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ブックマーク / blog.goo.ne.jp/ikedanobuo (14)

  • オーナー企業の時代 - 池田信夫 blog

    Businessweekの選ぶ世界の優良企業40社の第1位に、グーグルやアップルを押えて任天堂が選ばれた。ユニクロは過去最高益を更新し、世界展開をめざしている。この4つの企業に共通しているのは、所有と経営の分離していないオーナー企業だということだ。 所有と経営の分離はバーリ=ミーンズによって資主義の新しい形態とされ、バーナムは経営者資主義によって企業は計画経済の長所を取り入れることができると主張した。しかし所有と経営が分離すると、Jensen-Mecklingが指摘したエイジェンシー問題が発生する。これを克服するために欧米では資の所有権と命令でコントロールする垂直統合型の巨大企業が発達したが、これは命令される従業員のインセンティブを弱める。それを監視する階層構造が多重化する・・・という悪循環によって「大企業病」に陥る企業が増え、欧米型の垂直統合企業は1970年代以降、没落した。

    h_kadowaki
    h_kadowaki 2009/10/10
    ムーアの法則ってこういう使い方の用語だっけ?
  • 支離滅裂な「鳩山イニシアティブ」 - 池田信夫 blog

    鳩山首相がCO2を25%削減する「鳩山イニシアティブ」を高らかに宣言し、世界各国がそれを賞賛するのをみて、経済学者ってどこの国でも無視されてるんだなと思った。Mankiw blogの読者ならご存じのように、世界の主要な経済学者は、排出権取引よりも環境税のようなピグー税のほうが効率的で公正だと主張しているのだが、政治家にはまったく理解されない。それどころか、この二つが代替的な政策手段だということさえ認識してない人が多い。民主党のマニフェストに至っては、キャップ&トレード方式による実効ある国内排出量取引市場を創設する。 地球温暖化対策税の導入を検討する。と併記する支離滅裂なものだ。この両方を同時に実施することは不可能である。たとえば、あるCO2排出企業が、その排出権を中国から買って排出量をまったく削減しなかったら、どうするのだろうか。その企業に環境税を課税したら二重負担になるから、企業は購入し

    h_kadowaki
    h_kadowaki 2009/09/26
    経済学者ってどこの国でも無視されてるんだな
  • ソニーVSサムスン - 池田信夫 blog

    ソニーは日のグローバル企業の代表だが、最近はグローバル化の失敗例として引き合いに出されるほうが多い。他方、ソニーに代わってアジアの電機メーカーの雄になったのはサムスン電子だ。書は両社を比較し、その失敗と成功の要因を分析したものだ。 ソニーの最大の失敗は、大賀典雄社長の後継者に出井伸之氏を選んだことである。彼は大賀氏が「消去法で選んだ」と口をすべらしたように、取締役の中でも末席で、ソニー流の技術系でもなく、とりたてて実績があったわけでもなかった。創業者のようなカリスマ性がない点を補うため、彼はカンパニー制にして各部門の独立性を高め、委員会設置会社にして取締役会が"active investor"として巨大化した組織を統治しようとした。 結果的には、これが失敗の原因だった。各期のボトムラインだけを見て資産を組み替える持株会社のような分権型システムは、企業が成熟して開発投資が少なく、オ

  • 日本語は論理的である - 池田信夫 blog

    学校文法では、「文は主語と述語によって成り立つ」と教わる・・・という文には主語がない。こういう場合、学校では「生徒は」という主語が「省略されている」と教わるが、この基準で日語の日常会話を分析すると、90%以上の文で主語は「省略」されている。世界の他の言語をみても同じで、主語が不可欠なのはインド=ヨーロッパ語族の一部に限られる。主語・述語モデルにもとづく生成文法も、「普遍文法」どころか「ヨーロッパ語文法」でしかない。 こうした英語をモデルとする文法に対する批判も古くからあり、時枝文法や三上章など、「日語の論理は英語とは違う」とする議論も多い。書は、学校文法や生成文法を否定する点ではこうした理論と同じだが、「日語特殊論」も批判し、日語も英語も基的には同じ論理の変種だと論じる。著者の理論的根拠とする認知言語学は第2章に要約されているが、くわしいことは著者の前著を読んだほうがいいだろ

  • \"Free\"は無料だが・・・ - 池田信夫 blog

    FREE (full book) by Chris Anderson <object codebase="http://download.macromedia.com/pub/shockwave/cabs/flash/swflash.cab#version=9,0,0,0" id="doc_250054220515677" name="doc_250054220515677" classid="clsid:d27cdb6e-ae6d-11cf-96b8-444553540000" align="left" hspace="10" width="20%" rel="media:document" resource="http://d.scribd.com/ScribdViewer.swf?document_id=17135767&access_key=key-1htgstmrudqatvm1

  • 地球温暖化詐欺 - 池田信夫 blog

    コメントで教えてもらったイギリスの公共放送、チャネル4の放送したドキュメンタリー(日語字幕つき)。特にIPCCが政治的に利用され、批判的な科学者を追放し、環境ロビイストが乗っ取った過程を、科学者の証言で追っている。「科学は質的に宗教であり、政治なのだ」というM.ポラニーの言葉を思い起こさせる。 当初は科学者のボランティアによる会合にすぎなかったIPCCが、1990年以降、急に政治的に注目され、巨大化したのは偶然ではない。社会主義の崩壊で職を失った東欧の共産党員や、西側の社会主義を掲げていた反政府運動が、「地球を守れ」「資主義を止めろ」というメッセージの象徴として、地球温暖化を選んだのだ。そして1990年を基準年とすることによって、莫大なCO2を排出していた東欧を統合した欧州は、何もしなくても大幅なCO2削減が可能で、その排出権を売ることもできる。日政府がそのトリックに気づいたのは

  • 完全網羅 起業成功マニュアル - 池田信夫 blog

    原著は、起業のハウツーのベストセラー。著者ガイ・カワサキは日系2世で、元アップルの「エバンジェリスト」だ。10年ぐらい前に国際会議で会ったことがあるが、「パワーポイントの枚数と話の内容は反比例する」という「ガイ・カワサキの法則」を提唱し、スライドなしで話していた。書にもそういう実用的なアドバイスがたくさん出ている。 ただ主要部分は、すでに有望な技術やビジネスモデルをもっている起業家がベンチャー・キャピタルからいかにして出資を引き出して会社を設立するかというノウハウなので、これから会社を起こそうと夢見ているサラリーマンには役に立たない。またシリコンバレーに固有のビジネス習慣にかなりページが割かれているので、そのまま日では応用できない。むしろ書から伝わってくるのは、ベンチャーが金もうけの手段というより、大企業に反抗して自分の夢を実現するカルチャーだということだ。 原題が"The A

  • 第3の産業分水嶺 - 池田信夫 blog

    GMの倒産は、まるでジャンボジェット機が墜落するのをスローモーションで見るようなアンチクライマックスだった。この元凶は今回の金融危機でもなければ労働組合でもない。それは20世紀初頭に始まった垂直統合の時代のあまりにも遅すぎた終幕であり、書が「経営のバイブル」として賞賛された1960年代から、ゆっくりと没落は始まっていたのだ。6年前にForesightに書いた『GMとともに』の書評を抄録しておく:著者アルフレッド・スローンが社長になった1920年代の自動車産業では、フォードが圧倒的なシェアをもち、GMは買収・合併でできたメーカーの寄せ集めだった。各部門が無秩序に生産を拡大したためGMは経営危機に陥り、デュポン社に買収された。著者は、これを建て直して各部門を製品別の「事業部」として利益を計上させ、その業績によって再編するシステムを作った。 著者がGMを管理する原則は、技術でも品質でもなく「

  • 地球は寒冷化している - 池田信夫 blog

    けさの日経新聞(12面)に「昨年の気温、21世紀で最低、地球の気候、当面『寒冷化』、自然変動が温暖化抑制?」という記事が出ている。オンラインには出ていないので、主要部分を引用しておく:地球の平均気温の上昇が頭打ちとなり、専門家の間で気候は当分寒冷化に向かうとの見方が強まってきた。地球温暖化の主因とされる二酸化炭素(CO2)の排出は増え続け長期的には温暖化が続きそうだが、自然の変動が気温を抑制するように働き始めたとみられている。気温の推移は、温暖化対策の論議の行方にも影響を与えそうだ。 平均気温は1970年代半ば以降ほぼ一貫して上昇。しかし98年をピークにこの10年間は横ばいないし低下し、2008年の気温は21世紀に入り最も低かった。この結果、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が予測する気温の上昇カーブとの隔たりが拡大。IPCCは気温が2000〜25年に10年あたり約0.2度のペース

  • 太陽活動は弱まっている - 池田信夫 blog

    地球温暖化の唯一の原因は太陽の輻射熱だから、太陽活動が弱まれば、温室効果ガスがどうなろうと地球は寒冷化する。そして2008年から太陽活動は弱まるサイクルに入り、そのエネルギーは1928年以来最低の水準になる、とNew Scientistは予測している。 他方、ベルギーの太陽黒点数データセンターの観測でも、黒点の「相対数」は今年は4月までの暫定値が1.2と、1810年以来の低水準を記録した、と朝日新聞は報じている。太陽の黒点数は太陽活動の指標であり、地表温度と高い相関がある。17〜8世紀には約7...

  • 1Q84 - 池田信夫 blog

    村上春樹の新作は、発売日に予約だけで68万部という空前の売れ行きだが、中身を見ないで買うのはおすすめできない。率直にいって、彼の作品としては傑作とはいいがたい。 二つのストーリーが並行して語られる構成は『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』に似ているが、文体はそれほど実験的ではなく、『海辺のカフカ』の続編のようなような感じだ。テーマはカルト教団とセックス・・・と書くとドロドロした話みたいだが、それをSF風の軽い文体で書いている。ストーリーもわかりやすく読みやすいが、『ノルウェイの森』のような感動を求めると失望するだろう。というか、『ノルウェイの森』が彼の作品としては例外的に大衆的な小説で、彼は「国民的作家」になるタイプではない。 タイトルの『1Q84』(イチキュウハチヨン)というのは、主人公が1984年の世界から「パラレルワールド」に飛び込んでしまうという意味で、Qはquest

  • 梅田望夫氏の開き直り - 池田信夫 blog

    梅田氏のインタビューが、あちこちで話題になっている。私が一番ひっかかったのは、次の部分だ:ただ、素晴らしい能力の増幅器たるネットが、サブカルチャー領域以外ではほとんど使わ[れ]ない、“上の人”が隠れて表に出てこない、という日の現実に対して残念だという思いはあります。そういうところは英語圏との違いがものすごく大きく、僕の目にはそこがクローズアップされて見えてしまうんです。この「残念」な状況を作り出した大きな原因は、はてなである。梅田氏が「バカなコメントが多い」といったように、匿名による悪罵が「上の人」を萎縮させて、日のウェブのレベルを下げているのだ。その結果、アメリカのブログは著名人が既存メディアの枠を超えてリアルタイムで議論する場になり、大手メディアに対抗する存在になりつつあるのに、彼も嘆くように日のブログはますます劣化している。 私は、これは「日文化」だとは思わない。それは戦

  • 一勝九敗 - 池田信夫 blog

    屋に書が平積みになっていたので、文庫の新刊かと思ったら、そうではなかった。単行は2003年に出ており、文庫化は3年前なのだが、昨今のユニクロの躍進で、ビジネスマンにあらためて注目されているらしい。ユニクロは、日経済がグローバル化の中で生き残れる道を示唆していると思う。 「内需拡大が必要だ」というのは、日企業が「引きこもり」すべきだということではない。むしろ日の貿易依存度は先進国の中では低く、輸入が特に少ない。グローバルな比較優位を十分生かせていないのだ。外需の落ち込んだ分を内需で補うには価格を下げる必要があり、そのためには国際分業を拡大することが重要だ。そのモデルがユニクロである。 しかし書にMBAのような「戦略」を期待すると拍子抜けするだろう。著者は経営学の理論などはほとんど知らず、試行錯誤の連続で事業を急拡大してきた。それが結果的に、日の産業構造の盲点をついたのだ。

  • 池田信夫 blog

    IT & Economics拙著のサポートページでも補足したが、大恐慌の最中にハイエクとケインズが行なった論争は、今日でも重要な意味がある。テクニカルな話なので、経済学に興味のない人は無視してください。 ハイエクのケインズ批判はきわめて難解で、その資理論は混乱しており、『一般理論』が大成功を収めたため、この論争はケインズの勝利に終わったと思われているが、いま読み直してみると、別の見方も可能だ。ハイエクの主要な論点は、失業の原因はケインズの考えていたような集計的な過少消費ではなく、個々の産業で労働供給と需要の一致しない状態が続く市場の歪みだということだった。 当時はミクロ的な調整メカニズムを実証的に分析するツールがなかったため、ハイエクの理論は無視されたが、こうしたコーディネーションの問題はのちにClower-Leijonhufvudの不均衡理論や、Lilienのsectoral sh

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