クマムシ博士の「最強生物」学講座 [著]堀川大樹 マイナス273度の低温をしのぎ、水深1万メートルの75倍の圧力に耐え、宇宙空間に10日間さらされても大丈夫。そんな「最強生物」クマムシの研究者による科学エッセー。 体長0.1〜1ミリの彼ら。実は、市街地の路上のコケにも潜んでいるそうな。捕獲しても、飼育はひと苦労。ヨコヅナクマムシはミネラル水「ボルヴィック」を浸した培地で、「生クロレラV12」という銘柄しか食べないグルメだとか。 著者は仏の研究機関に所属する有期契約の研究員。研究を続けるため、クマムシのゆるキャラを商品化して研究費を捻出しようとする奮闘ぶりも語られる。研究対象並みのしぶとさが頼もしい。 ◇ 新潮社・1260円