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ブックマーク / agora-web.jp (32)

  • 国債市場の安楽死

    国債は、もうすぐ暴落する。 このような警告は、何度も発せられてきた。しかし、それが実現することは、これまではなかった。だから、財政再建の必要性を警告した人々は、オオカミ少年と呼ばれ非難されてきた。しかし、今度は違う。 米国経済学者のロゴフの著作はThis Time is Differentだが、日語訳の邦題は「国家は破綻する」となっている。こう並べると、今度こそ破綻する、という意味に受け取られそうであるが、実は、全くその逆である。 政治家たちは、財政赤字が膨らんでも、今度は違う、といつも主張する。政府が破綻することはない、現代経済は進歩した、発展したから、これまで以上に成長するから大丈夫だ、などの議論をして、必ず、今度は違う、として財政再建よりも拡張主義に走る。しかし、結局、好き勝手に借金をした結果、結局、今度も、いつも通り、国家はやはり破綻する、という意味なのである。 ロゴフの主張

    国債市場の安楽死
  • 長州の神社?靖国--軍の形を考える : アゴラ - ライブドアブログ

    社会・一般 長州の神社?靖国--軍の形を考える 靖国の成り立ち--「山口県人会の東京の氏神様」? 安倍晋三首相の靖国参拝問題で、なぜこの神社にてこ入れするのか、私は不思議に思った。(「英霊は餓死、自殺攻撃をさせられた」)理由の一つとして、某社の政治記者とのメールのやり取りで、なるほどと思う指摘があった。(写真は靖国神社の大村益次郎像、以下写真はWikipediaより) 「『靖国は長州の色が強い。西郷さんは祭られていない』と二階堂のじっちゃんに教えてもらった。『靖国は山口県人会の東京での氏神様だ。松蔭先生もいる』と山口の政治家が言ってた。そこから説明できるのでは」。 二階堂進(1909-2000)は鹿児島士族出身の政治家だ。田中角栄政権のナンバー2で、官僚嫌い、つまり明治以来の日政府を懐疑的に見る自民党の党人政治家だ。また安倍首相は旧長州の山口県選出の議員で4代の政治家を出した士族の家

  • 円安でインフレになるか?問題は実質所得の低下

    インフレになるでしょうか。円が調整され株価も上がって景気が回復するかもしれません。けれども,(総合指数ではインフレになっても)コアコアでのデフレは簡単には解消されないと考えます。 背景に実質所得(賃金)の低下圧力があるからです。辻先生の記事では,エネルギーの視点から実質賃金の低下を説明しています。その通りだと思います。 円安でデフレかインフレかは,エネルギーコストが誰に転嫁されるかという問題です。質は実質所得の低下なので,インフレにならずに賃金が低下するか,インフレになって実質所得が低下するかのどちらかです。 円安の影響により,ガソリン価格が上昇(参考:時事ドットコム:ガソリン、8週連続値上がり )しています。ガソリンは海外の原油価格や為替レートにすばやく反応します。 一方で,ガソリン価格が上昇しても,例えば,タクシーやバスなどの交通料金はすぐには上がりません。ガソリン価格が高止まりすれ

    円安でインフレになるか?問題は実質所得の低下
    guerrillaichigo
    guerrillaichigo 2013/02/01
    円安になれば(海外から見た)日本人の人件費が下落することで海外から仕事が戻り、円高ならば弱い立場の人の賃金から下落して日本人の平均人件費が下落して結果として仕事が海外から戻る。円安のほうが早く効く。
  • 超過準備に対する付利撤廃の効果(やや技術的)

    前回の記事で「需要を無視して供給だけを増やせないのは、通常の財サービスの場合も、日銀券の場合も同じである」と記したが、もちろん準備預金の場合も同じである。準備預金制度というものが存在し、民間銀行には、受け入れている預金残高に応じて一定額の準備預金を日銀当座預金口座に積む義務が課されている(この額を必要準備、あるいは法定準備と呼ぶ)。いわば必要準備分は強制的に需要が作り出されていることになるが、それを超える分については、保有するかどうかは民間銀行側の自主的な判断次第だということになる。 いまの日の場合、必要準備の額を超えて保有されている準備(これを超過準備と呼ぶ)に対しては、0.1%の金利が支払われるようになっている。ところが、この超過準備に対する付利(利子を払うこと)を撤廃すべきではないかという議論がある。この付利撤廃は、いますぐ出来る追加的な金融緩和措置であり、追加的な金融緩和措置があ

    超過準備に対する付利撤廃の効果(やや技術的)
  • 準備預金90兆円時代(かなり技術的)

    この記事は、前稿「超過準備に対する付利撤廃の効果(やや技術的)」の続編である。というか、こちらの方がむしろ書きたかったことで、先の記事はその前振りのためのものである。 1月22日の金融政策決定会合で決められた「無期限で毎月一定額の資産を買い入れる方式」の導入が2014年初からだというので、もの足りないといった批判を受けているが、現行方式のままで2013年中に日銀行はさらに50兆円ほどの資産買い入れを行うことになる予定である。50兆円というのは半端な額ではないが、日銀はどのようにしてその買い入れ資金を調達するつもりなのだろうか。 「日銀券を刷ればいいだけではないか」と思う人も少なくないだろうが、すでに現金需要には飽和の兆しがみられる。すなわち、いまでも緩やかに増加の傾向にはあるが、日銀券の流通残高(=現金需要額)は80兆円強くらいであり、それが10兆円のオーダーで増加することは見込めない。

    準備預金90兆円時代(かなり技術的)
  • 貨幣発行益(シニョレッジ)の枯渇

    ロイターのインタビューの際に、東大の福田慎一さんが「最近日銀は、長期国債を実勢価格よりやや高めの価格で買い入れるなど、ヘリコプターマネーの色彩にやや染まっているとの見方を示した」ということである。これは、前の記事に[補足]として追加した次の記述 買いオペに応じさせるためには、民間銀行からみて有利な(日銀からみて不利な)条件を提示する必要があります。このようにバランスシートの規模を維持しようとすると、日銀は不利な条件を甘受する必要があるというのが、「日銀のバランスシートに圧縮圧力がかかることになる」ということの意味です。がすでに現実化していることにほかならない話である。 昨年の8月以降、日銀行の保有する長期国債の残高は日銀行券の流通残高を上回るようになっている(すなわち、いわゆる「銀行券ルール」に実質的に違反する状態になっている)。例年12月は、年末年始の支出に備えて日銀券の発行額が増加

    貨幣発行益(シニョレッジ)の枯渇
  • 金利がある世界に戻るとき(やや技術的)

    インフレ目標2%を掲げて、それが実現するまで「大胆な金融緩和」を続けるという方針の政権が誕生しようとしている。そこで、そうした方針が功を奏して、消費者物価上昇率が2%程度の状況が実現したら、どうなるかを少し考えてみたい。といっても、すべてがどうなるかを考えるのは大変な作業なので、ここでは国債の需給への影響だけを考えてみることにする。 現在、日銀行のバランスシートをみると、資産・負債残高は約160兆円となっている。丸めていうと、負債の内訳は、準備預金40兆円、日銀券発行残高80兆円、売り現先勘定30兆円、その他10兆円というところである。他方、資産の内訳は、国債110兆円、リスク資産+外貨資産10兆円、日銀貸出30兆円、その他10兆円というところである。国債整理基金特別会計向けが大宗を占める売り現先勘定による資金調達分を相殺すると、日銀行は、ネット80兆円の国債を保有している計算になる。

    金利がある世界に戻るとき(やや技術的)
  • デフレ:原因と症状の取り違え

    日常、「熱が出て体の具合が悪い」といった言い方をしばしばする。これと同じような感じで、「デフレで経済の調子が悪い」という言い方をするのだと思う。ただし、誰にも理解出来るように、「熱が出て体の具合が悪い」というときに「熱」は原因ではなく、症状である。これに対して「デフレ」に関しては、同様に症状であるにもかかわらず、あたかも原因であるかのように言われることが少なくない。 何らかの原因があって体の具合が悪くなって、その結果、熱が出るわけである。したがって、その原因を解消するための根治療が肝要である。もっとも対症療法も必要で、高熱が何日も続いたりすると、それだけで体力を消耗してしまって、病気がより深刻化しかねない。それゆえ、解熱剤を処方するといったことは欠かせない。しかし逆に、解熱剤だけを投与しておけばよいということには(風邪のような軽い病気の場合を除いて)ならない。 デフレは、発熱に類似した症

    デフレ:原因と症状の取り違え
    guerrillaichigo
    guerrillaichigo 2012/06/10
    実世界では結構「名目値」に囚われることが多いので、デフレ下では消費も投資も増え難いし、イノベーションも進み難いと思うぞ。
  • 「想定外」か「想定の甘さ」か:10年間で利払い費は倍増する

    あと2カ月で、東日大震災から一年が経つ。マグニチュード9.0に及ぶ巨大地震、そして、10m超の大津波は想像を絶する大惨事をもたらした。それは放射能を撒き散らす原発事故も引き起こし、「想定外」という言葉がメディアを駆け巡った。 だが、人間の脳は「想定外」の事柄は「想定」できないはずである。「最大の災害は自ら招くものである」というジャン・ジャック・ ルソー(1712-78年)の格言とも関係するが、それは「想定の甘さ」がもたらす人災といっても過言ではない。 そして、もう一つの人災が近づいている。それは財政のマグマである。長期金利は1%前後だから、日財政は大丈夫との「想定の甘さ」が広がっているが、利払い費の推移をみる限り、現実は厳しい。 利払い費の推移については、以前のコラム「膨らむ政府債務、金利低下ボーナスの終焉か」や拙著「日破綻を防ぐ2つのプラン」(日経プレミアシリーズ)でも指摘した。

    「想定外」か「想定の甘さ」か:10年間で利払い費は倍増する
  • 財政破綻までの2つのステップ

    の財政危機が深刻化し、国債価格が変調を来たし始めた後、どのような道のりを辿っていくのだろうか。大きく分けて2ステップあるはずだ。 最初のステップは日のギリシャ化である。(日のギリシャ化と言うと、日とギリシャの国の違い(経常収支が黒字国と赤字国、通貨発行権の有無など)をこと細かに並べて日はギリシャとは違う!と剥きになって反論する方がいるが、これはあくまで例えであり、現在のギリシャのように大変な事態に陥ってしまうということである。) ここで起きることは、国債価格の下落、円安、株安だ。この事態に慌てた政府は初めて気で歳出削減、大増税に踏み切るに違いない。国債価格が下落(=金利が上昇)すれば、金融機関は多額の損失計上を余儀なくされ、金融危機が勃発する。そして税収が約40兆円しかないのにもかかわらず、長期金利1%台で利払い費が約10兆円の国の財政は金利の大幅な上昇には耐えられない。日

    財政破綻までの2つのステップ
  • 海外投資家は日本国債に投資をするのか?

    海外投資家は日国債に積極的に投資するのでしょうか?日国債の95%は日国内で消化されているから問題ない、とよく言われますが、これは裏を返せば、日国債に海外投資家が魅力を感じていないということです。 貯蓄率は年々低下し、国民の金融資産も横ばいで推移する一方で、日政府の債務残高は増え続けています。いつか日国内に国債を買い支える資金がなくなるのは自明のことであり、そうなれば海外投資家に日国債を投資してもらうしかありません。海外投資家が積極的に日国債に投資してもらえるのであれば、国内の余剰資金が尽きても何ら問題ありませんが、そのような状況になり得るのでしょうか。 最近の日の長期金利は1%台前半で推移しています。一方、アメリカの長期金利は、現在は3%前後で推移し、時期にもよりますが、おおよそ数%程度は金利差が生じている状況です。 例えば、この状況下でアメリカ投資家が日国債を積極的

    海外投資家は日本国債に投資をするのか?
  • 今は間違いなく円高である。 - 知民由之

    ドル円相場が70円台に突入した円高を目の当たりにしても、なお、対ドルで円高が進んだからといって、実質実効為替レートでは円高ではないと議論を展開する人が出てくると思われるが、筆者は、実質実効為替レートのこのような使われ方に対し極めて強い違和感を覚えている。 日銀公表の1月の実質実効為替レートは103.1であり、90年からのの平均値108.5に比べ、まだ5%も割安な水準にあり、確かにこの指標が正しいのであれば、決して現状は円高ではない。しかし、日銀も実質実効為替レートの使用に対しては『様々な仮定やデータ制約のもとに計算されており、また、実質化、実効化の両面で様々な論点があり、競争環境を過去と比較する際には、単純に水準を比べるのではなく、様々な要素に十分留意して行う必要がある』と、警鐘を鳴らしており、すなわち、90年からの平均よりまだ割安だとか、95年の最高値である151からは、ぜんぜん割安であ

    今は間違いなく円高である。 - 知民由之
  • 「財政危機」の真に正しい理解のために-土居 丈朗

    慶應義塾大学経済学部教授 昨年、ギリシャの財政危機が顕在化して以降、わが国の財政状況をめぐり様々な見方が飛び交っている。日はギリシャよりも多く政府債務を抱えている上に、今後高齢化で社会保障費の増大が見込まれ、消費税を増税するなど財政健全化を真剣に取り組まないと日でもギリシャのような財政危機が顕在化する、とする見方がある。他方、日はギリシャよりも多く政府債務を抱えているが、ほとんどが国内で消化されているからギリシャのようにはならないので、財政危機をあおるのは増税したがる一派の陰謀で、無駄な財政支出を削減したり「霞が関埋蔵金」を取り崩せば増税は不要だ、とする見方もある。 どうやら、財政危機についての議論は、極論が横行し、冷静な議論が欠けているように思う。 結論から言えば、問題なのは、日がギリシャのようになるかならないか、財政破綻するかしないか、なのではなく、(誰から見ても金額として巨額

    「財政危機」の真に正しい理解のために-土居 丈朗
  • 「悪夢」のマイホーム ~住宅ローンに隠された爆弾~

    リーマンショック後に、住宅を手放す人が米国で急増し、今でも住宅差し押さえ件数が高水準で推移しているのをご存知の方も多いと思う。アメリカでサブプライムローンが問題になったときのサブプライム層の住宅ローンは、変動金利29.9%、固定金利期間選択型61.4%と、金利変動の影響を受ける層が9割以上を占めていたと言われている。(フレディマック(連邦住宅金融抵当金庫)2006年調査) 実は、このサブプライム層と今の日住宅ローンの構成比率は非常に似通っている。 国土交通省発表の「平成21年度民間住宅ローンの実態に関する調査報告書」によると、平成20年度における個人向け住宅ローンの新規貸出額の内訳は、変動金利型36.0%、固定金利期間選択型56.0%となっており、サブプライム層と構成比率はそっくりだ。 しかも、総務省の「家計調査年報(家計収支編)平成21年家計の概況」によると、勤労者世帯に占める住宅

    「悪夢」のマイホーム ~住宅ローンに隠された爆弾~
    guerrillaichigo
    guerrillaichigo 2011/03/05
    政府の財政危機のにおいがするとき、短期金利が上昇する前に長期金利は既に急騰しているだろう。
  • 野党は赤字国債を否決してクーデターを起こし名誉革命を実現させては?

    エジプトでは独裁政治に耐えてきた民衆が連日デモを起こし、とうとうムバラク大統領を辞任に追い込み革命を成功させた。暴力に頼ることなく、ひとりひとりの国民が民主化を求めて立ち上がった。その勇気に世界は賞賛している。その点、我が国は依然として政治が停滞し、国民は閉塞感に打ちひしがれている。しかしこういった行き詰まった状況をいっぺんに変えうる大きな力を今の野党は持っているということを、筆者は強調したい。今ならエジプト革命と同様に、全く暴力に頼らず、合法的に無血革命を起こすことが可能なのだ。名誉革命といってもいい。以下にそのことを説明しよう。 現在の国家予算は、90兆円以上の歳出に対して税収が40兆円ほどしかない。足りない分は赤字国債である。こんなでたらめ予算がいつまで組めるのだろう。民主党はこのでたらめ予算を増税によって少しでも是正しようとしているが、肝心の社会保障費のカットの方にはさっぱり手をつ

    野党は赤字国債を否決してクーデターを起こし名誉革命を実現させては?
  • 長期金利上昇時の金融機関への打撃

    最近、長期金利の上昇がたびたびニュースとなっている。よくよく考えると、金利の上昇幅は“たった”0.1%、0.2%である。金利の上昇に一喜一憂するのではなく、“たった”0.1%、0.2%の上昇でも、ニュースにせざるを得ない状況に日が置かれてしまっているということを理解することが何よりも重要だ。 1%、2%でも金利が上昇すれば日はどうなってしまうのだろうか。ここまで国債の発行残高が膨らみ、金融機関が大量の国債を保有している現状を考えると、現在、1%台前半で推移する長期金利が“たった”2%台に乗っただけで大騒ぎとなるだろう。 債券と利回りの関係は逆であることから、金利が上昇すれば債券価格は下落する。当然、大量の国債を保有している金融機関は損失を生むことになる。「債務管理レポート2010」(P94)によると、2009年12月時点(速報)で国債発行残高682.7兆円のうち、銀行等254.1兆円(

    長期金利上昇時の金融機関への打撃
  • 地方銀行の過大な国債リスク

    井上さんの記事について、少し数字を補足しておきます。日銀の昨年9月の金融システムレポート(p.33)によれば、 大手行・地域銀行ともに、2009 年度以降、金利リスクが一段と蓄積される方向にある(図表 3-2-1)。全年限の金利が同時に 1%pt 上昇する場合を想定した金利リスク量(100bpv)は、2009 年度中に、大手行では 2,500 億円弱、地域銀行では 5,000 億円程度増加した。 となっており、図のようにグロスの金利リスクは大手行で4兆円、地方銀行で5兆円を超えています(ネットでは調達金利と相殺される)。邦銀の昨年度の業務純益は2兆9200億円なので、これはその3倍です。特に地銀では、自己資(Tier1)に対する金利リスクの比率が30%を超えており、長期金利が1%ポイント上がっただけで自己資が大きく浸されます。 特に問題なのは国債保有です。大手行は保有国債を短期化し、

    地方銀行の過大な国債リスク
    guerrillaichigo
    guerrillaichigo 2011/02/14
    景気が良くなれば自然に金利は上昇する。低金利を続けたいならば不況を続けることになる。景気回復の金利上昇で金融危機が起こるならば、もう出口はないということだろう。
  • 膨らむ政府債務、金利低下ボーナスの終焉か

    少子高齢化の進展に伴い膨張する社会保障予算の財源不足によって、日政府の債務は急増している。実際、23年度末の国の公債残高は668兆円、国と地方の長期債務残高は891兆円(対GDPで184%)に達する見込みだ。 通常、債務が膨らめばその利払いも増加する。しかしながら、政府債務の利払費は、これまでそうでなかった。むしろ、利払費は低下してきた。 「利払費=債務×金利」であるから、この理由は、債務の膨張よりも金利低下の効果の方が上回っていたからである。つまり、「金利低下ボーナス」であり、極めて単純な構図である。この様子は、国が抱える公債残高・金利・利払費に関する以下の図から確認できる。 平成元年度から平成18年度にかけて、公債残高は161兆円から532兆円まで370兆円も増加しているが、金利は6.2%から1.4%まで大幅に低下している。この結果、利払費は10.6兆円から7兆円にまで3.6兆円も減

    膨らむ政府債務、金利低下ボーナスの終焉か
  • 量的緩和によるリフレ政策 最も愚かな政策

    問題は量的緩和だ。Quantitative Easing なる言葉を2001年に始めて見たときの違和感は今も忘れない。 先のエントリーで池尾氏も指摘しているが、厳密な意味での量的緩和は、あまり意味がない。普通のオペレーションの中でのターゲットを市場の短期金利にするか、市場を通じて日銀から金融機関に供給される資金量にするか、という問題であるから、ゼロにした上で、ゼロを達成するのに必要な資金量以上の資金を供給すると言う意味で、単なるゼロ金利よりも、より緩和的であることは間違いがないが、それで効果があるかどうかは疑問というか、効果はない。なぜなら、ゼロ金利で効果がないのだから、ゼロ金利の安定性をサポートしても依然効果はゼロだからだ。 もちろん、小幡の前回のエントリーでも触れたように、市場のトレーダーの期待に働きかけるという意味では影響はあるだろうが、それも限定的だ。実体のあるものがないと期待も動

    量的緩和によるリフレ政策 最も愚かな政策
    guerrillaichigo
    guerrillaichigo 2010/10/23
    日銀の新量的緩和でETF・REITの購入で資産インフレ。資産価格が上昇すれば資産効果で消費・投資の増加やマネーサプライ増が期待できるにもかかわらず,筆者は資産インフレの効果に否定的、その理由はいまいち不明瞭。
  • 日本にベンチャーが少ない理由 - 『起業のファイナンス』

    ★★★★☆ 起業のファイナンス ベンチャーにとって一番大切なこと 著者:磯崎 哲也 日実業出版社(2010-09-30) 販売元:Amazon.co.jp クチコミを見る 長期不況の原因は単純ではないが、その一つは新しいビジネスを開拓する企業が出てこないことだ。これを「ベンチャー」とか「イノベーション」といったカタカナで語るとリアリティがないが、要は企業の新陳代謝である。日起業は先進国でも異例なほど少なく、それが大企業に成長したケースはさらに少ない。それはなぜだろうか? 著者もいうように、その原因はファイナンスではない。日は超低金利が10年以上続き、市場には資金がダブついている。これ以上、日銀が量的緩和をしても、あふれているバケツに水を注ぐようなものだ。問題はそのバケツ――投資意欲――を大きくすることである。これを著者はケインズにならってアニマル・スピリッツと呼ぶ。それは金もうけの

    日本にベンチャーが少ない理由 - 『起業のファイナンス』
    guerrillaichigo
    guerrillaichigo 2010/10/03
    デフレでリスク資産価格下落と貨幣価値上昇が予想されるときに、ベンチャーに資金は入らないし、現金・預金・国債や(退屈で虚しい仕事でも)既得権にしがみついたほうが有利となるから、新陳代謝は起きにくい。