主に書籍を手がけるグラフィック・デザイナー杉浦康平とアジアのデザイナーとによる対談集。 「本とコンピュータ」に連載されていた対談が収録されているためもあろうか、デジタル技術を意識した発言が多い。コンピュータにおける文字をただのコードとせず、表情のあるひとつの生き物として語り合っている。一線のデザイナーがタイポグラフィ、カリグラフィ、さらにはイモティコン(顔文字)にも注目してブックデザインをしているというのは特に面白かった。 またアジアの思想がどのように文字やデザインに関わってくるか、「和而不同」「斑なす」といったキーワードでもって語られてゆく。漢字、ハングル、シッダム(梵字)の多様性とどう調和してゆくのか、またアジアの文字たちがアルファベット一辺倒のインターネット文化とどう関わってゆくのか、このへんが読み所である。 アルファベットの限界、それはイニシャルをつなげた用語、アクロニムに見られる
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