昨年11月のトランプ氏の米大統領選勝利の前後から、マーケットでは株価をはじめ市況が上昇したものが多く見られ、「トランプラリー」として話題になった。2016年の同氏の初の大統領選勝利時に、その後数カ月間続いた株価上昇場面を思い出された方も多いだろう。今回も、米国株式市場は本稿執筆時点に至るまで概ね堅調な推移が続いている。 その反面、大統領選頃から市況が下落したものも存在する。それらの中で、筆者が注目しているのは、海運市況を示すバルチック海運指数の動きだ。同指数は足元までに大幅な下落となっており、水準面では昨年11月の大統領選直後の直近のピークから一時は半分以下まで落ち込んだ。 バルチック海運指数は、外航不定期船の運賃市況から算出されており、海運市況の中でもスポット価格を反映することで敏感に動きやすいとされる。実際に、タンカー運賃など他の海運市況には先行して動く傾向が見られる。同指数の水準が大
