次の本を院生と読みつつ、示唆的だったので、簡単にメモ。 この本は環境問題に関するSTSの理論的ないし教科書的な本で、環境問題についての考えるための様々な重要な考え方が極めて明晰に述べられている。他方で、empiricalな本ではなく、主張の実証的根拠に関しての出典の記述には不満がある。全体として、この人の主張にはかなり賛成なのだけれど。 このエントリーではここで述べられている技術的合理性と文化的合理性についてだけ紹介する。これはこの本の第二部のキーワードで、いろいろ最近起こっている事柄を考える上でも有用かもしれないと思いついたので。この本の133ページ以降を参照。まあ、言われてみれば、ごく当たり前のことかもしれない。 技術的合理性(technical rationality)とは、科学者や技術者等の専門家が言うところの合理性である。科学的な調査によって得られた実証的なデータに基づいて、妥当