ここ数日、Twitterでちょっとインクトラップやらの話題に触れることが多く、特にイヴ・ピータース氏の写植書体の原図に生えている「トゲ」についての質問があり、このディテールについていろいろ書きたくなったので、それをテーマにやっていきます。日本語でスミトリとも言われる処理のことです。生きてれば一度ぐらいスミトリについて簡潔さとか気にせず片っ端から書きたくなることもあるでしょ。儂だけか。 インクトラップ まずインクトラップとは、典型的には印刷物において内側の角を彫り込んだ形状のことで、書体やロゴに見られることが一般的だと思います。紙や版の品質が悪いなど印刷条件が整っていない場合、線の交差部など面積の広い部分から液体のインクが滲み広がってしまうことがあります。これを軽減するために、その面積を造形的に減らすテクニックをインクトラップといいます。 左:意図した形 中央:劣悪条件や小サイズでの印刷結果