線形代数と群論の復習をかねて、名著と名高い大数学者アルティンの「ガロア理論入門」を読み始めてみたのだが、動悸と息切れが止まらないので紹介したい。数学科の3年か4年の学部生が履修すると言う体論の本なのだが、純粋な文系の人でも5次以上の一般方程式は累乗根で解けないというアーベルの定理まで到達する事ができる*1し、演習問題もついているのでお買い得感がある。 原著よりも邦訳版の方が優れた数学書になっていると思う。アルティンの講義ノートが本文になるのだが、訳者の寺田文行氏が各節に概要と設問を追加し、巻末に模範解答を用意している。講義ノートだけに理解や記憶があやふやなままでも前に行ってしまう危うさがあるのだが、訳者が追加した部分がそれを防止している。もはや違うコンテンツになっている気もするが、数学者が数学学習書を訳す場合には、これぐらいの事をしても良いと思った。 難易度的にはそれなり高い。線形代数を駆
ラグジュアリー・ブランドにも、手に取りやすいアクセシブル層から、価格低下の圧力が忍び寄っている。さらには、ラグジュアリーに何を求めるかが、消費者の成熟とともに変化しつつある。そこで必要なのは、今一度、顧客との関係性を再構築することだ。本誌プライシング特集関連企画、最終回。 プレミアムの源泉となる要素をみていくと、つまるところ、ラグジュアリー・ビジネスにおいては、消費者が「コストプラス部分」を企業努力としてきちんと認めている、ということになろう。 ゴヴァース健二氏 (Kenji Govaers) ベイン・アンド・カンパニー、東京オフィス パートナー 仏ESCP Europe経営学修士課程(MBA)修了。20年以上にわたり、日米欧のラグジュアリー、アパレル、化粧品、食料品といった消費財企業を中心に、企業再建、成長戦略、販売兼物流事業改善、ビジネスモデルの再構築等のプロジェクトを手がける。 「そ
というNBER論文(ungated版)が上がっている。原題は「On the Fundamental Relation Between Equity Returns and Interest Rates」で、著者はJaewon Choi(イリノイ大)、Matthew P. Richardson(NYU)、Robert F. Whitelaw(同)。 以下はその要旨。 This paper uses contingent claim asset pricing and exploits capital structure priority to better understand the relation between corporate security returns and interest rate changes (i.e., duration). We show theoreti
春のGⅠシリーズが終了した。今週はいわば「谷間」に当たり、日曜日の東京競馬のメインレースはGⅢでハンデ戦の芝1800mであるエプソムカップだ。GⅢでも馬券が当たれば儲かるのはGⅠと同じである。これは、株式投資にあって、市場で注目度の高い優良株ではなく、地味な銘柄でも「値上がり率」で儲かることとやや似ているが、終盤に近い春競馬では幾らか気合いが抜ける週ではある。 「GPIFの買い」の時期と影響は? いささかこじつけめくが、「GⅢ」のこのレースを検討する前に、当面の安倍政権の経済政策に目を転じると、3つのGがポイントになっている。安倍政権は株価を強く意識する「株価連動政権」だが、Gを意識した3つの政策が、それぞれ株価上昇のためのメニューとして用意されている。 第一に成長(growth)戦略、第二に企業のガバナンス(governance)、第三にGPIFの運用方針見直しによる株価買い支えだ。 こ
今回は人口動態について考えてみたいと思います。経済予測の中でも、将来人口の動向は比較的高い精度で予測ができます。株価や為替相場などは、さまざまな要素が複雑に絡み合うため、正確に予測することは困難です。ところが、将来人口については、予測するうえで必要になる要素が主に出生率と平均寿命の2つしかありません。この要素の少なさが、高い精度で予測できる要因です。また、人口の増減は、景気動向にそれほど左右されない点からも予測しやすくなります。 出生率で二極化する先進国 そのため、2020年~2025年までに、出生率に劇的な変化がなければ、かなりの精度で50年後の少子高齢化の姿を描くことができるのです。 少子化が進む日本ですが、先進国を出生率で見ると、多産の国と少産の国に分かれます。出生率(合計特殊出生率)とは、1人の女性が生涯に産む子供の数の平均です。多産の国を代表するのがアメリカ、フランス、イギリスで
さあ、サッカーワールドカップ(W杯)ブラジル大会の開幕だ。恒例の英社発表のオッズからみると、開催国ブラジルが最有力優勝候補だが、同国勝敗の帰趨(きすう)は国際経済の行方にも影響しそうな情勢だ。 さっそくグラフを見てみよう。ブラジル経済というのは、情熱的な国民の気質を反映しているのか、浮き沈みが激しい。特徴的なのは、W杯での成績が同国景気のサイクルに関連している点だ。サッカー王国だけあって「ナンバーワン」でなければ国民多数は納得しない。1998年では準優勝だったが、景気は一挙に落ち込んで低迷したあと、2002年の日韓W杯で優勝。ブラジル景気は以降、4年間も急上昇し続けた。 ところが、06年大会でベスト8に終わると、景気は下り坂になった。08年のリーマン・ショックのあと、新興国ブームの波に乗って景気はめざましい回復を遂げたが、10年大会でまたもやベスト8にとどまると、景気は再び急下降し、12年
昨日、法人企業景気予測調査が発表され、日経は「景況感、夏以降に急回復」としたが、この調査の「景況」は、上昇と下降の二択の差であり、方向を示すだけである。今期の極端な反動減から上昇するのは当たり前で、フレが出やすくなっているから、読み間違えてはいけない。見るべきは、やはり「雇用」だ。3月より「不足気味超」が減少し、9月、12月の見通しでも更に低下する形となっている。つまり、景況は今よりは良くなるが、そのレベルは必ずしも高くないと見るべきだろう。ただし、自動車などの設備投資増は明るい材料である。経済の「猫」の生死も量子論的なんだね。 (今日の日経) 三菱重工と買収提案。JAの衰える政治力。苦渋のベア12,000円。新電力の登録3倍、発送電分離に抵抗。公共工事5月請負額11%増。経済教室・農業改革・神門善久。世界の名門大の研究室を誘致。 ※公共工事請負額がボトムから2割も増して需給は引き締まって
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