「名ばかり分煙」にNO-。飲食店における分煙・禁煙の動きが加速する一方、形式的な分煙が目立っている。禁煙席と喫煙席を仕切る壁が不完全で、非喫煙者がいや応なく“煙害”にさらされることが少なくない。「スモークフリー」な社会に向けた条例が各地で施行される中、分煙環境は思うように改善されないのか。(日出間和貴) ◇脳裏に売り上げ 東京都千代田区のJR御茶ノ水駅近くにある全国チェーンの飲食店。約80席ある同店では喫煙と禁煙をゾーンで分離する。禁煙席は入り口近くに12席と、店の奥にガラスで仕切られた10席。禁煙席は全体の3割弱と限られ、ガラス張りの禁煙コーナーに座っても遮断性が低く、隣の喫煙ブースから煙が入り込む。嫌煙派にとっては不快だ。 分煙に消極的な店ほど「夜間のバータイムに訪れる喫煙客」に配慮する傾向があるようだ。「神奈川県における受動喫煙防止条例に関する調査