SAOに先駆けてVR内RPGを題材にしたラノベ『クリス・クロス 混沌の魔王』-フィクションの中のVR【第8回】 (高畑京一郎/電撃文庫) 1994年に刊行された『クリス・クロス 混沌の魔王』は、第1回電撃ゲーム小説大賞金賞受賞作にして、作者のデビュー作でもあります。同賞はライトノベルレーベルが主催する賞でしたが、ラノベとしては珍しく単行本で刊行されました。本書に対する出版社の期待と読者からの注目がそれだけ高かったのだと思われます。 1994年といえばプレイステーションやセガサターンなど次世代家庭用ゲーム機が相次いで発売された時期。この小説も賞の趣旨に漏れずゲームを題材とした小説ですが、特徴的なのはテレビ画面でプレイするテレビゲームではなく、VRゲームを物語の舞台としている点でした。ストーリーの導入は以下の通り。 国内の大手電子メーカー数社が共同開発したスーパーコンピュータ・MDB9000、
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