戦後日本の戦記文学の代表作である『レイテ戦記』で有名な、アジア・太平洋戦争の激戦地の一つレイテ島。本書は、民衆が主体の対日協力問題に焦点を当て、エリートの対日協力と比較しながら、フィリピン史の中でどのように位置づけられてきたかを明らかにする。 序 章 はじめに 一 日本占領下のフィリピンとレイテ島 ニ フィリピン史記述の変遷と本研究における位置づけ 三 日本占領下のフィリピンに関する諸研究 四 本書の視角と考察の方法 五 分析の方法と本書の構成 第一章 戦前期のレイテ島社会 一 レイテ地方史記述の特色島 ニ レイテ島の戦略上の地誌 三 スペイン時代とアメリカ植民地期初期のレイテ島 四 アメリカ植民地体制の確立と現地エリートの台頭 五 ビサヤ文化の保全とフィリピン独立への想い 六 戦前期の農業状況 七 教育及び選挙権保有状況 八 レイテ島住民の生活 おわりに 第二章 日本占領の始まりとゲリラ