使われることのない特殊な楽器、あるいは近年新たに発明・開発された楽器について、代表的演奏者へのインタビューを通じてその魅力や、シーンを紹介する。今回取り上げる楽器は、親指ピアノ。ナビゲーターはサカキマンゴーさんだ。 アース・ウィンド&ファイアが広めた民族楽器界のスター・親指ピアノ 今回のテーマは、親指ピアノ(サム・ピアノ=Thumb Piano。学術用語ではラメラフォーン=Lamellaphone)だ。 アフリカ各地で昔から奏でられてきた親指ピアノは、非欧米の民俗楽器としてはシタールやジェンベやディジェリドゥなどと並びおそらく最もポピュラーなもののひとつだろう。欧米のロックやポップスの世界でも70年代からしばしば用いられてきた。すぐに思いつく例を挙げると、ボビー・コールドウェルの「Kalimba Song」(78年のアルバム『Bobby

    楽器の迷宮【Labyrinth Of Musical Instruments】 親指ピアノ:サカキマンゴー編
  • 武満徹は、いかにして「世界のタケミツ」になったのか? ~出版社との関わりから読み解く~【演奏しない人のための楽譜入門#07】

    クラシック・現代音楽の日人作曲家のなかで、欧米においてその才能を認められただけでなく、現在もレパートリーとして広く定着しているのが来年2月に没後25年をむかえる武満 徹(1930~1996)です。音楽の教科書にも載っている代表作《ノヴェンバー・ステップス》をはじめ、その作品の多くが海外の出版社から販売・レンタルされている武満。彼の出世街道を、出版社との関わりという観点から眺め返してみましょう。 現在確認できる範囲で最初に出版された武満の楽曲は、1958年に作曲された弦楽八重奏曲《ソン・カリグラフィⅠ》です。この作品は、音楽評論家の吉田秀和を所長とする「20世紀音楽研究所」が主催する作曲コンクールで第1位とともに、フランス大使賞と音楽之友社出版賞を受賞しました。後者の副賞は、その名前からして明らかに音楽之友社(1941年創業)がこの作品の楽譜を出版するという内容だったと思われます(実際、武

    武満徹は、いかにして「世界のタケミツ」になったのか? ~出版社との関わりから読み解く~【演奏しない人のための楽譜入門#07】
  • 世界最大の楽器メーカーといえばヤマハ……ですが、では世界最大の楽譜出版社は?【演奏しない人のための楽譜入門#05】

    世界最大の楽器メーカーといえばヤマハ……ですが、では世界最大の楽譜出版社は?【演奏しない人のための楽譜入門#05】 山葉寅楠(1851~1916)によって創業された日楽器製造株式会社が、ヤマハ株式会社に社名変更したのは創業100周年を迎えた1987年のこと。130年以上の歴史のなかで、誰もが認める大企業となり、世界的に見てもこれほど手広く楽器制作を手掛け、評価を勝ち得ている会社はヤマハをおいて他にありません。 ヤマハが世界最大の楽器メーカーであることは日で多くの方々に知られているかと思いますが、「世界最大の楽譜出版社は?」と聴かれると、意外に音楽愛好家の方でも答えられない方が多いのでは?……その答えは、アメリカのハル・レナード社となります。 ヤマハの輸入楽譜専門サイトやAmazonなどで「Hal Leonard」とアルファベット表記で検索してみると、その理由の一端がご理解いただけるでし

    世界最大の楽器メーカーといえばヤマハ……ですが、では世界最大の楽譜出版社は?【演奏しない人のための楽譜入門#05】
  • 【演奏しない人のための楽譜入門】#03 本当に正しい楽譜の選び方 ~ショパンの楽譜を例に~

    連載の第2回「なぜ、クラシック音楽は、同じ楽曲でも何種類もの楽譜が出版されているのか?」では、“正しい楽譜”を出版するというのは案外と難しいことなのだ……という話をいたしました。作曲家の意図を正しく再現しようとした「原典版 Urtext」が、現代ではファーストチョイスとして推奨されていますが、「原典版」以外の楽譜は手に取る必要がないのでしょうか? 今回は有名作曲家のなかでも特に、多種多様な楽譜が出版されているショパンに焦点を合わせ、“当に正しい楽譜の選び方”を考えてみたいと思います。 ショパンの肖像画 そもそもショパン(1810~49)の楽譜が抱える最大の問題点は、作曲者の生前に楽譜が出版される際、同時期にフランス、ドイツ、イギリスの3国で別々の会社が出版をおこなったため、3つの版のあいだに細かい違いが生まれやすかったのです。同時並行的に作られているため、3つの版のなかでどれをより“正

    【演奏しない人のための楽譜入門】#03 本当に正しい楽譜の選び方 ~ショパンの楽譜を例に~