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ブックマーク / mikiki.tokyo.jp (739)

  • 松原忠之が師・国吉源次との別れを経て芽生えた責任感 新作と共に伝える宮古民謡の伝承の形とは? | Mikiki by TOWER RECORDS

    民謡歌手がかっこいい存在でありたい 誠ぐぁーさんのように! 多種多様な唄の文化が華開く地、沖縄。そのなかでも宮古島を中心とする宮古列島には、沖縄島とも八重山諸島とも異なる唄の文化が育まれてきた。 1992年生まれの松原忠之が2021年6月にリリースしたファースト・アルバム『清ら海、美ら島 ~あやぐ、宮古の歌~』は、そんな宮古民謡の奥深さをフレッシュな感性と共に描き出した傑作だった。松原自身は沖縄島の浦添市に生まれ、宮古出身の祖父母や宮古生まれの母親と共に育った。彼にとって宮古の民謡は親や祖父母の文化だったわけだが、宮古民謡の第一人者であった国吉源次の宮古民謡教室に幼少時代から通い始めると、すぐさまその世界に魅了されたという。 ファースト・アルバムには長年の鍛錬の成果が披露されていたわけだが、前作以来3年ぶりのアルバムとなる新作『美ぎ宮古ぬあやぐ~青い海ぬ如ん、太陽ぬ如ん~』は、〈自分が

    松原忠之が師・国吉源次との別れを経て芽生えた責任感 新作と共に伝える宮古民謡の伝承の形とは? | Mikiki by TOWER RECORDS
  • 無二のギタリスト鬼怒無月の即興論――アコギによるインプロ作品『フォーヴィスム』と音の探求を語る | Mikiki by TOWER RECORDS

    歌心いっぱいの、緩急に富んだアコースティックギターソロ。しかもすべて即興で展開されたというのだから、驚くほかない。 日のジャズのプラットフォームとして精力的な活動を続けるレーベル、Days of Delight(ファウンダー&プロデューサー:平野暁臣)から、要注目の一作がリリースされる。多方面の音楽カテゴリーで才能を発揮するギタリスト、鬼怒無月の新譜『フォーヴィスム』だ。 Bondage Fruit、Salle Gaveau、Warehouse、Coil、是巨人、FRETLAND、Play Rock!!、ARCANA、Eraなど、30年以上のキャリアにおいてさまざまなプロジェクトで多忙な日々を送ってきた鬼怒だが、〈アコギの即興でアルバム一枚〉というコンセプトの作品は今回が初めて。2011年2月に六木ヒルズアリーナで行われた岡太郎生誕100年バースデーイベント〈TARO100祭〉にSa

    無二のギタリスト鬼怒無月の即興論――アコギによるインプロ作品『フォーヴィスム』と音の探求を語る | Mikiki by TOWER RECORDS
  • 音楽家・加藤和彦は知性の人か、感性の人か? 元サディスティック・ミカ・バンドの今井裕が語る | Mikiki by TOWER RECORDS

    加藤和彦という人は果たして、知性の人なのか、感性の人なのか? 今井裕が語る音楽家・加藤和彦 「SUKITA 刻まれたアーティストたちの一瞬」、「音響ハウス Melody-Go-Round」などのドキュメンタリー作品を手掛けた相原裕美監督の作品、「トノバン 音楽家 加藤和彦とその時代」をいち早く見せてもらった。以前から高橋幸宏の提案で、加藤和彦のドキュメンタリーを作っているらしい、ということは聞いていたが、60年代から加藤和彦の音楽作品の数々を聞いてきた人間にとって、あの多才な加藤和彦を映画にまとめるのは至難の業となるだろう、と危惧していた。しかし、完成した作品は、高橋幸宏を筆頭に、北山修、松山猛から、小原礼、高中正義、つのだ☆ひろなどのバンドメンバー、坂龍一、清水信之などのミュージシャン、クリス・トーマスや元マネージャー、レコード会社スタッフなど、各時代の関係者や友人たちの証言をもとに、

    音楽家・加藤和彦は知性の人か、感性の人か? 元サディスティック・ミカ・バンドの今井裕が語る | Mikiki by TOWER RECORDS
  • ベーシスト大塚恵が初アルバム『Spontaneously』に至るまで――バンド〈パンゲア〉の個性や関西ジャズの熱を語る | Mikiki by TOWER RECORDS

    しなやかで独創的、詩情に満ちた世界がアルバム全編に広がっている。 兵庫・神戸生まれのベーシスト、大塚恵が満を持してのファーストアルバム『Spontaneously』をリリースした。北海道大学在学中にジャズの演奏を始め、2012年以降は関西を中心に活動。その堅実なプレイと順応性は、YouTubeにアップされている多種多彩なフォーマットや楽曲の演奏映像からも明らかだ。 『Spontaneously』で焦点を当てたのは、気心の知れたミュージシャンとの、オリジナルナンバーを主体とした〈今のジャズ〉。大塚は、2年ほど前からセッション的に活動を続けていた長谷川朗(テナーサックス/ソプラノサックス)、加納新吾(ピアノ)、中村雄二郎(ドラムス)とのカルテットを〈大塚恵パンゲア〉と命名し、新たな荒波に漕ぎ出した。 アルバムのこと、バンド結成のいきさつ、ベースを始めたきっかけ、現在の関西ジャズシーンについてな

    ベーシスト大塚恵が初アルバム『Spontaneously』に至るまで――バンド〈パンゲア〉の個性や関西ジャズの熱を語る | Mikiki by TOWER RECORDS
  • ミニマル楽団・東京塩麹の10年とこれから――額田大志が語るルーツからバンド結成、再始動とその先まで | Mikiki by TOWER RECORDS

    作曲家/演出家の額田大志が率いるコンテンポラリーポップバンド・東京塩麹が活動開始から昨年で10周年を迎えた。ミニマルミュージックを人力で演奏する器楽アンサンブルとして2013年1月に初めてライブを行って以降、これまで3枚のアルバムと1枚のEPおよびミニアルバムをリリース。中でも最新作となるサードアルバム『Goodbye』(2023年)は国境を超えて評判を呼び、インディーミュージックにスポットを当てる台湾音楽アワード〈金音創作獎〉で〈亞洲創作音樂獎(ベストアジアンクリエイティブアーティスト賞)〉にノミネートされた。 音源のみならずライブにも趣向を凝らし、ジャンルを超えたコラボレーションのほか〈完成しない曲を作ること〉を掲げたライブシリーズを開催するなど、ユニークな試みを続けてきた東京塩麹。10年間の活動で彼ら彼女らはどのような道のりを歩み、そしてこれからどこへ向かうのか――SPACE SH

    ミニマル楽団・東京塩麹の10年とこれから――額田大志が語るルーツからバンド結成、再始動とその先まで | Mikiki by TOWER RECORDS
  • エムドゥ・モクター(Mdou Moctar)、過激さが増した新作『Funeral For Justice』で剥き出しの怒りを放つ | Mikiki by TOWER RECORDS

    冒頭の表題曲からハードロック調の攻撃的なギターリフに圧倒される。続く“Imouhar”はジミ・ヘンドリックスの影響を窺わせる楽曲で、2022年の未発表音源集『Niger EP Vol. 1』ではドラムマシンを相手にモクターが10分越えのギターインプロヴィゼーションを披露していた。バンドアレンジが施された新たなバージョンでは激しさとスピード感が強調され、ギターソロではエディ・ヴァン・ヘイレンの影さえ忍ばせるようにタッピング奏法を駆使してサイケデリックかつカオティックな音の奔流を生み出す。4曲目“Sousoume”は2017年のアルバムの表題曲でもあるが、宅録のように多重録音で制作されたフォーキーな旧バージョンに対して、ここではバンドサウンドのアグレッシヴな音楽に変貌を遂げている。 卓越したギタープレイとアフロポリリズムを基調とした独自のグルーヴは変わらないものの、ほとんどパンキッシュと呼びた

    エムドゥ・モクター(Mdou Moctar)、過激さが増した新作『Funeral For Justice』で剥き出しの怒りを放つ | Mikiki by TOWER RECORDS
  • 元ゆらゆら帝国のベーシスト亀川千代が54歳で死去 | Mikiki by TOWER RECORDS

    亀川千代が2024年4月7日に死去した。 亀川千代が亡くなったことは日4月9日、ギタリストの田畑満によって発表された。亀川の家族のコメントによると、以前から病気の療養中だったという。54歳だった。 悲しいお知らせです 亀川千代君が先日4月7日にお亡くなりになられました 亀ちゃん 一緒に音楽ができて当に嬉しかった 今まで当にありがとう また会おうね 御家族には静かに過ごしていただきたいので どうかご配慮をよろしくお願いいたします 田畑 満 pic.twitter.com/1YTiLcSMIo — Tabatamitsuru (@Tabatamitsuru) April 9, 2024 亀川は、69年生まれのベーシスト。リーダーの坂慎太郎らによって89年に結成されたバンド、ゆらゆら帝国に加入し、98年に同バンドでメジャーデビューを果たした。ゆらゆら帝国は、97年に加入したドラマーの柴田

    元ゆらゆら帝国のベーシスト亀川千代が54歳で死去 | Mikiki by TOWER RECORDS
  • 熱狂のゴリラ祭ーズ祭り? リコーダーで語る笛星人から未知の響きで魅せた鍵盤ハーモニカ演奏まで、個性的すぎたフェスをレポ | Mikiki by TOWER RECORDS

    リコーダーで気持ちを伝える笛星人 特定のカテゴリーからスルリと飛び出し、聴く者を躍らせる音楽ユニット、ゴリラ祭ーズが、2024年2月22日に京都someno kyotoにて〈ゴリラ祭ーズ祭り2024〉を開催した。出演は順に、ゴリラ祭ーズ(3人)、那なみきと笛星人、kiyori、舩越悠生、古賀~ズ、平野駿、ゴリラ祭ーズ(5人)。なんて多彩なラインナップなのだ、まるで大規模なフェスではないか、と思う方も多いのではと思うが、実はこれ、古賀礼人、舩越悠生、平野駿、さらに、那なみき、kiyoriの計5人が主役にも引き立て役にもなり、分身の術のように己の存在を飛び散らせながら、さまざまなフォーマットでさまざまな音楽世界を表現したイベントなのであった。それぞれがメインを張れる各ミュージシャンの個性と、ともに演奏した時の一体感。その両方を浴びて、すっかり気分が爽快になった。 古賀礼人(ギター/ボーカル)、

    熱狂のゴリラ祭ーズ祭り? リコーダーで語る笛星人から未知の響きで魅せた鍵盤ハーモニカ演奏まで、個性的すぎたフェスをレポ | Mikiki by TOWER RECORDS
  • リア・ヂ・イタマラカ(Lia De Itamaracá)『Ciranda Sem Fim』給食のおばちゃんからブラジルの伝統ダンス音楽〈シランダ〉の女王へ | Mikiki by TOWER RECORDS

    乾いた質感ながら、じわじわ旨味滲み出る歌声と、カーニバル彷彿の大所帯ブラスやパーカッションが醸し出すほんわかとした雰囲気が微笑ましく、黄昏に染まることも時にあるが一貫していい塩梅の脱力感が心地いい。給のおばちゃん(当時はおねえさんか)からアラブ音楽を起源にしたブラジルの伝統ダンス音楽「シランダ」の女王に登り詰めたリア・ヂ・イタマラカの新作はそれだけに終わらず、昨年約11年ぶりにソロ新作を発表し話題となったDJドローレスのビート・メイクが冴え渡りボレロ、クンビアといった多様なリズムやチープな電子ビートの違和感なき導入など遊び心満載で伝統的とは一線を画す作品となっている。

    リア・ヂ・イタマラカ(Lia De Itamaracá)『Ciranda Sem Fim』給食のおばちゃんからブラジルの伝統ダンス音楽〈シランダ〉の女王へ | Mikiki by TOWER RECORDS
  • 佐瀬悠輔と小金丸慧、漫才のような音の会話――トランペット&ギターの異色デュオが即興観やアルバム『Nomade』を語る | Mikiki by TOWER RECORDS

    旅に出たような気分だ。トランペッターの佐瀬悠輔とギタリストの小金丸慧による初めてのデュオアルバム『Nomade』を聴いた時、そんなイメージを抱いた。晴れやかなアンビエントミュージック風の幕開けから、アコースティックな器楽的セッション、ジャズミュージシャンならではのアドリブの応酬、あるいはストレンジな音響的実験やミニマル/ドローンな世界まで――まるで一編の映画を観終えたかのような気分になったのだった。それほど情景豊かな音楽だったとも言える。だがそれらがたった2人のミュージシャンの、しかも完全即興演奏の無編集録音によって作り上げられたと知ってさらに驚いた。 佐瀬悠輔と小金丸慧は同じ音楽大学出身で、ドラマー・秋元修のクインテットや廣瀬真理子とパープルヘイズ、佐瀬自身のリーダーバンドなど、約10年にわたってさまざまな場所で共演し続けてきた旧知の仲。その意味で活動領域は近いが、演奏家としてのタイプは

    佐瀬悠輔と小金丸慧、漫才のような音の会話――トランペット&ギターの異色デュオが即興観やアルバム『Nomade』を語る | Mikiki by TOWER RECORDS
  • 【はっぴいえんどを松本隆と鈴木茂が語る】第3回 嘘をつけなかった〈素灯り〉のバンドとその解散 | Mikiki by TOWER RECORDS

    はっぴいえんど。メンバーは細野晴臣、大滝詠一、松隆、鈴木茂の4人。説明するまでもなく、日語ロックの礎を築いた邦ポップミュージック史における最重要バンドだ。 そのはっぴいえんどが残した『はっぴいえんど』(70年、通称『ゆでめん』)、『風街ろまん』(71年)、『HAPPY END』(73年)というオリジナルアルバム3作が最新技術によって丹念にリマスターされ、CDでリイシューされた(レコードの日にはアナログ盤もリリースされた)。これを記念して2023年11月4日にタワーレコード渋谷店B1FのCUTUP STUDIOで開催されたのが、松と鈴木、司会の安田謙一(ロック漫筆)によるトークイベントである。Mikikiは、この特別な催しで語られたことを全4回に分けてお届けする。第2回に続く今回は、解散と『HAPPY END』の制作などについて。 なお、好評につき早々に売り切れてしまった『はっぴいえ

    【はっぴいえんどを松本隆と鈴木茂が語る】第3回 嘘をつけなかった〈素灯り〉のバンドとその解散 | Mikiki by TOWER RECORDS
  • 【はっぴいえんどを松本隆と鈴木茂が語る】第2回 『風街ろまん』の秘話と〈売れないバンド〉ではなかった実情 | Mikiki by TOWER RECORDS

    はっぴいえんど。メンバーは細野晴臣、大滝詠一、松隆、鈴木茂の4人。説明するまでもなく、日語ロックの礎を築いた邦ポップミュージック史における最重要バンドだ。 そのはっぴいえんどが残した『はっぴいえんど』(70年、通称『ゆでめん』)、『風街ろまん』(71年)、『HAPPY END』(73年)というオリジナルアルバム3作が最新技術によって丹念にリマスターされ、CDでリイシューされた(レコードの日にはアナログ盤もリリースされた)。これを記念して2023年11月4日にタワーレコード渋谷店B1FのCUTUP STUDIOで開催されたのが、松と鈴木、司会の安田謙一(ロック漫筆)によるトークイベントである。Mikikiは、この特別な催しで語られたことを全4回に分けてお届けする。第1回に続く今回は、名盤『風街ろまん』にまつわる秘話が明かされた。 なお、好評につき早々に売り切れてしまった『はっぴいえん

    【はっぴいえんどを松本隆と鈴木茂が語る】第2回 『風街ろまん』の秘話と〈売れないバンド〉ではなかった実情 | Mikiki by TOWER RECORDS
  • 日本のフュージョンがなぜ海外で人気に? 高中正義、菊池ひみこ、カシオペアらの再燃とシティポップに続くリバイバルを解説 | Mikiki by TOWER RECORDS

    高中正義の76年作『SEYCHELLES』収録曲“トーキョーレギー”。同作はサディスティック・ミカ・バンドとサディスティックスを経た高中のソロデビューアルバム。『ALL OF ME』は76~78年のベストアルバムで、“トーキョーレギー”も収録している UKのクラブやDJ、ラジオに愛されたJフュージョン けれど……実をいうと、フュージョンは当初からカッコよかったのですよ。日ではあまり知られていませんが、70年代末から80年代前半にかけて、ロンドンを中心とするイギリスのクラブシーンで日のフュージョンはリアルタイムで人気を得ていました。当時のイギリスでは、ジャズファンクやフュージョンで踊りまくる〈ジャズダンス〉と呼ばれるムーブメントが盛り上がっていたのですが、そこで、日産のフュージョンやジャズが盛んにスピンされていたんですね。 このあたり、深堀りしだすとキリがないので、簡単に触れるに留めま

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  • 八代亜紀 追悼――大人達の心のささくれと日々を歌で優しく撫でていた | Mikiki by TOWER RECORDS

    八代亜紀が2023年12月30日が死去したことが、2024年1月9日に発表された。演歌や歌謡曲、ブルースやジャズの歌い手として、半世紀にわたって親しまれてきたハスキーボイスの歌い手の旅立ちに、日中が悲しみに包まれた。そんな彼女の功績を讃えて、シンガーソングライターの見汐麻衣に追悼文を寄稿してもらった。 *Mikiki編集部 2022年12月、熊県八代(やつしろ)市にあるキャバレーニュー白馬に初めて足を運んだ。 1958年(昭和33年)の創業から現在まで現役のキャバレーだ。目的は坂慎太郎のライブだったが、以前から八代市にも、キャバレーニュー白馬にも訪れてみたいと思っていた。八代市は八代亜紀の生まれ故郷であり、ニュー白馬は16歳だった八代亜紀がデビュー前に初めて人様の前でうたった初舞台の場所でもある(年齢をごまかしてうたっていることが父親にすぐに見つかり、3回だけのステージだったというが

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  • 角銅真実、〈わたし〉と〈わたしたち〉との『Contact』――サム・アミドンらが参加した4年ぶりの新作に寄せて | Mikiki by TOWER RECORDS

    生きていることそのままの音 角銅真実は、潜った。息を吸い、顔を水面につけ、ぶくぶくと息を出しながら地球の裏側、宇宙の果て、そして、いちばん近くて遠い場所である自分自身の内側へ。 新作『Contact』から、すでに先行配信されている“i o e o”は、そんな音から始まる。呼吸し運動する肉体と、生きていることそのままの音が楽器になっている。それをつまり〈音=楽〉と呼べるのかもしれない。 私はここにいますよ ソロアーティストしてのフルアルバム(通算4作目)は、初のメジャー作品だった前作『oar』以来、約4年ぶり。コロナ禍でもceroのサポート(パーカッション/コーラス)と並行して、ソロでのライブや舞台音楽の制作などは可能な限り続けてきた。光永渉(ドラムス)、秋田ゴールドマン(コントラバス)、古川麦(ギター)、巌裕美子(チェロ)という顔ぶれが信頼すべき自身のバンドとしてほぼ固定したし、毎年、レギ

    角銅真実、〈わたし〉と〈わたしたち〉との『Contact』――サム・アミドンらが参加した4年ぶりの新作に寄せて | Mikiki by TOWER RECORDS
  • 【はっぴいえんどを松本隆と鈴木茂が語る】第1回 日本語でロックをやるための教科書も参考書もなかった | Mikiki by TOWER RECORDS

    はっぴいえんど。メンバーは細野晴臣、大滝詠一、松隆、鈴木茂の4人。説明するまでもなく、日語ロックの礎を築いた邦ポップミュージック史における最重要バンドだ。 そのはっぴいえんどが残した『はっぴいえんど』(70年、通称『ゆでめん』)、『風街ろまん』(71年)、『HAPPY END』(73年)というオリジナルアルバム3作が最新技術によって丹念にリマスターされ、CDでリイシューされた(レコードの日にはアナログ盤もリリースされた)。これを記念して2023年11月4日にタワーレコード渋谷店B1FのCUTUP STUDIOで開催されたのが、松と鈴木、司会の安田謙一(ロック漫筆)によるトークイベントである。Mikikiは、この特別な催しで語られたことを全4回に分けてお届けする。 なお、好評につき早々に売り切れてしまった『はっぴいえんど』『風街ろまん』のアナログ盤だが、2024年1月下旬から再プレス

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  • 小池玉緒『TAMAO - Complete Yen Years』YMO版“鏡の中の十月”も収録、配信では聴けない幻のテクノポップ歌手の貴重音源を網羅! | Mikiki by TOWER RECORDS

    小池玉緒――幻のテクノ・ポップ歌手が持つタイムレスな魅力 幻のテクノ・ポップ歌手、小池玉緒がYENレーベルのカタログに吹き込んだレア曲の数々が、一枚のアルバムにまとめられた。 小池玉緒は、62年に東京で生まれたモデル/歌手。15歳の頃からモデルとして活動する傍ら、82年にカネボウ化粧品のCM〈浮気な、パレット・キャット〉へ出演したことをきっかけに注目を集め、同年、細野晴臣との出会いを通じて音楽活動を開始した。83年、細野と高橋幸宏がアルファ内に共同設立したYENから、YMOの全面バックアップによるシングル“鏡の中の十月”で正式な歌手デビューを果たす。当初はアルバムのリリースも検討されたが、果たされないまま85年にYENが閉鎖となってしまう。90年代にもミニ・アルバムをリリースするが、その後は歌手としての目立った活動もなく、一線を退くことになる。 一方で、オリジナルのリリースから時間を経て、

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  • Kaede(Negicco)『秋の惑星、ハートはナイトブルー。』染谷大陽(Lamp)、角谷博栄(ウワノソラ)と語る、挑戦的で大衆的な作品 | Mikiki by TOWER RECORDS

    NegiccoのKaedeが、ファースト・ソロ・アルバム『今の私は変わり続けてあの頃の私でいられてる。』から約9か月ぶりとなるミニ・アルバム『秋の惑星、ハートはナイトブルー。』を9月8日(火)にリリースする。今作は、初の試みとしてプロデューサーにLampの染谷大陽とウワノソラの角谷博栄を迎え、染谷と角谷のほかに、永井祐介(Lamp)、榊原香保里(Lamp)、いえもとめぐみ(ウワノソラ)、田中ヤコブ(家主)など、豪華ミュージシャンが集結したコンセプチュアルな作品に仕上がった。そんな今作について南波一海が、Kaede、染谷、角谷の3人にリモート・インタビューで話を訊く。

    Kaede(Negicco)『秋の惑星、ハートはナイトブルー。』染谷大陽(Lamp)、角谷博栄(ウワノソラ)と語る、挑戦的で大衆的な作品 | Mikiki by TOWER RECORDS
  • 金延幸子が生まれ変わった『Fork in the Road』のすべてを明かす――「私にとって偶然の縁というのは、すごく大切なもの」 | Mikiki

    世代や地域を超えて〈縁〉を結ぶ音楽家、金延幸子 日の女性シンガー・ソングライターの草分け的存在、金延幸子。70年代初頭にアメリカ移住したあと、一度は音楽から遠ざかっていた彼女は、ある出会いをきっかけにふたたびギターを手にした。いくつかの作品をアメリカでリリースしたあとの98年、彼女は日へと赴き、日語の歌詞を中心とするアルバム『Fork in the Road』を制作。それから25年、盟友・久保田麻琴による采配のもと、オリジナル音源に大幅な追加レコーディング&ダビングを施した同作の新ヴァージョンが登場。音楽活動再開までの経緯と、生まれ変わった傑作『Fork in the Road』について、金延人に話を訊いた。 フィリップ・K・ディックに勧められて ――まず98年当時、オリジナル版『Fork in the Road』を制作することになった経緯を教えてください。 「私が参加していたバ

    金延幸子が生まれ変わった『Fork in the Road』のすべてを明かす――「私にとって偶然の縁というのは、すごく大切なもの」 | Mikiki
  • ピンク・フロイド(Pink Floyd)と日本ロックの特別な季節――ソニー名物ディレクター白木哲也が〈箱根アフロディーテ〉発掘秘話を明かす | Mikiki by TOWER RECORDS

    71年、ピンク・フロイドが初めて日を訪れた。その前年にあたる70年に、彼らはいまなおロック史に輝く名盤『原子心母』(原題:Atom Heart Mother)をリリース。ヒプノシスの〈牛ジャケット〉でも知られる同作を引っさげての初来日公演の舞台が、神奈川県の箱根芦ノ湖畔成蹊学園所有乗風台で開催されたフェス〈箱根アフロディーテ〉である。 日初の格的な野外フェスと名高い〈箱根アフロディーテ〉の開催から数えて、2021年は50周年。そんな記念すべき年に、驚くべき映像が届いた。それは、ピンク・フロイドが〈箱根アフロディーテ〉に出演した際のライブ。この映像は、過去にTV放送されたことは知られていたものの、オリジナル・マスターが行方不明で、幻の映像となっていた。しかし数年前、16mmのオリジナル・フィルムを発見。時間をかけてデジタル化/レストアを施し、かつてないほどのクリアな画質で復元された。そ

    ピンク・フロイド(Pink Floyd)と日本ロックの特別な季節――ソニー名物ディレクター白木哲也が〈箱根アフロディーテ〉発掘秘話を明かす | Mikiki by TOWER RECORDS