ウクライナ侵攻が始まって以来、いわゆるリベラル/左派とされる知識人やメディアの中から、過剰にロシアを擁護したり、侵攻による被害国であるウクライナを批判したり、一刻も早い停戦のためウクライナ側に妥協を求めたりというようなことが、幾度か主張されてきた。これらの主張の欺瞞とも言える部分は、ウクライナを語りつつ、結局は米国の外交・安全保障政策を批判したいだけであったり、防衛費を大幅増額し改憲も目論むという岸田政権への批判だけであったり、国際社会の分断による日本への影響を懸念したりしているだけであることだ。今、正に戦争の惨禍に苦しむ人々に対し、ただただ「即時停戦」という妥協を強いるだけで、いかに平和的な手段によってロシア側にウクライナ侵攻をやめさせるかという課題に向き合うことすらしていない。筆者も、リベラルであり護憲派であることを自認しているが、だからこそ、ウクライナを踏み台に「平和」を語るリベラル