鉄でできた隕石を材料としていることが判明した、世界最古の鉄製品である黄金装飾鉄剣(東京理科大・中井泉教授提供) トルコで発掘された約4300年前の世界最古の鉄剣は、鉄隕石(いんせき)を原料に作られたとみられることが、東京理科大と中近東文化センターなどの共同研究で分かった。人類が製鉄技術を確立する数百年前のもので、これまで製法は謎だった。10日から福岡市で開かれる日本分析化学会で発表する。 鉄剣はトルコのアンカラ郊外の王墓で70年前に発見された。全長約30センチ(刀身約18センチ)で、柄と鞘は純金製。死後の世界で使う道具として作られた。 研究グループは、地球の鉄にはニッケルがほとんど含まれないが、隕石の鉄には約5%以上含まれることに着目。鉄剣を所蔵するアナトリア文明博物館(アンカラ)の協力を得て、X線で成分を詳しく分析した。 その結果、鉄剣にはニッケルが約7%含まれることが判明。地球の鉄鉱石