高齢者介護施設はブラックホールか(2008年5月) 1、介護保険法の導入で、高齢者の介護の土台は、行政の 「措置」から、介護を求める側と行う側の「契約」へと大きく転換したとされています。しかし、そもそも、契約というものは、対等な当事者間での交渉と合意を基本とするもの。高齢者本人には、そのような対等の交渉力がないことは明らかです。そこで、その点をカバーするために、様々な工夫がなされています。 とはいっても、高齢者がかなり自立した生活力を未だ保持していて、後見人をつけるほどの認知障害はないという状態でも、例えば、入所契約の重要事項を読み聞かされて、理解ができるか、仮に一応の理解ができたとしても、それを記憶しておくことができるかどうか、には大きな疑問が残ります。 その結果として、介護施設への入居や、入居後の扱いについては、その高齢者をその施設に入居させ