最初にマイクを握った学生は「『天国と地獄』の竹内は誘拐犯かつ殺人犯ですが、目が離せないというか、かっこいいようにも感じました。魅力的な役作りのためにやっていることは?」と問う。山崎は「『天国と地獄』の場合、台本をもらって読んだときから、自分と役が重なる部分が多かった。当時の僕は不安神経症というか、自意識過剰というか、人の目を正視することができなかった。話している途中に顔が赤くなって、慌ててトイレに行くフリをして逃げたりもした」と明かし、「オーディションを受けたときは、三船(敏郎)さんとの対決シーンを演じました。黒澤さんが黒メガネを外して相手役になってくれたんです。普段でさえ人の目を見れないのに、あのシーンは見つめ合う場面で苦痛だったけど、黒澤さんの目がね。『大丈夫、不安だったら不安でいいし、今のままでいい』と受け入れてくれた。それで僕はずっと彼の目を見続けることができたんです。それだけでう
