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ブックマーク / agora-web.jp (32)

  • 財政危機は世代間対立である - 『2020年、日本が破綻する日』

    ★★★★☆(評者)池田信夫 2020年、日が破綻する日 (日経プレミアシリーズ) 著者:小黒 一正 日経済新聞出版社(2010-08-10) 販売元:Amazon.co.jp クチコミを見る 日経済の最大のリスク要因は、巨額の財政赤字である。これは民主党の代表選でも争点になっているが、菅首相にも小沢一郎氏にも打開策があるようには見えない。それより深刻なのは、財政赤字による世代間格差の拡大について、どちらもほとんどふれないことだ。書は、財政と世代間格差の問題を実証データで検証したものだ。 政府債務の返済がいつ行き詰まるかについて、著者は遅くとも2020年までに国内の家計貯蓄をいつぶすと推定する。そうすると外債を発行するしかなく、長期金利が上昇することは避けられない。国内のバランスシートでは「家計貯蓄=政府債務+企業債務」なので「家計貯蓄が尽きたら企業が国債を買えばよい」などという話

    財政危機は世代間対立である - 『2020年、日本が破綻する日』
    guerrillaichigo
    guerrillaichigo 2010/09/05
    ここ数年は企業部門の債務削減で政府負債の増加を賄うことができたが、企業の債務削減も限度がある。
  • デフレ脱却は信用できる確約か--池尾和人

    先週の日経済新聞の記事によれば、 菅直人副総理兼財務・経済財政相は[3月]26日午前の閣議後記者会見で、2月の全国消費者物価指数が前年同月に比べ1.2%下落したことについて「下落幅は縮まっているが、デフレ脱却へさらなる努力が必要と改めて思った」と述べた。 ということである。これは、経済財政相としては当然の発言であろうが、財務相としてはどうか。換言すると、当にデフレ脱却が実現したときに、日の財政はより悲惨な状態に陥りかねないということは十分に認識されているのだろうか。 日がこれだけの財政赤字を重ね、その結果として膨大な国債残高を抱えているにもかかわらず、一見平穏無事なのは、低金利が続いているからである。国債残高の増加を金利の低下がちょうど相殺する形で、1980年代後半以降、利払い費は、10兆円強のほぼ一定の水準を続け、2000年代の前半にはむしろ低下に転じたほどである(ただし、200

    デフレ脱却は信用できる確約か--池尾和人
  • 日銀が国債を引き受ける日 - 池田信夫

    国会で日銀の追加緩和をめぐる論議が続いている。特に亀井静香金融担当相は「日銀が(国債の)市中からの買い入れだけでなく、国債を直接引き受けて財源をつくることをやればいい」と、これまでタブーとされていた国債の日銀引き受けに踏み込んだ。これはマクロ経済学の練習問題としておもしろいので、実際にやったらどうなるか考えてみよう。 日銀が国債を引き受けることは財政法で禁止されているが、国会が決議すれば可能である。かりに国会で「日銀は国債を100兆円買い取れ」という決議が行なわれたら、白川総裁以下、現在の日銀理事は全員、辞任するだろう。それに代わって亀井氏が(議員辞職して)日銀総裁になり、理事をすべてリフレ派に入れ替えれば、「無責任になることにコミット」できる。 市場はどう動くだろうか。国会決議が行なわれる見通しになった段階で、国債が売られて暴落し、入札が成り立たない事態も考えられる。このとき日銀が国債を

    日銀が国債を引き受ける日 - 池田信夫
    guerrillaichigo
    guerrillaichigo 2010/03/03
    当時と比べると人口が高齢化しているから、「『明るい』焼け跡」になるかな?。
  • ある財政破綻のシナリオ--池尾和人

    先の池田さんの記事へのコメントですが、字数の関係で記事にします。 現在は、資移動も自由だし、金利規制もない(10%以上のインフレになると、利息制限法が制約になるが...)ので、3%とかいった緩やかなインフレで、政府債務の軽減を図れるとはあまり期待できません。これは池田さんもよく分かってらっしゃることですが、むしろインフレ期待の発生が財政破綻のトリガーを引くことになりかねないと考えられます。 すなわち、インフレ期待が生じると、既存の国債保有分については、インフレによる損失を回避するために、その前に売却しようという動きが生じることになります。これは、国債価格の暴落=長期金利の急騰につながります。投資家が、何もせずに、インフレによる債務の実質カットを甘受し続けることはありえません。 このことを避けようとして、日銀行が買いオペをして代わりに現金を供給しても、インフレで価値が低下することが分かっ

    ある財政破綻のシナリオ--池尾和人
    guerrillaichigo
    guerrillaichigo 2009/10/04
    インフレ期待が生じるとJGBが売られ長期金利が急騰する。日銀が買いオペで長期金利を下げる努力をすると、インフレ期待で円の現金・預金の代わりに外貨資産やリスク資産が買われ、円安と資産インフレが起きるのでは。
  • 日本の「国家破産」は起こるか - 池田信夫

    Barron’sの「日政府が債務不履行に陥る可能性がある」という記事が反響を呼んでいますが、この内容は既知の話です。最近のOECDの対日審査報告書も、日の財政赤字に警鐘を鳴らしています。「日政府は金融資産も多いので、純債務は大したことない」という人もいますが、下のグラフ(右側)でもわかるように、政府の純債務は来年にはGDPの100%を超えます。それでも10年物国債の金利が1.3%程度というのは、デフレを勘案しても異常に低い。 これはOECDも指摘するように、日が貯蓄過剰でリスク態度が保守的な上に、不況で国内に有力な投資先がないという幸運(?)に支えられています。しかし高齢化にともなって家計貯蓄率は急速に下がり、最近はほとんどゼロに近づいています。大部分の資産を国債に投資している郵貯銀行や邦銀も、高利回りを求められるようになれば、国債の残高を減らすかもしれない。 では、Barron’

    日本の「国家破産」は起こるか - 池田信夫
    guerrillaichigo
    guerrillaichigo 2009/10/04
    日本の人口の高齢化に伴い家計部門の貯蓄率が減少し、企業部門の借金返済(貯蓄)もいつまでは続かないから、そうなれば長期金利は上昇する。そんなに遠い話ではないのでは。そうなればずいぶん景色が変わる。
  • 少子化対策より「労働人口政策」を - 池田信夫

    民主党の経済政策は全体としてよくわかりませんが、特にマクロ経済政策はマニフェストに何も書かれていません。自民党に攻撃されて、あとから付け加えた「成長戦略」も、成長とは無関係の再分配政策です。しいていえば、子ども手当は少子化を防ぐことによって成長率を維持する政策といえなくもないが、これは経済政策としてはほとんど無意味です。その理由は、経済成長の減速の大きな原因になっているのは、全人口ではなく労働人口の減少だからです。 これは初歩的な成長理論で理解できます。Yを所得(GDP)、Kを資投下、Nを労働人口とすると、生産関数は次のように記述できます: Y=F(K, N) ここでNは、実際に労働する人口です。団塊の世代の引退によって労働人口は今後10年間で9%減ると予想されており、他の条件を同じと仮定すると、これだけで年率1%ポイント近く成長率は低下します。今から「子づくり」を奨励しても、とても間に

    少子化対策より「労働人口政策」を - 池田信夫
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    guerrillaichigo 2009/09/13
    いま地方経済が疲弊して職がないのは「小泉改革」のせいではなく、農業が衰退し、さらに地方に立地していた工場の労働者が海外移転によって減ったためです。 --- だから円が安くなれば・安くすればいいのに!。
  • 「ぺラ行政」と「曲学阿世」- 北村隆司

    外貨保有高、国連負担金、GDPなどの指標で世界第2位の地位を占める日は、経済的には世界にそれなりの貢献を果たして来ました。にもかかわらず、世界の指導国の指定席である常任理事国へ加盟の道は極めて厳しいのも現実です。 日には「何が物事の質かを議論し、突き詰めた上で」物事を判断する風土がなく「質とは関係の無い人間関係や過去の経緯などを拠所として」重大な判断をする悪習があります。(注:斉藤健著「転落の歴史に何を見るか」より) この風土が、世界に通じない日を生み、常任理事国入りにも苦戦する一因でしょう。 経済大国の地位など夢の夢であった1950年。南原繁東大総長はその年の卒業式で、「平和と全面講和」を熱っぽく説きました。この発言に腹を据えかねた単独講和推進派の吉田首相は「永世中立とか全面講和などという事は、言うべくして到底行われない事」であり、「それを南原総長などが、政治家の領域に立ち入っ

    「ぺラ行政」と「曲学阿世」- 北村隆司
    guerrillaichigo
    guerrillaichigo 2009/06/28
    日本には「何が物事の本質かを議論し、突き詰めた上で」物事を判断する風土がなく「本質とは関係の無い人間関係や過去の経緯などを拠所として」重大な判断をする悪習があります。
  • 『ものつくり敗戦』について - 池田信夫

    私もちょっと前に読み、特に前半の「産業革命」と「勤勉革命」の差が、その後の日の工業化が労働集約的技術に片寄る原因になった、という指摘はその通りだと思いました。ゼロ戦や戦艦大和のように、技術水準では世界最高峰の作品を完成させながら、戦争では負けてしまう、というパターンを日は繰り返してきたわけです。 ものづくりではなくシステム最適化を行なう「第3の科学革命」に日が立ち後れた、という指摘にもなるほどと思いましたが、そこから先の話が深まらない。日でも戦後はソフトウェアを学んだし、コンピュータでも一定の水準には達しました。しかし1980年代以降、決定的に取り残されてしまう。これは池尾さんの専門の金融がだめになったのと軌を一にしています。 80年代まであれほど成功した日の電子産業が、突然だめになったのはなぜか――これは私の専門領域でも重要な問題です。ところが木村英紀氏は、その原因を「システム

    『ものつくり敗戦』について - 池田信夫
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    guerrillaichigo 2009/06/16
    労働集約的な「匠」とか「すり合わせ」にこだわって負け続けているわけです。 --- 見えないもの、触れないもの、抽象的なものが苦手なんだよなあ。 何故だろう。
  • 日本人のリスク態度 - 池田信夫

    池尾さんもおっしゃるように、20年近くにわたる長期不況が一時的な需要不足によるものとは考えられません。こういう場合、労働市場あるいは金融・資市場に欠陥があるのが普通です。90年代には金融システムがボトルネックでしたが、今回の不況では非正社員の問題が騒がれているように、労働市場がボトルネックになっています。私の印象では、この二つの問題には共通点があるようにみえます。それは日人のリスク態度です。 日人の金融ポートフォリオの半分以上を現預金が占めているのが先進国では突出した現象だということはよく知られていますが、前にも書いたように雇用のポートフォリオもローリスクの極に片寄っています。後者には規制という要因があるので、同列には比較できませんが、おそらく解雇規制を完全に撤廃しても、正社員がどんどん解雇されることはないでしょう。それは日人にリスクをヘッジするという感覚がなく、リスクをできるかぎ

    日本人のリスク態度 - 池田信夫
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    guerrillaichigo 2009/05/09
    西欧で発明された17世紀以降の株式会社のような有限責任の制度が日本になかったことが日本人が極端にリスクを避けようとする一つの原因ではないか。 -
  • アゴラ : 日本の未来を楽観する - 矢澤豊

    カテゴリ 日の未来を楽観する - 矢澤豊 なにやら「お先真っ暗派」のオンパレードです。先日の池田さんのブログ・エントリー、「希望を捨てる勇気」も引金になっているようです。 古人曰く、当の「占い」とは、突拍子もない未来のことを言い当てることではなく、現在すでに目の前で起こっているのに誰も気がついていない事を、当事者にこっそり教えてあげる事、だとか。 それにしても、ブログ界を散見するに、気の早いご仁たちは日の未来を、「良くて低成長・高文化・メシが旨いフランス型、悪くて乱発国債の債務に喘ぐアルゼンチン型、最悪の場合は軍国主義の復活」などと論じていますが、それこそ下手な占い師のようです。 尾籠な例えで恐縮ですが、私は個人的に今の日の問題の根は、日の社会が「便秘」状態におちいっている事だと思っています。古い価値観と、それにとらわれた人材が代謝されず、次世代の抬頭を妨げているのです。 以前

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    guerrillaichigo 2009/05/05
    「いまガマンしていれば...」という言葉を信じ、その価値観に準じた人生設計をしてきたのです。いま、こうしたエリート諸君は、システムそのものが破綻してしまう前に勝ち逃げをきめこもうとしているのです。
  • 輸出立国モデルの「突然死」 - 池田信夫

    昨年度の貿易収支が7253億円の赤字となり、28年ぶりの貿易赤字に転落しました。世の中では、これを最近の経済危機にともなう一時的な現象と考える向きが多いようですが、これは戦後ずっと続いてきた輸出立国モデルが終わったという構造的な問題であり、与謝野財務相もいうように深刻に受け止める必要があります。経常収支はまだ黒字ですが、これも今後、配当などの所得収支が減少すれば赤字になるおそれが強い。 日の貿易は、中国からの輸入による赤字を対米輸出の黒字で補ってきました。今回の経済危機で対米黒字が減ったために対中赤字が表面化しただけで、こういう傾向はずっと続いています。赤字が増える理由は簡単です。中国のほうが製造業の生産コスト(特に賃金)がはるかに安いからです。二国間で同じ生産要素の価格が違う場合、貿易を通じて両国の要素価格は接近し、理論的には均等化します。これを要素価格の均等化と呼びます。 日中の賃金

    輸出立国モデルの「突然死」 - 池田信夫
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    guerrillaichigo 2009/04/29
    為替レートで円での名目価格・賃金を固定したまま調整することもできたはずだが、強い円高期待のせいでデフレ下でも資本輸出が進まないから、名目価格・賃金での調整を迫られ経済が萎縮し貧乏になっていく。
  • 不安のループ - 池田信夫

    私のブログの「希望を捨てる勇気」という記事に多くの反響があって驚きました。これは特に若い世代に、経済の先行きについての不安が高まっていることを反映しているのでしょう。では人々が会社を見捨てて転職したり起業したりするかというと、現実は逆です。生産性部の調査によれば、今年の新入社員のうち「今の会社に一生勤めようと思っている」社員の比率は55.2%と、過去最高になりました。 転職について「しないにこしたことはない」とする回答も34.6%と最高を記録し、「社内で出世するより、自分で起業して独立したい」とする回答は14.1%と、史上最低になりました。これは当然です。不況になると外部労働市場が収縮して転職が困難になるので、会社にしがみつこうとする。こうした保守的な傾向が強まると企業は求人を減らし、労働市場がさらに収縮する・・・という負のループが発生するのです。 これはDiamondの有名な論文で示さ

    不安のループ - 池田信夫
    guerrillaichigo
    guerrillaichigo 2009/04/26
    悪い均衡はデフレが大きくからんでいるからそこから脱出するためにはデフレ期待を無くす必要はあろう。