日本型雇用の象徴であった「終身雇用」と「年功序列」というシステムが崩壊する過程の中で、「サラリーマン」という存在は岐路に立たされている。そのような大きな潮流をサラリーマン漫画から読み解いていった本が『サラリーマン漫画の戦後史』(新書y)だ。ブロガーとしても活躍されている著者の真実一郎氏に、サラリーマン漫画が何を描いてきたのかについてお話を伺った。 なぜサラリーマンなのか? ――真実さんは、「インサイター」というブログを、まだブログサービスが登場する前から始めていて、『SPA!』や「毎日コミュニケーションズ」のサイトなどでも、漫画やグラビアアイドルについてのコラム連載を持っていますよね。ただ、『サラリーマン漫画の戦後史』という本は、人気ブロガーが本を書いてみましたといったものとはかなり違うように思えます。漫画は以前から興味の対象だったというのはわかるのですが、なぜ“サラリーマン漫画”を題材に