■幕開け■ そう、結局、だれが悪かったのだろう。 ある意味ではその事件にかかわったものは皆、それぞれに罪を抱えているともいえるし、またある意味では、だれも悪くはなかったともいえる。少なくとも、そんな目に合わなければならない程には。 とにかく、その日、事件は起こり、すべては、一瞬にして取り返しのつかないかたちで変わり果てたのだった。 「お前も一緒だよ。他のヤツとな。学につけこんで、結局裏切るだけのやつだ。クズだ。覚えてろ、俺はお前をゆるさねえからな」 ■そのとき、何が起こったのか?■ その運命の日、木村学は、上級生から理不尽ないじめを受けていた。かれの何がそういう人種を惹きつけるのか、昔からよくあることだった。 しかし、その時は、それだけでは終わらなかった。被虐のさなか、一瞬、意識が途切れたかと思うと、その上級生は首筋から血を噴き出して息絶えていたのである。 その傍らには、着衣を乱し横たわっ
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