2013年11月3日のブックマーク (64件)

  • 【極真会館】極真最大の荒行・百人組手が5年ぶりに復活

    11月3日(日)東京体育館で開催された『第45回オープントーナメント全日空手道選手権大会』の大会祝賀会が、大会後の夜に都内にて行われ、2014年に極真最大の荒行と言われる百人組手が復活することがその場で発表された。 百人組手とは、1人の空手家が連続して100人の空手家を相手に1日で組手(対戦)を行うもの。 極真空手の創始者・大山倍達が考案した荒行で、1972年12月に英国人空手家ハワード・コリンズが初めて完遂して以来、10名しか成功者がいない。 最後に百人組手を達成したのは、2009年3月に挑んだ第38回全日大会準優勝者のアルトゥール・ホヴァニシアン(アルメニア)。

    【極真会館】極真最大の荒行・百人組手が5年ぶりに復活
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    gryphon 2013/11/03
    あっ、うっかり「百億円組手」と読み間違った。(またこのネタか)
  • グローバル化の中で日本の宗教を意識できないと負ける - 狐の王国

    人としての教養という連載が非常におもしろいのだが、これについての2chの反応をまとめた記事がさらに輪をかけておもしろい。 「宗教信じてる?」 「いいえ」 「じゃあ持ってるお守りハサミで切って」 「できない」 「は?」 対談の上田紀行教授がタイトルのような問答を学生としてるという話なのだが、これは学生に自分の宗教観を認識させる上で非常に効果的な質問だと思う。 それに対する2chの反応がホントに面白い。孫引きになるがいくつかおもしろかったものを抽出してみよう お守りってだいたい神社じゃないの なら宗教と違うじゃん 「宗教信じてる?」 「いいえ」 「じゃあ持ってるお守りハサミで切って」 「できない」 「は?」:特定しますたm9(`・ω・´) 八百万の意味がわかってないよねこのおっさん 「宗教信じてる?」 「いいえ」 「じゃあ持ってるお守りハサミで切って」 「できない」 「は?」:特定しますた

    グローバル化の中で日本の宗教を意識できないと負ける - 狐の王国
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    gryphon 2013/11/03
    【神神の微笑 芥川龍之介】 http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/68_15177.html 「我々の力と云うのは、破壊する力ではありません。造り変える力なのです。」
  • 前田日明「自分は過去も現在も未来も、反社会的勢力との関わりは一切ない」~乱入演出説を完全否定【週刊 前田日明】 - プロレス/格闘技 カクトウログ

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    gryphon 2013/11/03
    “―乱入事件は、何が原因で起きたのか? 顧問弁護士「(略)警察に一任しているので、詳細はお答えできません」 ―「過剰報道」とのことだが、どこが事実と異なるのか? 弁「これも警察に一任にしている(略)」”
  • 「『平家物語』の再誕」書評 平清盛は「英雄」ではなかった|好書好日

    『平家物語』の再誕 創られた国民叙事詩 [著]大津雄一 『平家物語』が叙事詩であり平清盛は英雄として描かれているという評価は大学生のころに読んだ。しかし日には「叙事詩」はなく、英雄という概念もない。『平家物語』には日武士道が描かれているという評価もあったが、武士道という概念は中世には無い。いずれも明治以降の欧米化にともなって、西欧文学・文化の基準を日文学に当てはめた評価だったのである。 日の文学や文化を研究する者は常に時代の言葉に巻き込まれる。注意深く言葉を使わねばならない。もっとも気をつけるべきなのは、伝統が政治に利用される場面だ。武士道は国体と合体して、あたかも伝統であるかのように振る舞った。『平家物語』も国民道徳、国民精神を研究する資料とされたことがあって、皇国文学とか国民文学と呼ばれた。それが蘇(よみがえ)らないとも限らない。著者が言うように、日の特殊性を語るためにでは

    「『平家物語』の再誕」書評 平清盛は「英雄」ではなかった|好書好日
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    gryphon 2013/11/03
    “『平家物語』が叙事詩であり平清盛は英雄・・・という評価は大学生のころに読んだ。しかし日本に「叙事詩」はなく英雄という概念もない…武士道が描かれているとの評価もあったが武士道という概念は中世には無い”
  • 「カッパ・ブックスの時代」書評 熱い本作りの場、暗転の軌跡描く|好書好日

    カッパ・ブックスの時代 [著]新海均 1970年代、小学生のときにはじめて手にした大人向けのといえば、カッパ・ブックスだ。『頭の体操』『ウンコによる健康診断』など、居間に転がっていたのを夢中になって読んだ。子どもにも分かる文と構成で書かれていた。 この「大衆向け教養路線の新書」が作られた背景には、知識人向けブランドとして既に確固とした地位を築いていた岩波新書への対抗心があったのだという。 書は敗戦の年に創業した光文社の軌跡を、54年に創刊したカッパ・ブックスを中心に据えて描くノンフィクション。 高度経済成長期、そのものが、良く売れた時代のなかでも、カッパ・ブックスはダントツの売り上げを誇っていた。子どもだった私でも知っているベストセラータイトルが沢山(たくさん)ある。 前半はそんな黄金期。ベストセラー、ミリオンセラーと、それをたたき出した伝説の編集者たちが魅力的に描かれる。才能、個性

    「カッパ・ブックスの時代」書評 熱い本作りの場、暗転の軌跡描く|好書好日
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    gryphon 2013/11/03
    “この「大衆向け教養路線の新書」が作られた背景には、知識人向けブランドとして既に確固とした地位を築いていた岩波新書への対抗心・・・光文社の軌跡を、54年に創刊したカッパ・ブックスを中心に据えて描く”
  • 「未来の食卓―2035年 グルメの旅」書評 第二のサーモン、疑似肉…|好書好日

    未来の卓―2035年 グルメの旅 [著]ジョシュ・シェーンヴァルド 20年後の消費者の舌と胃袋を満足させる材は何か。著者はさまざまな材開発に挑む研究者、市場関係者らを端から訪ね歩く。にハイテクをもちこむことに抵抗感があった著者だが、取材を重ねるうちに考えを変えていく。 いまや遺伝子工学を利用すれば野菜の栄養素を強化するのはたやすい。「第二のサーモン」の呼び声高い白身の塩水魚スギは陸上養殖場での大量生産が試みられている。 さらに遠大な取り組みも紹介される。オランダの研究チームは試験管で鶏や豚の細胞から疑似肉を作り出そうとしている。米国防総省は、兵士が何日も過ごせる錠剤の開発に取り組んでいる。 私たちの健康や生命にかかわる話だけに空恐ろしい気持ちにもなる。ただ、著者が言うように有機農法だけで途上国の栄養不良は救えないし、増え続ける世界人口は養えない。たとえ不快かつ奇抜な試みだとしても

    「未来の食卓―2035年 グルメの旅」書評 第二のサーモン、疑似肉…|好書好日
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    gryphon 2013/11/03
    “いまや遺伝子工学を利用すれば野菜の栄養素を強化するのはたやすい。「第二のサーモン」の呼び声高い白身の塩水魚スギは陸上養殖場での大量生産が試みられている。 さらに遠大な取り組みも紹介…”
  • 「炭素文明論」書評 希少元素をめぐる人類の争い|好書好日

    炭素文明論 「元素の王者」が歴史を動かす (新潮選書) 著者:佐藤 健太郎 出版社:新潮社 ジャンル:新書・選書・ブックレット 炭素文明論―「元素の王者」が歴史を動かす [著]佐藤健太郎 炭素は人類にとってなくてはならない元素である。人類の存在はまさに炭素のもとでなりたっているとさえいっていい。たとえば人体から水分を除いた体重の半分は炭素によって占められているという。人類が生存するためには物とエネルギーが不可欠だが、それらも炭素を基とした化合物(炭素化合物)によってできている。私たちの暮らしをみまわしても、炭素を含んでいないのは金属やガラス、石ぐらいだ。私たちの文明社会そのものが炭素なしには考えられないのである。 書はその炭素に注目し、人類がどのように炭素を活用してきたか、そしてそれによってどのように文明が発達し、歴史がくりひろげられてきたのかを概観したである。デンプン、砂糖、ニコ

    「炭素文明論」書評 希少元素をめぐる人類の争い|好書好日
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    gryphon 2013/11/03
    “本書はその炭素に注目し、人類がどのように炭素を活用してきたか、そしてそれによってどのように文明が発達し、歴史がくりひろげられてきたのかを概観した本である。デンプン、砂糖、ニコチン、カフェイン…”
  • 「私の本棚」書評 蔵書家の業の深いことよ|好書好日

    私の棚 [編]新潮社 読書家23人が棚への思いをつづったエッセー集。えり抜いたコレクションへの愛情よりも、棚から床へあふれ出す蔵書の苦悩を吐露するほどに、語りは熱を帯びてくる。作家小野不由美さんは全蔵書が収まる棚をつくるため、一冊一冊の背表紙の幅を計測! 総延長43万8400ミリ也。作家唐沢俊一さんは買い込んだ段ボール箱の山に寝室を占拠されながら、もはや「開けるのが怖い」とのたまう。 買うから苦しむのは自明のこと。それでもやめられない、蔵書家の業の深いことよ。なんだか、道ならぬ恋におぼれる人を見守る気分。仏文学者鹿島茂さんは「愛書家」ならぬ「愛憎書家」と呼んでもらいたいそうな。 ◇ 新潮社・1365円

    「私の本棚」書評 蔵書家の業の深いことよ|好書好日
    gryphon
    gryphon 2013/11/03
    “買うから苦しむのは自明のこと。それでもやめられない、蔵書家の業の深いことよ。なんだか、道ならぬ恋におぼれる人を見守る気分。仏文学者鹿島茂さんは「愛書家」ならぬ「愛憎書家」と呼んでもらいたいそうな。”
  • 『「山月記」はなぜ国民教材となったのか』書評 教科書とは何か、問い直す|好書好日

    「山月記」はなぜ国民教材となったのか [著]佐野幹 戦後高校に通ったほとんどの者が中島敦「山月記」を教材に国語の授業を受けた。教科書の最多掲載回数を誇り「国民教材」とまで呼ばれるそうだ。しかし教員である著者は、授業をしつつ「ふと、今、自分が何をしているのか分からなくなる瞬間」があるという。その違和感を追い、1951年以降の203の教科書や、教師用「学習の手引き」を精査、時代ごとに作品がどう教えられてきたか炙(あぶ)り出す。 80年代に高校教育を受けた評者の記憶では、「李徴が虎になった理由」を問われ「人間性の欠如」を一つの解として与えられた。これは、主題の読解を目的とした教授法として一時代を築き、同時に大いに批判に晒(さら)されたものであるという。確かに来の「古譚(こたん)」4作品の一つとして「山月記」を読めば唐突な解釈だ。それなのに教育現場で受け入れられた理由は……。 教育とは何か、教科

    『「山月記」はなぜ国民教材となったのか』書評 教科書とは何か、問い直す|好書好日
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    gryphon 2013/11/03
    “80年代に高校教育を受けた評者の記憶では「李徴が虎になった理由」を問われ「人間性の欠如」を一つの解として与えられた。これは主題の読解を目的とした教授法として一時代を築き、同時に大いに批判に晒された”
  • 「マチュピチュ探検記」書評 漂う熱気、発見者の足跡たどる|好書好日

    マチュピチュ探検記―天空都市の謎を解く [著]マーク・アダムス 広大な荒野を苦労して旅しても面白い物語を書くことは難しい。危機一髪の出来事なんてそうはないし、単調な風景をだらだら記述しても退屈なだけだ。だからこうした探検記には、自分の旅にその土地の謎や過去の探検の過程を絡めて、読み物としてスリリングに仕上げた作品が案外多い。書もそうした一冊で、マチュピチュ遺跡を「発見」し、インディ・ジョーンズのモデルとも言われた探検家ハイラム・ビンガム三世の足跡をなぞったものだ。 有名なマチュピチュだが、建造された目的は今も不明である。スペインに追われた落日期のインカ皇帝が秘密裏に建造した幻の都なのか、あるいはただ単に全盛期に造られた山上の避暑地に過ぎないのか。著者はビンガムが見た風景を自らの足でたどり、この謎に愚直に取り組んでいく。 書で描かれるビンガムはどことなくピーターパン的だ。発見といったって

    「マチュピチュ探検記」書評 漂う熱気、発見者の足跡たどる|好書好日
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    gryphon 2013/11/03
    “有名なマチュピチュだが、建造された目的は今も不明である。スペインに追われた落日期のインカ皇帝が秘密裏に建造した幻の都なのか、あるいはただ単に全盛期に造られた山上の避暑地に過ぎないのか。”
  • 「忘却のしかた、記憶のしかた」書評 日本学者として日、米、世界見直す|好書好日

    忘却のしかた、記憶のしかた 日アメリカ戦争 著者:ジョン・W.ダワー 出版社:岩波書店 ジャンル:歴史・地理・民俗 忘却のしかた、記憶のしかた―日アメリカ戦争 [著]ジョン・W・ダワー 書は、著者の主要な仕事のエッセンスを、自身による解題を付して、年代順に配列したものである。「ダワー入門」と呼んでもよいだ。内容的にいえば、マッカーシズムの時期に自殺に追い込まれたカナダの日学者E・H・ノーマンについての論考から始まり、イラク戦争に際して米国当局が、かつて“成功”した日占領の体験をモデルにしようとしたことに対する痛烈な批判にいたる。 著者の『敗北を抱きしめて』は、占領下の日社会について包括的に書かれた最良の書である。このは米国でピュリツァー賞を受けたが、イラク戦争で日占領経験を引き合いに出した当局がこれを読んだはずがない。著者の考えでは、イラクは日と似ていない。むし

    「忘却のしかた、記憶のしかた」書評 日本学者として日、米、世界見直す|好書好日
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    gryphon 2013/11/03
    “本書は、著者の主要な仕事のエッセンスを、自身による解題を付して、年代順に配列したものである。「ダワー入門」と呼んでもよい本だ”
  • 「シャルル・ドゴール」書評 外交や歴史観、底部から分析|好書好日

    シャルル・ドゴール 民主主義の中のリーダーシップへの苦闘 著者:渡邊 啓貴 出版社:慶應義塾大学出版会 ジャンル:社会・時事・政治・行政 シャルル・ドゴール―民主主義の中のリーダーシップへの苦闘 [著]渡邊啓貴 フランス人ジャーナリストとの対話で、彼がドゴールに批判的な言を吐いたのに応じて、私も日に伝わるその偏狭さを冷たく論じたら、彼はいきなり激怒して、「日人に彼の批判は許さない」と言われたことがある。日米関係の主従の間柄に慣れきっている日人に、ドゴールの存在など理解できまいとの意味が含まれていた。 書は日人研究者のドゴールの評伝だが、単にその枠にとどまらず20世紀の二つの大戦とその後の国際社会での「ドゴール外交」や「ドゴール的歴史観」をその底部から分析、解説した書である。ドゴールの出自から死までの歩みが、日でも初めて紹介されるエピソードを交えて語られる。障害を持つ次女アンヌを

    「シャルル・ドゴール」書評 外交や歴史観、底部から分析|好書好日
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    gryphon 2013/11/03
    “フランス人ジャーナリストとの対話で、彼がドゴールに批判的な言を吐いたのに応じて、私も日本に伝わるその偏狭さを冷たく論じたら、彼はいきなり激怒して、「日本人に彼の批判は許さない」と言われたことがある”
  • 「猿まわし 被差別の民俗学」書評 あがめられ差別された祈る人々|好書好日

    猿まわし 被差別の民俗学 [著]筒井功 人と猿の関係を解く書物は今までにもあった。猿とは何かを民俗学的に解説する書物も存在する。むろん、芸能民としての猿まわしや猿引きについても、民俗芸能のテーマとして、あるいは差別の問題として書かれてきた。 書がそれらと何が異なるかというと、一つは猿まわしが担ってきた「隠密」、つまりスパイとしての役割をはっきり書いたことである。そしてもうひとつは、猿まわしが牛馬の祈祷(きとう)に特化したシャーマンであったことを、明らかにしたことである。 江戸時代の浅草には、弾左衛門(だんざえもん)屋敷を中心とする特別な町があった。ここには死牛馬の皮を扱う職人を中心に、木綿を売る店、質屋、湯屋、髪結い、公事宿(くじやど)などがあり、猿飼の家も十数軒あったという。 しかしそれは猿が芸を見せてお金をもらう芸人とは異なる役割をもっていた。将軍家、御三家、旗、大名屋敷などに出向

    「猿まわし 被差別の民俗学」書評 あがめられ差別された祈る人々|好書好日
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    gryphon 2013/11/03
    “そこは被差別の町である。しかし江戸時代の被差別民は、社会が必要とした職人たちであった。皮や竹細工の職能もそうだが、祈祷者もまた欠かせない存在だったのだ。それを著者は「イチ」という言葉を軸に展開する”
  • 森達也『「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい』書評 当事者の代弁に隠れている欺瞞|好書好日

    「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい 正義という共同幻想がもたらす当の危機 著者:森 達也 出版社:ダイヤモンド社 ジャンル:社会・時事・政治・行政 「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい―正義という共同幻想がもたらす当の危機 [著]森達也 とても長い、しかも問いかけの形を採った題名。その言葉の響きは挑発的でさえある。では、いったい何を問おうというのか。BS放送の対談番組で死刑廃止論を展開した際に(森氏の死刑論は『死刑』に詳しい)一部の視聴者から寄せられた批判の多くが、「死刑制度がある理由は被害者遺族のため」という論調であったことに対して、著者はこう問う。「もしも遺族がまったくいない天涯孤独な人が殺されたとき、その犯人が受ける罰は、軽くなってよいのですか」。詭弁(きべん)のように聞こえるかもしれないが、続けて読んでいくと、著者が

    森達也『「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい』書評 当事者の代弁に隠れている欺瞞|好書好日
    gryphon
    gryphon 2013/11/03
    「詭弁のように聞こえるかもしれないが、続けて読んでいくと、著者がこだわっているのが、いわゆる「当事者」性という問題…当事者を代弁してみせる行為の内には、まぎれもない善意と同時に、一種の無自覚な欺瞞」
  • 「翻訳がつくる日本語」書評 なぜ性別が強調されるのか|好書好日

    翻訳がつくる日語―ヒロインは「女ことば」を話し続ける [著]中村桃子 現代日で暮らしていて、「私は賛成ですわ」「俺はかまわないぜ」といった言葉づかいをするひとに、私は遭遇したことがない。 しかし、日語に翻訳された外国人の発言(あるいはセリフ)で、過剰な「女ことば」や「気さくな男ことば」、どこの方言だか不明な「ごぜえますだ」といった言葉が使われていても、なんとなく受け入れている。 日語への翻訳の際、なぜ、「女性」「気さくさ」「黒人」といった性別、性質、人種を強調するような表現が採られてきたのか。その変遷をたどり、分析研究したのが書だ。 「日語および日語を使っている人々に、翻訳が与えた影響」という観点が非常に興味深い。我々は日々翻訳物に接しているため、実際にも「女性は女ことばを使っている」ように錯覚する。その錯覚がまた、翻訳家が外国人女性の発言を「女ことば」で訳す原因にもなる。つ

    「翻訳がつくる日本語」書評 なぜ性別が強調されるのか|好書好日
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    gryphon 2013/11/03
    “現代日本で暮らしていて「私は賛成ですわ」「俺はかまわないぜ」といった言葉づかいをするひとに、私は遭遇したことがない。 しかし日本語に翻訳された外国人の発言(あるいはセリフ)で、過剰な「女ことば」・・
  • 「ドキュメント電王戦」書評 人間対人間のドラマだった|好書好日

    ドキュメント電王戦 その時、人は何を考えたのか 著者:夢枕 獏 出版社:徳間書店 ジャンル:コンピュータ・IT・情報科学 ドキュメント電王戦―その時、人は何を考えたのか [著]羽生善治ほか この春開かれたプロ棋士とコンピューター将棋ソフトの5対5の団体戦「電王戦」を200万人がニコニコ動画でみた。棋戦を超えた「人間対機械」という意味合いに関心も高まったのだろう。 結果は棋士側の1勝3敗1分け。チェス王者がソフトに敗れてから16年。より複雑な将棋でもついに人間が負かされる時代がやって来た。書はこの戦いに参加した棋士やソフト開発者らの証言集だ。 将棋ファンである作家の宮内悠介や海堂尊、漫画家の柴田ヨクサルらによるインタビューが秀逸だ。技術面だけでなく、哲学的な質問も次々とぶつけ、次第に選手たちの精神世界をあぶり出していく。 棋士たちは「対戦相手の表情から苦しいのは自分だけじゃないと思えるのだ

    「ドキュメント電王戦」書評 人間対人間のドラマだった|好書好日
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    gryphon 2013/11/03
    “将棋ファンである作家の宮内悠介や海堂尊、漫画家の柴田ヨクサルらによるインタビューが秀逸だ。技術面だけでなく、哲学的な質問も次々とぶつけ、次第に選手たちの精神世界をあぶり出していく。 棋士たちは…”
  • 「太平洋戦争下 その時ラジオは」書評 「報道」から「報導」への傾斜|好書好日

    太平洋戦争下 その時ラジオは [著]竹山昭子/大営発表のマイク [著]近藤富枝 東京放送局(JOAK)が、テスト放送を開始したのは、1925年3月1日。ラジオはまもなく90年という節目を迎えるが、そのせいかラジオに関する書、あるいは放送人の実像を語る書が相次いで刊行されている。 この2書もその系譜に列(つら)なる。竹山書は、太平洋戦争期にラジオというメディアはどのような役割を持たされたか、の解説書。近藤書は自身の前半生の自分史だが、44年10月から敗戦時まで日放送協会のアナウンサー時代を率直に語っている。放送論と体験史を重ねてみると、音声メディアのラジオがその特性ゆえに歴史に都合よく使われたことがわかる。 竹山書は、「一つの声が同時に直接全国民の耳に入る」放送の機能が、戦時下ではどう利用されたのかを具体的に明かしていく。各種資料や文書記録を引用しながらの解説だが、太平洋戦争の始まりとと

    「太平洋戦争下 その時ラジオは」書評 「報道」から「報導」への傾斜|好書好日
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    gryphon 2013/11/03
    “アナウンサーは「無色透明なる伝達者」として主観を交えない段階から、やがて「国民動員の宣伝者」になれとの職業意識が課せられていく。さらに「国策を自己の解釈により情熱をもって主張」へ、戦争後期になれば…
  • 「自民党と公務員制度改革」書評 背筋が凍る、近代日本の衰亡史|好書好日

    自民党公務員制度改革 [著]塙和也 書が対象とする時期は2008年2月から公務員関連法案の廃案が決まる翌年7月までだ。著者は「古い時代の政治を取り扱っている」と謙遜するが、決してそんなことはない。評者は10年9月から12年末まで内閣府大臣官房審議官、内閣官房内閣審議官の職にあり、書が指摘するような事態を目のあたりにして愕然(がくぜん)としたからである。 書には、01年の公務員改革に派遣された民間職員による回顧録が出てくる。08年の国家公務員制度改革推進部事務局に配属された民間出身者は、そこに描かれた「戦争」のような縄張り争いに、「背筋が凍るような思い」をするが、実際、出身官庁の異なる幹部間に重大な亀裂が入るのを目の当たりにして、「腰が抜ける思いがした」。 福田内閣の閣僚の一人は、総理を突然の辞任に追い込んだ原因は「官僚のサボタージュ」だという。こうした例は評者が民主党政権下でまさ

    「自民党と公務員制度改革」書評 背筋が凍る、近代日本の衰亡史|好書好日
    gryphon
    gryphon 2013/11/03
    “そこに描かれた「戦争」のような縄張り争いに、「背筋が凍るような思い」をするが、実際、出身官庁の異なる幹部間に重大な亀裂が入るのを目の当たりにして、「腰が抜ける思いがした」。 ”
  • 「沖縄の自立と日本」「夕凪の島―八重山歴史文化誌」書評 沖縄の側から日本を語る|好書好日

    沖縄の自立と日―「復帰」40年の問いかけ [著]大田昌秀、新川明、稲嶺惠一、新崎盛暉/夕凪の島―八重山歴史文化誌 [著]大田静男 『沖縄の自立と日』は、2012年11月に法政大学でおこなわれたシンポジウムをもとにしたである。 座談会をそのまま起こしたものではない。会場で語られた主張をさらに鮮明にするため、沖縄県知事、参議院議員を歴任した大田昌秀、沖縄タイムス社長を経て現在もジャーナリストとして活躍する新川明、企業家であり沖縄県知事も務めた稲嶺惠一、沖縄大学学長であった新崎盛暉(あらさきもりてる)の四氏が、それぞれの言葉で書き改めた文章を収録し、さらに座談を深めた一冊だ。 東京からは分からない沖縄の強い「自立」の意志が見える。大田は、復帰とは日国憲法への復帰を意味したのであって、今日もなお憲法は沖縄の拠点になっていることを強調した。新崎は尖閣諸島が国境地域住民の生活圏である事実を述べ

    「沖縄の自立と日本」「夕凪の島―八重山歴史文化誌」書評 沖縄の側から日本を語る|好書好日
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    gryphon 2013/11/03
    “新川は日本と沖縄が相互依存関係にあると考える。日本こそ、沖縄の米軍基地に依存し米国に隷属しているのだから、日本国の人々は沖縄からの自立をめざすべきだ、と主張…沖縄の側から日本を語った刺激的な本だ”
  • 「ポラロイド伝説」書評 超天才が生んだ発明群の顛末|好書好日

    ポラロイド伝説 無謀なほどの独創性で世界を魅了する 著者:クリストファー・ボナノス 出版社:実務教育出版 ジャンル:芸術・アート ポラロイド伝説―無謀なほどの独創性で世界を魅了する [著]クリストファー・ボナノス アップル社のスティーブ・ジョブズが深い尊敬のあまり、アメリカの「国宝」とまで呼んだ科学者兼企業家、あの「ポラロイド・カメラ」を発明したエドウィン・ランドの伝記。営業販売よりも研究開発に精力を注ぐ会社を創業したが、若いころは学籍もないのに大学の研究所に夜中忍び込んで思いつきを実験で確かめたというから超天才だ。ランド最初の成功といえる「偏光板」も、それぞれ方向の異なる偏光シートを自動車の前ガラスとヘッドライトに貼り付け「光のぎらつき」を消す当初設計から飛躍し、これを眼鏡に応用し偏光眼鏡で観(み)るカラー立体映画のシステムまで発明してしまうのだ。ランドの驚くべき発明群が世界をおもしろ

    「ポラロイド伝説」書評 超天才が生んだ発明群の顛末|好書好日
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    gryphon 2013/11/03
    「 アップル社のスティーブ・ジョブズが深い尊敬のあまり、アメリカの「国宝」とまで呼んだ科学者兼企業家、あの「ポラロイド・カメラ」を発明したエドウィン・ランドの伝記」
  • 『「曽良旅日記」を読む』書評 芭蕉らの旅を楽しく追体験|好書好日

    「曽良旅日記」を読む―もうひとつの『おくのほそ道』 [著]金森敦子 当に江戸時代の旅をしているようで、わくわくする一冊だ。「曽良(そら)旅日記」とは芭蕉の奥州、北陸の旅に同行した弟子、河合曽良の日記のことである。『おくのほそ道』が再構成された文学であるのに対して、同行した曽良は場所、天候、時刻まで詳細に記録した。すでに翻刻され研究書も複数出ているが、旅の研究者による書は従来のものとは異なり、曽良と芭蕉の旅の体験を、実際に歩きながら確認するようなとなった。 たとえば関所を通る体験とはどういうものなのか、別の旅記録も参照しながら詳細に描く。仙台藩を出るとき、道を変えて歩いたり、関所を通ることが困難だ、と記述している。4、5日で抜けられる旅程を13日も滞在していたことが、関所で不審に思われるからだ。その旅の実際を、著者はミステリー小説を書くように解いてゆく。芭蕉の旅は、やはり通常の旅ではな

    『「曽良旅日記」を読む』書評 芭蕉らの旅を楽しく追体験|好書好日
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    gryphon 2013/11/03
    “旅の研究者による本書は従来のものとは異なり、曽良と芭蕉の旅の体験を、実際に歩きながら確認するような本となった。 たとえば関所を通る体験とはどういうものなのか”
  • 「剣術修行の旅日記」書評 青春きらめく、藩士の「留学」|好書好日

    剣術修行の旅日記 佐賀藩・葉隠武士の「諸国廻歴日録」を読む (朝日選書) 著者:永井 義男 出版社:朝日新聞出版 ジャンル:新書・選書・ブックレット 剣術修行の旅日記―佐賀藩・葉隠武士の「諸国廻歴日録」を読む [著]永井義男 嘉永6年(1853年)、佐賀藩士・牟田文之助(満22歳)は武者修行の旅に出た。彼が記した日記(『諸国廻歴日録』)をもとに、北は宮城、秋田、新潟まで及ぶ、2年間の旅の軌跡を明らかにしたノンフィクション。 「武者修行」と聞くと、他流派の道場に殴りこみをかけ、相手をこてんぱんにして看板を奪い去り、悠々と引きあげる途中の辻で反撃をらって斬り殺される、というイメージがあるが、実際は全然ちがうことがわかった。 藩公認で武者修行するひとは、各藩の城下にある「修行人宿」に無料で宿泊できた。文之助青年も修行人宿を利用しつつ、道場に礼儀正しく手合わせを申し入れ、各地の剣術家と交流を深め

    「剣術修行の旅日記」書評 青春きらめく、藩士の「留学」|好書好日
    gryphon
    gryphon 2013/11/03
    “ 「武者修行」と聞くと、他流派の道場に殴りこみをかけ、相手をこてんぱんにして看板を奪い去り、悠々と引きあげる途中の辻で反撃を食らって斬り殺される、というイメージがあるが、実際は…”
  • 山口二郎「いまを生きるための政治学」書評 失敗ふまえ“新・政権交代論”|好書好日

    いまを生きるための政治学 [著]山口二郎 著者は「生活が第一」のスローガンを提言し、4年前の政権交代に一役買った民主党のブレーンだ。理想の政治の実現を夢みた著者にとって、民主党の挫折は痛恨事だったろう。市民に政治へのあきらめ気分を広げてしまった罪は重い、と政権を総括する。 ただ書のテーマは失敗政権へのうらみ節でも、知恵袋としてのざんげでもない。蓄えた知識と思想をフル動員し失敗体験もふまえ、あせた政権交代論を刷新し、理想の政治論を再生することだ。 政治状況の変化もそれを必要としている。第一に20年前に始まった政権交代可能な政党政治への歩みが振り出しに戻ってしまったことがある。自民党以外の勢力を何でもいいからかき集め、対抗勢力を作る路線はついに頓挫した。 第二は民主党政権の失敗の反動で、政権安定と景気の回復だけを望む短絡的な民意が広がっていることだ。これが政治の矛盾を深めているという。その民

    山口二郎「いまを生きるための政治学」書評 失敗ふまえ“新・政権交代論”|好書好日
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    gryphon 2013/11/03
    “本書のテーマは失敗政権へのうらみ節でも、知恵袋としてのざんげでもない。蓄えた知識と思想をフル動員し失敗体験もふまえ、あせた政権交代論を刷新し、理想の政治論を再生することだ”
  • 「石原慎太郎を読んでみた」書評 浮かび上がる小説家の肖像|好書好日

    石原慎太郎を読んでみた [著]栗原裕一郎、豊崎由美 舌鋒鋭い書評家の豊崎由美と歯にきぬ着せぬ評論家の栗原裕一郎が、石原慎太郎の小説を片っ端から「読んでみた」である。もとは月1回で1年間続いたトークイベントであり、後半では映画評論家の高鳥都と作家の中森明夫がゲストに迎えられている。 確かに近年の石原慎太郎は、政治家としての顔が圧倒的に知られており、小説はいまだに芥川賞受賞作『太陽の季節』か、石原裕次郎を描いた『弟』ばかりが挙げられる。そこで2人は入手困難な作品も含め、次から次へと「石原慎太郎の小説」を読んでゆく。ルールとされたのは、「政治家・石原慎太郎」と「元芥川賞選考委員・石原慎太郎」をカッコに括(くく)るということ。あくまでも一人の作家として評価しようというのである。そしてその結果、おそらく両人とも事前には想定していなかった「小説家石原慎太郎」の肖像が、じわじわと浮かび上がってくるのだ

    「石原慎太郎を読んでみた」書評 浮かび上がる小説家の肖像|好書好日
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    gryphon 2013/11/03
    “2人は入手困難な作品も含め、次から次へと「石原慎太郎の小説」を読んでゆく…「政治家・石原慎太郎」と「元芥川賞選考委員・石原慎太郎」をカッコに括…あくまでも一人の作家として評価…そしてその結果…”
  • 「スーパーマン―真実と正義、そして星条旗と共に生きた75年」書評 時代とともに変身、壮大な英雄の秘史|好書好日

    スーパーマン 真実と正義、そして星条旗と共に生きた75年 著者:ラリー・タイ 出版社:現代書館 ジャンル:マンガ評論・読み物 スーパーマン―真実と正義、そして星条旗と共に生きた75年 [著]ラリー・タイ 不屈のアメリカン・ヒーロー、スーパーマン。ミッキーマウスと並ぶ米大衆文化の肖像が誕生したのは1938年。御年めでたく75歳を迎えた。 原作者のシーゲルとシャスターはともに東欧出身の貧しいユダヤ系移民。勉強も女の子も苦手で、いつも不良の餌になっては、空想の世界に逃避していた。 シーゲルが18歳のとき、父親が強盗に殺害される。守護者を失ったシーゲルは自警団的正義に目覚め、「超人」の原型を生み出す。視力障害のある相棒シャスターが懸命にそれにイラストを付けた。 200人以上の関係者に取材、未完の回想録から裁判記録まで渉猟しながら、著者は壮大なスーパーマン秘史を探り描く。 「真実と正義と星条旗」と

    「スーパーマン―真実と正義、そして星条旗と共に生きた75年」書評 時代とともに変身、壮大な英雄の秘史|好書好日
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    gryphon 2013/11/03
    “200人以上の関係者に取材、未完の回想録から裁判記録まで渉猟しながら、著者は壮大なスーパーマン秘史を探り描く。 「真実と正義と星条旗」というお馴染みの標語はユダヤ教の口伝律法「ミシュナー」に酷似…”
  • 『科学者の卵たちに贈る言葉』 笠井献一著 : 書評 : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

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    gryphon 2013/11/03
    “流行している研究などやらなくてよい、人真似でかまわない、牛でこうだったから馬でもそうなるかどうかはやってみる前から分かるはずがないでしょう、つまらない研究なんてない、実験が失敗したら大喜びしなさい”
  • 『人間・国家・戦争』 ケネス・ウォルツ著 : 書評 : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

    あまりにも有名な国際政治学の古典である。 何よりも平和が尊く、戦争は悲惨でいけないことだという認識ほど戦後の日で広く浸透しているものは少ない。とりわけ毎年8月には平和への祈りが繰り返されるが、国際政治学の任務は、そんなにいけない戦争が繰り返されるのがなぜなのかを問うことである。 著者は古来の戦争原因論を大胆に三つのイメージに整理し、その各々を鋭利に検討する。戦争は人間の性に根ざしているとする第一イメージ、国家の欠陥に原因を求める第二イメージ、そして多数の国家を拘束する有効な法的枠組みのないことに原因を求める第三イメージは、それぞれ国際政治を語る際に欠かせない、個人、国家、国際システムという分析レベルに対応している。 平和への処方箋もそれぞれのイメージによって異なったものになる。人間の性が変えられるのなら、教育や啓蒙(けいもう)による人間性の改善に期待が寄せられる。国家が問題だというの

    gryphon
    gryphon 2013/11/03
    “人間が皆完全に善良なら、国家が皆合理的で平和的なら、国際的制度が十分に効果的なら戦争はおこらないという、単一のイメージに基づく主張は、それだけでは正しくとも無意味”
  • 『「紙上の教会」と日本近代』 赤江達也著 : 書評 : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

    若い研究者による意欲的な仕事である。「紙上の教会」とは聞き慣れない言葉だが、著者はそこに近代日におけるキリスト教の特異性を見る。 教会制度ではなくて読書や対話を通じて人のつながりを作り出すこと、その考え方は無教会主義を打ち立てた内村鑑三に端を発する。おりしも教養主義の隆盛や出版流通制度の整備といった要因が、その後の発展に大きな援護射撃となる。人口のわずか1パーセントの信者にもかかわらず、その中には、森有礼(ありのり)、新渡戸稲造、矢内原忠雄、南原繁、大塚久雄など、政治教育や思想界で活躍したそうそうたるメンバーが名を連ねる。 彼らはそれぞれの局面で、天皇制とナショナリズム、全体主義と軍国主義、マルクス主義と自由主義、安保闘争などとの対決を迫られ、信仰との間で何らかの妥協点を見いだしてきた。著者はそれらを鋭く炙(あぶ)り出す。日の近代史を語るうえで、書は欠かすことのできない一冊になるだ

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    gryphon 2013/11/03
    “彼らはそれぞれの局面で、天皇制とナショナリズム、全体主義と軍国主義、マルクス主義と自由主義、安保闘争などとの対決を迫られ、信仰との間で何らかの妥協点を見いだしてきた。著者はそれらを鋭く炙(あぶ)り出す
  • 『首里城への坂道』 与那原恵著 : 書評 : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

    爆撃された首里城の復元や、戦禍でその多くが失われた琉球文化の復興に多大な貢献をした人物がいる。 鎌倉芳太郎だ。彼は大正末期から昭和初期にかけての16年間、大々的な琉球芸術調査をし、貴重な資料を残した。沖縄にルーツを持ち、琉球・沖縄をライフワークにする著者が、鎌倉の評伝に挑んだのが書である。 東京美術学校を卒業したばかりの鎌倉は、美術教師として首里に赴任した。旅行者気分だった彼は琉球文化にたちまち魅せられ、求道者のように研究に没頭してゆく。首里城取り壊し阻止に奔走したのも彼だ。そして戦時下の東京では、膨大な資料や写真乾板を守り抜いた。 何が彼を突き動かしたのか。人だ。私が驚いたのは、首里城の坂道で鎌倉と出会った近代沖縄文化の担い手たちが、惜しげもなく自分たちの文化を伝え、彼に手渡したことだ。それは開放的な南洋気質のように見えるが、そうではない。彼らは数百年にわたり、土地や文化が蹂躙(じゅう

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    gryphon 2013/11/03
    “爆撃された首里城の復元や、戦禍でその多くが失われた琉球文化の復興に多大な貢献をした人物がいる。 鎌倉芳太郎だ。彼は大正末期から昭和初期にかけての16年間、大々的な琉球芸術調査をし、貴重な資料を残した
  • 『海賊党の思想』 浜本●志著 : 書評 : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

    海賊党は2006年にスウェーデンで設立され、現在、ドイツなどの議会で少数ながら議席を持つ政党だ。 ただし、暴力を奨励しているわけでも、船乗りが集まっているわけでもない。書にはその成り立ちや思想が網羅的に明かされている。 定められた知的財産権から逸脱して流通する音楽映画などのデータやソフトを「海賊版」と呼ぶ。「海賊党」の名はここで言う「海賊」による所が大きい。彼らの主張の軸にあるのは「自由なインターネット使用の保障」だ。 海賊党は強まるインターネット使用への規制や「知的財産保護」の流れに抵抗し、個人使用を目的としたデータダウンロードの合法化や特許権の制限など、一見過激な主張を掲げる。 「他人の創作物を勝手にタダで使うなんて許されない。創作意欲を減退させる」といった批判は当然ある。しかし、例えば彼らは、音楽データの複製の禁止が必ずしもアーティストに商業上の不利益をもたらすわけではないという

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    gryphon 2013/11/03
    “彼らの主張の軸にあるのは「自由なインターネット使用の保障」だ。 海賊党は強まるインターネット使用への規制や「知的財産保護」の流れに抵抗し、個人使用を目的としたデータダウンロードの合法化や特許権の制限
  • 『かつて誰も調べなかった100の謎』 堀井憲一郎著 : 書評 : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

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    gryphon 2013/11/03
    “問いが魅力的で、目次だけでその検証結果をすぐに知りたくなる・・・「バブルの最中は誰も『バブル』と呼んでいなかった」「『子供のころの写真は白黒だった』世代はどこまで」「花粉症ですと言うと『嘘つき扱い』
  • 『ユートピアの歴史』 グレゴリー・クレイズ著 : 書評 : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

    人間だれしも、今よりもっといい時がきっと来る、此処(ここ)よりもっといい所がどこかにある、そう思わないと生きていけない。 それはごく当たり前の心理だ。だからこそ古今東西、理想郷としてのユートピアが手を変え品を変えして希求されてきた。実はこの言葉、語源では「どこにもない場所」という意味なのだ。人間の心の中にだけあって、当は存在しないもの、それがユートピアである。では、人はそれをどのように思い描いてきたのか、その多彩な設計図を、思想と文学と実践の三つの観点から読み解いてくれるのが書である。だから取っつきにくい歴史書を想像してはいけない。何よりも美しいカラー図版がほとんど全ページにちりばめられていて、目でも存分に楽しませてくれる。 話は古代のギリシア神話や地上の楽園エデンの園から、中世の人々を熱狂させ今でも一部で強く支持されている千年王国、大航海時代と新大陸の発見、ロビンソン・クルーソー版の

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    gryphon 2013/11/03
    “ートピアにはたいてい裏がある。いったい誰にとっての理想郷なのか。ユートピアの発想には、そこから排除されたり、その実現のために犠牲にされたりする人たちがつきものなのだ。つまり・・・”
  • 『明治国家をつくった人びと』 瀧井一博著 : 書評 : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

    明治国家をつくった人々は実に勉強家であった。 かつて書の著者は、伊藤博文を「知の政治家」と呼んで世を驚かせたが、勉強家だったのは伊藤だけではない。武弁のイメージが強い山県有朋ですら、近代国家をどのように構想し、動かしていくかのヒントを求めて最新の知見の学習に努めた。陸奥宗光の勉強ぶりなど、鬼気迫るものさえある。 明治国家の指導者たちにとって、憲法とはいわゆる憲法典だけを指すものではなかった。憲法とはConstitution、すなわち国家の仕組みであり、構造であった。あたかも一つの建物のように、いかにして国家をつくり上げるか。問われていたのはまさに「国のかたち」であった。そこには、国家を担う人々をいかにつくり出すかという問題も含まれていた。 玉虫左太夫やジョセフ・ヒコを含む、有名無名の人々の西洋体験と、それを通じて構想された「国のかたち」を群像劇のように描き出す書であるが、ハイライトはや

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    gryphon 2013/11/03
    “ かつて本書の著者は、伊藤博文を「知の政治家」と呼んで世を驚かせたが・・・武弁のイメージが強い山県有朋ですら、近代国家をどのように構想し、動かしていくかのヒントを求めて最新の知見の学習に努めた。陸奥
  • 『卍とハーケンクロイツ』 中垣顕實著 : 書評 : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

    の地図では寺を意味し、仏教を象徴する卍(まんじ、あるいはスワスティカ)と、ナチスを象徴するハーケンクロイツ(鉤(かぎ)十字)。 両者がなぜそっくりなのか疑問に思いながら、なんとなく口にすることがはばかられていた。このデリケートな問いに真っ向から挑んだのが、ニューヨーク在住の浄土真宗の僧侶である。 ユダヤ人も多く暮らすニューヨークでは、東洋で幸運、吉祥を意味するとはいえ、卍の使用には大きなリスクが伴うという。ハーケンクロイツは反ユダヤ主義の象徴、というのが常識だからだ。東洋で二千年以上にわたって親しまれた幸運のシンボルは、いかにして歪(ゆが)められ、貶(おとし)められたのか。著者はヒトラーの『我が闘争』をベースに、その経緯をひも解いてゆく。 そこから見えるのは、ヒトラーがスワスティカ来のポジティブな意味を知りながらシンボルを借用し、ユダヤ人に対するキリスト教徒の聖戦という意味を付加して

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    gryphon 2013/11/03
    “大戦後、英語に訳された『我が闘争』では「ハーケンクロイツ」が「スワスティカ」という言葉にすり替えられキリスト教徒がホロコーストを起こした印象が巧妙に隠された…聖なるスワスティカに邪悪なシンボル…”
  • 『ザ・ナイン―アメリカ連邦最高裁の素顔』 ジェフリー・トゥービン著 : 書評 : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

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    gryphon 2013/11/03
    “この9人は信条を同じくしない。過激な保守派からリベラル派まで、多様な思想的背景をもつ判事たちが火花を…中絶、同性婚、銃規制、少数派への優遇措置など、この国を二分する重要な問題も含まれていた”
  • 『チーズと文明』 ポール・キンステッド著 : 書評 : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

    最近デパ地下やスーパーに行って驚かされるのは、ヨーロッパ各国のチーズの種類の豊富さである。 特に目立つようになったのはここ10年位のことか。某銘柄のプロセス・チーズだけがチーズと思っていた子供の頃とは隔世の感がある。日に輸入されるのはごく一部だろうから、伝来のご当地チーズの数はさらに多いに違いない。そんなチーズの歴史をその誕生から現代まで辿(たど)るのが書。著者はアメリカの大学で教鞭(きょうべん)をとる栄養学の専門家である。 人類がチーズの製造を始めたのは、紀元前7千年ごろ南西アジアの一帯であったという。その起源については諸説あるらしいが、解体した子ヤギや子羊や子牛の胃の中に見つかる凝固したミルクがチーズの原型で、そこからそれら動物の胃の組織を使ってミルクを固める技術を思いついたという仮説には、一定の説得力がある。牛乳をがぶ飲みするとお腹(なか)を壊すことがあるが、その昔の人類は、

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    gryphon 2013/11/03
    「人類がチーズの製造を始めたのは、紀元前7千年ごろ南西アジアの一帯であったという。その起源については諸説あるらしいが、解体した子ヤギや子羊や子牛の胃の中に見つかる凝固したミルクがチーズの原型」
  • 『日本国憲法はどう生まれたか?』 青木高夫著 : 書評 : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

    マッカーサーの腹心で民政局長のホイットニーと次長のケーディス。対する吉田茂外相に補佐役の白洲次郎。 迫真のやり取りを、議事録から再現した。新憲法の手に汗握る舞台裏が明かされる。 ポツダム宣言やGHQのメモランダムなど、文書をすべて英語で読み通す。言い回しのニュアンスや関係者の力関係までみえてくる。著者の青木氏は日企業で、対外交渉の場数を踏んだプロ。学者や憲法の専門家の及ばない新鮮なアプローチだ。 ソ連などが発言権をもつ極東委員会の介入が迫り、時間のないマッカーサー司令部。急いで英文の憲法草案をまとめ、日側につきつけた。天皇の訴追を避けられると踏んだ日側は、これを受諾。でも天皇の主導する旧憲法改正の手続きを踏んでくれと押し返す。現憲法が今のように落ちついた経緯がよくわかる。当の英文草案全文が巻末の資料に付いていて嬉(うれ)しい。 日国憲法は、一週間でまとめた英文案を、日語にしただけ

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    gryphon 2013/11/03
    “マッカーサーの腹心で民政局長のホイットニーと次長のケーディス。対する吉田茂外相に補佐役の白洲次郎。 迫真のやり取りを、議事録から再現”
  • 『深海の超巨大イカを追え!』 NHKスペシャル深海プロジェクト取材班+坂元志歩著 : 書評 : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

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    gryphon 2013/11/03
    “静止画像撮影に成功してから昨年にいたるまで、かなりの苦労がある。プロデューサーは出世ポストを降り現場にもどり船に酔うディレクターは強い薬を飲んで耐える。結果が見えず窪寺さんの疲れも出る。それでも…”
  • 『渡来の古代史』 上田正昭著 : 書評 : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

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    gryphon 2013/11/03
    “…著者は、古代における「帰化」とは、皇帝や王の徳を慕って来朝して、住み着いた人びとについていう呼称であり、中華思想の影響が強い呼称法であるから、「渡来人」と呼ぶべきことを提唱”
  • 『権力移行 何が政治を安定させるのか』 牧原出著 : 書評 : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

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    gryphon 2013/11/03
    “55年体制成立から現在に至る政治史の中で浮かび上がってくる「政権を安定させる要因」。そこにこそ本書の主眼がある。 その必要条件の一つは、人事の継続性にあった。”
  • 『ミシンと日本の近代』 アンドルー・ゴードン著 : 書評 : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

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    gryphon 2013/11/03
    “日本にあって、ミシンはオリジナルな役割を演じたと説く。「マルクスの言うところの、本来その使用者を窮乏化させる道具ではなかったし、ガンディの主張したような質素な生活をする手段でもなかった」。”
  • 『アップル帝国の正体』 後藤直義 森川潤著 評・開沼博 : 書評 : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

    iPhone(アイフォーン)が急速に普及し始めた頃、カラオケ屋で誰かがタッチパネル式リモコンをいじりながら話していた。 「これ、やってること、ほとんどiPhoneじゃない? 俺ら10年くらい前から使ってるよな。なんで日で誰もiPhone作らなかったわけ? 日は10年間何してたんだ」 そう言われてみれば確かにそうだ。 カリフォルニア発のITベンチャー、洗練されたデザイン、世界的カリスマ・ジョブズ。そんなイメージをまとうアップル社の製品。私たちはその「舶来物」を、未来を先取りした製品であるかのようにただただ崇(あが)めがちだ。しかし、はたしてそうか。私が生きる日社会と、どこかでつながっていはしないのか。 「アップル帝国」と「日の現在」の関係を暴く書はiPhoneに何の興味もない人々にとっても刺激的だろう。 家電量販店や携帯キャリアへの商品供給を巧妙に統制しながら希少性を守り、値下げを

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    gryphon 2013/11/03
    ”カラオケ屋で誰かがタッチパネル式リモコンをいじりながら話していた。「これ…ほとんどiPhone…俺ら10年くらい前から…なんで日本で誰もiPhone作らなかったわけ? 日本は10年間何してたんだ」”
  • 『倭国のなりたち』 木下正史著 : 書評 : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

    ここに、古代史という名のモニュメントがある。石と金と木と中国の紙、日の紙を継ぎ合わせて作ってあるのだが、今にも倒れそうだ。 歴史書の老舗、吉川弘文館が、古代史のシリーズを出すというのであるならば、最新の成果を、絶妙のバランスで配合したものでなくてはなるまい。その第1巻が、書である。書は、旧石器時代から、飛鳥京と藤原京の時代を描くので、4万8000年前から、西暦710年までが守備範囲となる。すると前半は、石器と青銅器、鉄器の話であり、後半は中国の史書と日の記紀が資料となる。もちろん、この間、木器や木簡の話も出てくる。つまり、歴史像を構築するために使用する資料の性質が、まったく異なるのである。私のような古典屋からいわせると、同時代の文献の照合ですら難しいのに、そういう異なる性質の資料で、ものを考えるのは不可能だと思ってみたりもする。が、しかし。著者には、通史を書くということは、性質の異

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    gryphon 2013/11/03
    “歴史書の老舗、吉川弘文館が、古代史のシリーズを出すというのであるならば、最新の成果を、絶妙のバランスで配合したものでなくてはなるまい。その第1巻が、本書である。”
  • 『ロシアのオリエンタリズム』 デイヴィド・シンメルペンニンク=ファン=デル=オイェ著 : 書評 : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

    ロシアとはなにか。あるいは、なんであったのか。この問いを想(おも)って三十余年。今ここに、書によってそれなりの解答をあたえられた気がする。素晴らしい読みごたえ、見事なほどの充実ぶり、視野も実に広い。これほど手ごたえのある読書は、そうはない。ユーラシア史、さらには世界史を考えようとする人には必読の書である。できるだけ、多くの方々に読んでいただきたい。 私たちは、ロシアという「北の国」とその変転について、必ずしも十分に心得ているとは言い難い。かつて司馬遼太郎があえて挑戦したが、率直に言ってエッセーに終わらざるをえなかった。私もまた、いつかはと思いつつ、書物が積み重なるだけで、無力さが一層つのっていた。そこへ突如、とてつもない書物が出現した。数日かけて味読し、感嘆した。怖(おそ)るべき力量である。平易で明快な翻訳をされた浜さんにも敬意を表したい。 書の素晴らしさは、帝政ロシアから近代に至るま

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    gryphon 2013/11/03
    “あまたの珍説・誤解・錯覚・すりかえ・曲解など、いずれも鮮やかに腑分(ふわ)けする一方、かのE・サイードがことさらいいたてた“オリエンタリズム”なるもののおかしさを、これまた実にやんわりと上品に指摘する
  • 『軍事と公論―明治元老院の政治思想』 尾原宏之著 : 書評 : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

    戦後日の文脈では、長らく軍事力の保持そのものの適否と合憲性が争われる一方で、実際の軍事は自衛隊と米軍任せにしてきたためか、非武装中立論はもとより、改憲論ですらどこか観念的になりがちだった。 だが、カネも力も知識も足りない生まれたばかりのひ弱な明治国家を率いて、帝国主義諸国が跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)する世界で生き残りを図らねばならなかった明治の指導者にとって、軍事力をどのように組織するかという課題は避けて通りようがなかった。 明治前期の元老院で徴兵制度をめぐって活発に展開した議論を分析した書は、充実した学問的労作であるだけではなく、著者のすぐれた文章力によって広く一般に読まれるべき一冊ともなっている。そもそもなぜ「国民皆兵」でなくてはならないのか。働き手を奪うよりも経済的・知的発展のほうが優先されるのではないか。民兵制度ではいけないのか。逆に近代兵器の運用が軍事の中心なら職業的常備

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    gryphon 2013/11/03
    「明治前期の元老院で徴兵制度をめぐって活発に展開した議論を分析した本書は、…すぐれた文章力によって広く一般に読まれるべき一冊ともなっている。そもそもなぜ「国民皆兵」でなくてはならないのか…」
  • 『誰も戦争を教えてくれなかった』 古市憲寿著 : 書評 : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

    著者は国内外の戦争博物館を訪れながら、そこに描かれる「各国の歴史」を描写する。 まず興味深いのは、仮に「戦争」には興味がなくても「少し字が多めの旅行情報誌」として読めるような内容だ。楽しげな船での戦跡ツアーや握手すると話しだす像。著者は、必ずしも「行楽地」ではない地で、その特徴、見どころを明らかにしながら思いの他「楽しめる」戦争博物館を紹介していく。 しかし、それは「ただの不謹慎」ではない。そもそも世界的に戦争博物館が現在ある形に整備され始めたのは1980~90年代にかけてのこと。戦後世代が増え戦争の記憶が薄れる一方、歴史認識に関する議論が盛んになった時期だ。時とともに戦争への興味が薄れる中、少しでも多くの人に戦争博物館に興味を持ってもらい、訪れてもらいたい。だからこそ「楽しめる」ように作られた部分もあった。 もう一点、興味深いのは「各国の歴史」の遺(のこ)し方の多様性。例えば、著者は

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    gryphon 2013/11/03
    “「ただの不謹慎」ではない。そもそも世界的に戦争博物館が現在ある形に整備され始めたのは1980~90年代にかけてのこと。戦後世代が増え戦争の記憶が薄れる一方、歴史認識に関する議論が盛んになった時期だ。
  • 『ちょっとそばでも』 坂崎仁紀著 : 書評 : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

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    gryphon 2013/11/03
    “大衆そば・立ち食いそばは、路傍に咲くささやかな草花。人知れず消えていった店は数知れずと書かれており、またあわててページを繰る”
  • 『現代中国の父 ●小平 上・下』 エズラ・F・ヴォーゲル著 : 書評 : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

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    gryphon 2013/11/03
    「中国の統治機構は必ずナンバーワンの人物を必要とする。部下は忠誠を競いあい、後継者や人事をめぐる激烈な党派抗争を繰り広げる。批判、失脚、復権…政策論争のかたちをとるが、内実は友が敵となる生存闘争」
  • 『Sの継承』 堂場瞬一著 : 書評 : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

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    gryphon 2013/11/03
    “50年前、実行直前に葬り去られたクーデター計画が、インターネット掲示板を利用した毒ガステロによって再び現在によみがえる。”
  • 『敦煌の飲食文化』 高啓安著 : 書評 : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

    最初に開いたとき「敦煌では酸っぱい味付けが好まれた」という一文が目に飛びこんできて興味を引かれた。 中国人の友人たちが酢を多用するので、長い年月のうちにこっちもそれに染まり、水餃子(ぎょうざ)も焼きビーフンも各種のスープも酢を用いずにべることがなくなっていた。敦煌ではまた揚げ物も好まれたようで、酢の目的は油っこいものをさっぱりといただくことにあったのではないかと推察される。そんなかれらの習慣のあれこれを現代日人も共有している。おもしろいことだ。 敦煌といえばいわずと知れたユーラシア大陸の核心部、シルクロードのオアシス都市。交易の中心として、各地の物産が豊富に流れこんできた。ざっと千年前の当地における文化を、文書や洞窟壁画などの研究を通して論じたのが書。なんともゆたかな気分に誘われる。 たとえば「灌腸麺(かんちょうめん)」が敦煌の名物だった。羊一頭分の腸に麺三升を詰めたという。麺と

    gryphon
    gryphon 2013/11/03
    ルクロードのオアシス都市。交易の中心として、各地の物産が豊富に流れこんできた。ざっと千年前の当地における食文化を、文書や洞窟壁画などの研究を通して論じたのが本書。
  • 『関東連合 六本木アウトローの正体』 久田将義著 : 書評 : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

    都市型ギャング「関東連合」。世田谷区や杉並区の不良少年を中心に結成され、メンバーを増やし各地を制圧。 OBは芸能界、格闘技業界、ヤクザまで人脈を広げ、時にはオレオレ詐欺など犯罪に加担したり、血なまぐさい暴力沙汰を起こしながらも、裏社会で勢力を誇っています。 『関東連合―六木アウトローの正体』は知られざる東京の不良史を収録。日史では「応仁の乱」「保元の乱」といった有名な戦について勉強しますが、知らない間に東京でも関東連合絡みで数々の戦が勃発していたようです。渋谷のチーマーを鎮圧した「三茶抗争」、敵対チームと戦った「東洋ボール事件」など、教科書に載っていない闇の史実が明らかに……。無関係な市民で良かったです。 気になるのはたまに、関東連合へのリスペクトを漂わせる文章が出てくること。「半グレ、というのが中途半端にグレているという意味であるなら関東連合は違う」「OBのビジネスセンスが優れている

    gryphon
    gryphon 2013/11/03
    “ 日本史では「応仁の乱」「保元の乱」といった有名な戦について勉強しますが、知らない間に東京でも関東連合絡みで数々の戦が…渋谷のチーマーを鎮圧した「三茶抗争」、敵対チームと戦った「東洋ボール事件」”
  • 『鉄道と戦争の世界史』 クリスティアン・ウォルマー著 : 書評 : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

    19世紀前半から鉄道が普及し始めたことによって、巨大な変化が起こった。 それ以前は陸上でもっとも機動的な輸送移動手段は長く馬を利用することであり、水上輸送の方が概して効率の良い輸送移動手段だった。だが鉄道によって陸上輸送の効率は飛躍的に向上し、同じ地勢でもその政治的・経済的そして軍事的な意味は一変した。 たとえば近代国家としての統一ドイツも、国土が南北に貫く何かの大きな河川に分断されている有り様では、東西をつなぐ鉄道なしには成立しなかったであろう。また内陸部の穀物が国際市場で大量に出回るようになり、穀物貿易が増加したことの背景にも鉄道による陸上輸送の革命的進歩があった。鉄道は経済的目的のために開発されたのだが、それまでの常識から見れば桁外れの兵員や物資を急速に前線に送ることができるようになったのだから、戦争の様態も一変することになった。 訳文がこなれていないために、叙述のリズム感が損なわ

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    gryphon 2013/11/03
    “近代国家としての統一ドイツも、国土が南北に貫く何本かの大きな河川に分断されている有り様では…鉄道なしには成立しなかった…兵員や物資を急速に前線に送ることができるようになったのだから戦争の様態も一変”
  • SUNDAY LIBRARY:小林 照幸・評『時代「ハンカチ世代」と呼ばれた雑草たち』矢崎良一・著- 毎日jp(毎日新聞)

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    gryphon 2013/11/03
    “。佑ちゃんが早大で、マー君がプロで活躍しているとき、彼らがどんな野球人生を歩み、現在に至ったかを詳細に紡ぐ。 今、彼らは共通して「自分は自分」と冷静に語る。そこから読者は…。”
  • 今週の本棚:川本三郎・評 『藤沢周平伝』=笹沢信・著- 毎日jp(毎日新聞)

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    gryphon 2013/11/03
    “公平でない人の世への怒り、妻を救えなかったことの無念。鬱屈した思いをぶつけるように小説を書き続けた。初期の作品の深い悲しみ、重い暗さの要因は明らかに妻の死にある。”
  • 『血盟団事件』 中島岳志著 : 書評 : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

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    gryphon 2013/11/03
    “若者たちが平然と、人間を殺せるのはどういう場合か。世界は不正で間違っている。その邪悪を自分が犠牲となって取り除こうというヒロイズム。そしてその行為が、純粋で正しいと保証してくれるカリスマ的指導者”
  • 今週の本棚:富山太佳夫・評 『キャプテン・クック』=フランク・マクリン著- 毎日jp(毎日新聞)

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    gryphon 2013/11/03
    “「ジェイムズ・クックが歴史上で最も崇高な探検家と発見者のひとりであることに、疑問の余地はない。……並外れて優秀な測量士であり…すべての経度と、百八十度の緯度のうち百四十度分を踏破した。」”
  • コミックエッセー:発達障害の彼女と一歩ずつ 聴覚障害の男性が出版- 毎日jp(毎日新聞)

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    gryphon 2013/11/03
    “発達障害のある「彼女」との日常を描いたコミックエッセーを、聴覚障害を持つくらげさん…が出版した。彼女が生活の中でぶつかる困ったことを、一緒にもがきながら受け止めていく姿が共感を呼んでいる”
  • 今週の本棚:池澤夏樹・評 『俳優のノート』=山崎努・著- 毎日jp(毎日新聞)

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    gryphon 2013/11/03
    “演技とは何か、瞠目の指摘がある−−「サッカーのフォーメーションのように、ボールの移動につれて素早く自分の位置を…ボール(芝居の中心)は右に左に…いつまでもボールを持って離さない俳優が一番困る」”
  • 今週の本棚:池澤夏樹・評 『俳優のノート』=山崎努・著- 毎日jp(毎日新聞)

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    gryphon 2013/11/03
    “一つの舞台ができあがる過程を主演俳優が綿密に日記につける。準備と稽古(けいこ)、そして公演の日々。千秋楽までの六か月あまりの記録。演目はシェイクスピアの『リア王』、 主演の俳優は山崎努。』”
  • 今週の本棚:加藤陽子・評 『ミシンと日本の近代−消費者の創出』=アンドルー・ゴードン著- 毎日jp(毎日新聞)

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    gryphon 2013/11/03
    “アメリカのもたらしたミシンと日本女性の幸福な出会いと展開…アメリカ総領事ハリスが徳川将軍夫人にミシンを土産とした逸話から1950年代に文化服装学院やドレスメーカー女学院が爆発的な人気を誇った戦後”
  • ブックウオッチング:新刊 『犯罪は予測できる』=小宮信夫・著- 毎日jp(毎日新聞)

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    gryphon 2013/11/03
    “国で犯罪機会論を学んだ著者は、犯罪の予知は無理だが「予測」は可能という。目からウロコの指摘も多い。”
  • SUNDAY LIBRARY:小川 真理生・評『虚構のアベノミクス』野口悠紀雄・著- 毎日jp(毎日新聞)

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    gryphon 2013/11/03
    “「円安とは、国内労働者の実質賃金を下落させることによって企業の利益が増加するプロセスである。……実質賃金の低下こそが、『アベノミクス』の本質だ」”
  • 今週の本棚・新刊:『ガガーリン 世界初の宇宙飛行士、伝説の裏側で』=J・ドーラン、P・ビゾニー著- 毎日jp(毎日新聞)

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    gryphon 2013/11/03
    “彼の人生と国家との関係に着目する。ソ連の宣伝塔として世界を引き回され、そのうっ憤晴らしの末に飛びおり事件を起こすガガーリン。後ろ盾のフルシチョフと設計技師長コロリョフを失い…”
  • 本日パンクラス大会、チームノゲイラ初参戦 - INVISIBLE D. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

    http://www.pancrase.co.jp/ 11月3日パンクラス253ディファ有明大会にアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ率いる「チーム・ノゲイラ」が日初上陸し、パンクラスと対抗戦を行なう事が決定した。 アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラのコメント 日の事が好きでとても懐かしく思います。日のファンにも特別な気持ちがいっぱいです。またパンクラスが復活したことが嬉しいです。酒井社長と日のファンへ、チーム・ノゲイラは今までで一番ベストなコンディションで日に行きます。日でお会いしましょう アントニオ・ホジェリコ・ノゲイラのコメント チーム・ノゲイラからパンクラスの様な伝統のある素晴らしいイベントに選手を参加させられて光栄です。みなさんの幸運をお祈りし、日でお会いできるのを楽しみにしています。 "裏番組"は日シリーズ最終戦、となったのは気の毒であるが。 しかし阪神が日シリーズ出場

    本日パンクラス大会、チームノゲイラ初参戦 - INVISIBLE D. ーQUIET & COLORFUL PLACE-
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    gryphon 2013/11/03
    ノゲイラの弟子、はどんなものかな。