安倍晋三元内閣総理大臣は1993年7月、第40回衆議院議員総選挙で初当選を果たされました。私も当選同期の1人です。ただし、「政治家一族」と呼ぶべき家に生を受け、生まれながらにして「公」を「背負う」ことが運命づけられていた安倍氏と、徒手空拳で這い上がってきた私の生い立ちは対照的でした。 思想信条や政治的な立場を同じくするものでもありませんでした。5月にご逝去されたJR東海の葛西敬之さんが同社の会長時代に、「あなたたちはウマが合うかもしれない」と会食をセットしたことがありました。しかし、特に会話が弾むこともなく、それ以降はほとんど安倍氏との接点はありませんでした。 本格的に相対したのは2012年11月、自民党総裁に返り咲いた安倍氏と、当時の内閣総理大臣であった私との党首討論でした。与党と野党第一党、党首同士が互いの持てるものを賭けた、火花散る真剣勝負でした。 私は、定数削減と議員歳費の削減を条