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「カッパ・ブックスの時代」書評 熱い本作りの場、暗転の軌跡描く|好書好日
カッパ・ブックスの時代 [著]新海均 1970年代、小学生のときにはじめて手にした大人向けの本といえ... カッパ・ブックスの時代 [著]新海均 1970年代、小学生のときにはじめて手にした大人向けの本といえば、カッパ・ブックスだ。『頭の体操』『ウンコによる健康診断』など、居間に転がっていたのを夢中になって読んだ。子どもにも分かる文と構成で書かれていた。 この「大衆向け教養路線の新書」が作られた背景には、知識人向けブランドとして既に確固とした地位を築いていた岩波新書への対抗心があったのだという。 本書は敗戦の年に創業した光文社の軌跡を、54年に創刊したカッパ・ブックスを中心に据えて描くノンフィクション。 高度経済成長期、本そのものが、良く売れた時代のなかでも、カッパ・ブックスはダントツの売り上げを誇っていた。子どもだった私でも知っているベストセラータイトルが沢山(たくさん)ある。 前半はそんな黄金期。ベストセラー、ミリオンセラーと、それをたたき出した伝説の編集者たちが魅力的に描かれる。才能、個性
2013/11/03 リンク