現在話されている言語や、文献資料に残された書記記録を突き合わせて、古代のことばの姿を蘇らせる研究分野を「比較言語学」という。インド・ヨーロッパ諸語を専門とする吉田和彦教授は、古代語であるヒッタイト語をはじめ様々な言語の資料を調べ上げ、生涯をかけて「ことばの復元」の研究に取り組んできた。 僕の世代は高校生の頃が高度成長期で、みな一様にあくせくと働いている時代でした。日本人が働き者だったことは確かです が、なんだか余裕がなさそうで、あまり楽しい人生を送っているようには見えませんでした。僕は、通っていた高校の校風がかなり自由だったこともあって、自分の好きなことをやりたいという気持ちを強く持つようになり、進学先は同じ自由な雰囲気のある京都大学の文学部を選びました。 ——— 言語学を学ぼうと思って文学部に入ったのですか? いえ、言語学という学問があることを知ったのは大学に入ってからです。月曜日の五限