はぐらかされてきたクリトリスの歴史を探ってみると、欲望は減退してしまうかもしれない。 紀元前500年には、エフェソスの詩人ヒッポナクスが、クリトリスにギンバイカ(※フトモモ科の常緑低木)の薄紫色の多肉果の名を冠した。フランスの研究者でエンジニアのオディール・フィロードが見つけた限り、それがクリトリスへの最初の言及だ。 フィロードは2016年にクリトリスの3Dモデルを作成し、それは現在ウェブからダウンロードして印刷もできる。 「この小さな肉の形成物は、ベールの下に身を隠す花嫁のように、陰唇の下に隠れている」 フィロードによれば、2世紀にクリトリスをそう描写したのは、古代エフェソスの偉大な婦人科医ソラーノだ。だから、詩人はその部分を「ニンフ(ギリシア神話の精で、若く美しい女性)」と名付けた。一方で、ローマ帝国時代の医学者ガレノスは、そこには子宮を熱く保つ補助的な機能があると考えていた。より大き