力石の葬式というのは、ファンがやったわけじゃない、東京キッドブラザースの東(劇団・天井桟敷の創立メンバーでもある)と、天井桟敷の寺山修司がやった、一世一代の大芝居です。ちなみにやった場所は講談社の講堂なので、少年マガジン編集部もグルだw この頃の少年マガジンは、横尾忠則が前衛的な表紙デザインをやっていたり、アングラテイストが導入されていた。天井桟敷や唐十郎のやっていた状況劇場といったアングラ芝居は、動員数それ以上にあったので、そりゃ、800人くらいの見物人はすぐに集まる。寺山修司にしてみりゃ、お遊びみたいなもんです。ただ、それをマスコミが実態以上に大騒ぎして取り上げたので、今に至るまで語り継がれている。稀代のアジテーターである寺山修司、一世一代の大当たり興行だろう。それを、あしたのジョーの矢吹というのは、貧民窟の青年が既成社会に対する反逆のゲリラ戦を挑むというストーリーだと、当時の読者は読