「もつ煮」といえば、居酒屋などの定番グルメ。特に珍しい料理ではないし、家庭で作るという人も多いだろう。 しかし、そんなもつ煮の浸透ぶりに驚かされる県がある。山梨県だ。 山梨のもつ煮というと、最近よく耳にするのが「鳥もつ」。いまから60年ほど前に甲府市内の蕎麦屋で考案されたメニューで、甘い醤油ダレで照り煮し、汁気がないのが特徴。最近では「甲府鳥もつ煮」という名でB級グルメとしてのブランド化を推し進めていることもあり、甲府周辺の蕎麦屋の定番メニューにもなっている。ちなみに鳥もつは保存に適さないため、レトルト商品などはなく、基本的に現地で食べるしかない。そのほかには、馬のもつを使った「桜もつ煮」も県内全域で比較的よく食べられている。 観光客から注目を浴びやすいのはこうしたユニークなもつ煮だが、山梨県民にとって最もなじみがあるのは、やはり定番の豚のもつ煮。牛もつが使われることもあるが、いまでは豚も