『おまえが若者を語るな!』(以下『語るな』)では若年層の「理解者」や、あるいは子供の「心」や「実存」の「翻訳者」として振る舞った人たちが、結局のところ若年層に対する誤解を広めた(そして彼らはそのように語られた若年層像を都合よく利用した)ことを述べたが、それをより深く検討するためには、(それこそ私が『語るな』でしきりに用いた)「宮台学派」みたいな特定の論者の影響を強調するような言葉ではなく、もう少し体系的に語れる言葉(現状では「日本型ポストモダン」くらいしか思いつかないけど)を使って、それらの論者が果たした役割を整理するという仕事が必要なのではないかと思う。 とりあえず彼らの最近の社会や若年層に対する考え方を整理すると、 ・今の若年層は、郊外化や情報化、消費社会化による実存の空洞化で個々人が孤立している状態。故に若年層は地元志向になったり、ナショナリズムに走ったりする(その逆で、第1文で示し