フジテレビの関係者が、女子アナなど自社の影響力が及ぶ女性たちを有力者らに性的搾取の対象として「上納」するシステムを内部に構築していたと報道され、物議をかもしている。人気タレントであった中居正広氏もそのような上納を受けていたと告発され、引退を表明するに至った。 この話を聞いて思い出したのが、『自壊する「日本」の構造』という書物の冒頭におさめられた長谷川雄一による「自壊する日本の「原像」-序に変えて」という論文中のエピソードである。 1945年8月15日に日本がポツダム宣言を受け入れて敗戦が決まった3日後に、日本に進駐してくる米兵のための「性的慰安施設」の設立を指示する通達が、内務省警保局長名で各府県長官(知事)に対して行われた。 これと関連して長谷川は、「筆者は「民主主義国家」を標榜する日本の政治社会の「底流」において、戦後の基本的な体質とでもいうべきものが戦前の体質とそれほどかわっておらず
