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ブックマーク / www.ele-king.net (27)

  • interview with John Cale | ele-king

    Home > Interviews > interview with John Cale - 新作、図書館、ヴェルヴェッツ、そしてポップとアヴァンギャルドの現在 ジョン・ケイルほどの充実したキャリアがあると、どこから話をはじめればいいのかわからない。ウェールズの小さな村ガーナントで、近所の教会でオルガンを弾き、地元の炭鉱労働組合の図書館が収蔵する楽譜に熱中したのがはじまりかもしれない。ロンドンでフルクサスの芸術家コミュニティと協働していた時期や、アメリカで名前の似たジョン・ケージやラ・モンテ・ヤングと一緒に活動していた時期もある。ヴェルヴェット・アンダーグラウンドでロックのオルタナティヴな領域まるごとの基盤を築きもした──そこから派生するもうひとつのロック史を、モダン・ラヴァーズやパティ・スミスやハッピー・マンデーズなどのプロデュース仕事を通じて育んだことは言うまでもない。彼の長く多彩なソ

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  • Ulla | ele-king

    フィラデルフィアを活動拠点とするウラ(ウラ・ストラウス)は、ここ数年のアンビエント・ミュージック・シーンを振り返るとき、欠かすことのできない重要なアーティストである。 ウラはセンセーショナルな「新進気鋭のアーティスト」として華々しく登場したわけではない。10年代末期にマイナー・レーベルからひっそりと作品をリリースし、そのサウンドの魅力によって、いつのまにか多くのリスナーを獲得していったのだ。そして今や2020年代を担うアーティストの一人にまでなった。当にすごいことだと思う。 2022年にリリースされた新作『Foam』では、これまでのアンビエント/ドローンを基調としたサウンドから脱して、ループとグリッチ・ノイズをミックスするエレクトロニカへと変化した。その音はアコースティックとグリッチ・ノイズが交錯する00年代エレクトロニカ・リヴァイヴァルのようでもあり、心を沈静するようなミニマル・ミュー

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  • exclusive JEFF MILLS ✖︎ JUN TOGAWA | ele-king

    子どものころTVを観ていたら「宇宙、発売!」というコマーシャルが目に入った。それは日清品が売り出すカップヌードルのことで、びっくりした僕は発売初日に買いに行った。ただのラーメンだとは気づかずに夢中になってべ、空っぽになった容器を逆さまにして「宇宙船!」とか言ってみた。カップヌードルが発売された2年前、人類は初めて月面に降り立った。アポロ11号が月に降り立つプロセスは世界中でTV中継され、日でもその夜は大人も子どももTV画面をじっと見守った。翌年明けには日初の人工衛星が打ち上げられ、春からの大阪万博には「月の石」がやってきた。秋にはイギリスのTVドラマ「謎の円盤UFO」が始まり、小学生の子どもが「宇宙」を意識しないのは無理な年となった。アポロが月に着陸した前の年、『2001年宇宙の旅』が1週間で打ち切りになったとはとても思えない騒ぎだった。 ジェフ・ミルズが2008年から継続的に続

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  • ♯3:ピッチフォーク買収騒ぎについて | ele-king

    音楽メディアにおける批評の時代は終わり、いまは「ファンダム」(ファン文化)の時代だそうだ。言葉の使い道は賞賛のためか、さもなければ人気者にぶらさがって、売れているものがどうして売れている(=どうして成功している)のかを分析し解説すること──ではないようだ。要するに、ファンダムこそが音楽の販売促進の有力な機動力で、アーティストにとってもレーベルにとっても必要なのはファンダムであると、そういう話だと。この解釈で合っていたら、なるほどそりゃそうだと思う。が、しかし音楽文化はそれだけでは語れない、より複雑なものなのだ。およそ1世紀前にアイシュタインが解読した宇宙空間のように。 去る1月、コンデナストによる『ピッチフォーク』の『GQ』への吸収が欧米で話題になった。『ニューヨーク・タイムス』から『ガーディアン』といった大手メディアが大きく記事にしているくらいだからこれはひとつの事件といっていいだろうし

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  • 創造の生命体 | ele-king

    KLEPTOMANIAC(クレプトマニアック、以下KPTM)というアーティストをご存知だろうか? 2000年代に、前衛ヒップホップ集団兼レーベル〈BLACK SMOKER RECORDS〉の主要アーティストの一人として、ペイティング、ビートメイキング、グラフィック・デザインなどを手がけ、ヴィジュアル・アートと音楽の表現者として、精力的な活動を行っていた。また、2006年の時点でその類い稀な求心力とDIY精神を発揮して女性アーティスト集団〈WAG.〉を立ち上げ、男の方が多いクラブ・ミュージック/ストリート・カルチャーのシーンでコンピレーション『LA NINA』を制作、画集を出版、音楽イベントや展覧会を主催するなどして奮闘していた。 では、ベンゾジアゼピン(以下BZD)という薬のことはご存知だろうか? 向精神薬の一種で、一般に広く処方されている抗不安薬、鎮静剤、睡眠薬に含まれている。日では約

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  • 高橋幸宏 音楽の歴史 | ele-king

    高橋幸宏は1952年6月6日、東京で生まれた。父は会社経営をしており、自宅は200坪の敷地に建ち(もともとは天皇の運転手が建てた家だそうだ)、軽井沢には別荘を持っていた。 後に音楽プロデューサーとなる兄に感化され、早くから音楽に親しみ、小学生のときにはドラムを始めている。このドラムという楽器を選んだ理由にはドラムの練習ができるほど広い家に住む子がなかなかいないからだったと後年明かしている。 中学生のときにはユーミンが参加することもあったバンドを組み、高校生のときにはもうセッション・ミュージシャンの仕事を始めていたのだから早熟と言うほかないだろう。ドラムのうまい高校生がいるという噂を聞きつけて大学生だった細野晴臣が会いに来たのも高橋幸宏の高校時代のこと。大学に入るとガロに一時在籍するなど、すでにプロのミュージシャンとしての道も歩き始めていた。 そんな高橋幸宏の転機となったのは、旧知の加藤和彦

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  • R.I.P. Manuel Göttsching | ele-king

    ベルリン市内の、わりと街中の古いアパートメントの一室だったマニュエル・ゲッチングの家を訪れたのは、1995年7月のことだった。「外が騒がしくて申し訳ないね。ちょうどこの週末はラヴパレードをやっているから。ふだんのベルリンはもっと静かなんだけどね」と彼は苦笑しながら、日から取材にやって来た数名を部屋に迎えい入れてくれた。「いや、ぼくらはそのラヴパレードのためにベルリンに来たんです」と正直に即答できなかったのは、それをあまり良きモノとは捉えていないのであろうゲッチングの表情を見てしまったからである。言うまでもなく当時彼の作品を強烈に欲していたのは、ラヴパレードの根幹にあるハウス/テクノの聴衆だったのだけれど。 すでにこの頃、ハウス/テクノの文脈で再評価された70年代以降のドイツのロックはいろいろあった。『フューチャー・デイズ』や『ゼロ・セット』、クラスターやハルモニア、初期のポポル・ヴーやタ

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  • 3D | ele-king

    マッシヴ・アタックの3Dが興味深い動きをしている。ソーシャル・メディアにおける、気候に関する虚偽の情報、誤解を招くコンテンツ、グリーンウォッシング(企業が消費者に対しておこなう、いかにも環境に配慮しているかのような誤解を与える訴求)などをフラグ立てするAIシステムを立ち上げたのだ。「イコボットネット(Eco-Bot.Net)」と呼ばれるそれが対象にするのは、フェイスブック、インスタグラム、ツイッター。アーティスト/研究者のビル・ポスターおよびデイル・ヴィンスと共同で開発したという。気で環境問題に取り組んでいる3Dの姿勢が伝わるニュースだ。 「Eco-Bot.Net」公式ホームページ https://eco-bot.net/

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  • Takao | ele-king

    私見では、ここ数年のニューエイジ・リヴァイヴァルを牽引してきたヴィジブル・クロークスによる2017年作『Reassemblage』が広くエレクトロニック・ミュージック一般のファンにも好評を持って迎えられたことで、同シーンの活況は更に高次のレヴェルに突入したと考えている。以降、これまで他ジャンルで創作をおこなっていたアーティストも含め、昨今のアンビエント~ニューエイジ再興に(自覚的にせよ、あるいはそうでないにせよ)参画し始め、今年2018年はそうした趨勢が一層可視化された年だったと言ってよいだろう。 リイシュー・シーンに目を移してみても、オランダの〈Music from Memory〉、ベルリンの〈Aguirre Records〉といったレーベルの活発なリリースは継続して注目すべきものであるし、エレクトロニック・ミュージックとは縁遠いように見えていた総合リイシュー・レーベル米シアトルの〈Li

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  • 永遠の「今」──ジャジューカを求めて | ele-king

    文・撮影:赤塚りえ子(撮影:脇田亘) 写真(C)The Master Musicians of Joujouka/赤塚りえ子/脇田亘 Aug 01,2013 UP 123 我がためにある音楽は聴いた瞬間にわかるというもの ブライオン・ガイシン The 4000 year old Rock and Roll Band ティモシー・リアリー/ウィリアム・バロウズ ブライオン・ガイシン、ウィリアム・バロウズ、ポール・ボウルズ、ブライアン・ジョーンズ、ティモシー・リアリー、オーネット・コールマン......世界のつわものを魅了してきたこの古代の響きを受け止められるだけの精神力が自分にあるのだろうか......? でも、たとえ精神的に戻れなくなってもいい、私にはその覚悟はできているんだ! 2012年6月、期待と不安に飲み込まれながら、私も先達と同じく、ジャジューカの魅力にとりつかれ村に吸い寄せられる

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  • ポスト・ミューザック考 | ele-king

    柴崎祐二/Yuji Shibasaki 1983年、埼玉県生まれ。2006年よりレコード業界にてプロモーションや制作に携わり、これまでに、シャムキャッツ、森は生きている、トクマルシューゴ、OGRE YOU ASSHOLE、寺尾紗穂など多くのアーティストのA&Rディレクターを務める。現在は音楽を中心にフリーライターとしても活動中。

  • ダーク・ドゥルーズ | ele-king

  • 日本語ラップ最前線 | ele-king

    端的に、いま日のヒップホップはどうなっているのか? ヴァイナルやカセットテープ、CDといったフィジカルな形態はもちろんのこと、配信での販売や YouTube のような動画共有サイトまで含めると、とてつもない数の音楽たちが日々リリースされつづけている。去る2019年は舐達麻や釈迦坊主、Tohji らの名をいろんな人の口から頻繁に聞かされたけれど、若手だけでなくヴェテランたちもまた精力的に活動を繰り広げている。さまざまなラップがあり、さまざまなビートがある。進化と細分化を重ねる現在の日のヒップホップの状況について、吉田雅史と二木信のふたりに語りあってもらった。 王道なき時代 トラップやマンブル・ラップのグローバルな普及で、歌詞の意味内容の理解は別として、単純に音楽としてラップ楽曲を楽しむ流れに拍車がかかっている感がありますよね。(吉田) ■いまヒップホップは海外でも日でも、フィジカルでも

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  • interview with Kode9 | ele-king

    今年で設立15周年を迎える〈Hyperdub〉。ベース・ミュージックを起点にしつつ、つねに尖ったサウンドをパッケージしてきた同レーベルが、きたる12月7日、渋谷 WWW / WWWβ にて来日ショウケースを開催する。 目玉はやはりコード9とローレンス・レックによるインスタレイション作品『Nøtel』の日初公開だろう。ロンドンでの様子についてはこちらで髙橋勇人が語ってくれているが、サウンドやヴィジュアル面での表現はもちろんのこと、テクノロジーをめぐる議論がますます熱を帯びる昨今、その深く練られたコンセプトにも注目だ。この機会を逃すともう二度と体験できない可能性が高いので、ふだんパーティに行かない人も、この日ばかりは例外にしたほうが賢明だと思われる。 ほかの出演者も強力で、アルカのアートワークで知られるジェシー・カンダの音楽プロジェクト=ドゥーン・カンダ(11月29日に初のアルバム『Laby

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  • Random Access N.Y. | ele-king

    沢井陽子/Yoko Sawai ニューヨーク在住20年の音楽ライター/ コーディネーター。レコード・レーベル〈Contact Records〉経営他、音楽イヴェント等を企画。ブルックリン・ベースのロック・バンド、Hard Nips (hardnipsbrooklyn.com) でも活躍。

  • 消費税廃止は本当に可能なのか? (1) | ele-king

    消費税が10%になり数日が経った。 稿では「消費税廃止は当に可能なのか?」と題し、その実効性が理論として正しいのか検証していきたい。 i-Tunesで好きなアーティストの楽曲を買う際にも、Amazonで書籍を購入する際にも、コンビニでビールを買う際にも、誰でも買い物をする際には10%の消費税を支払うことが義務付けされた。 30代以下の若い人たちにとっては、物心ついた頃から消費税は課されていて、あって当たり前のもの、税率は上がって当たり前のものとして認識されてきただろう。しかし、20,000円の財布を買う際には2,000円分の税が含まれ、パソコンを70,000円のものに新調する時には7,000円の税を支払うことになると聞いたら、大きなインパクトを感じるのではないだろうか。 画像:山太郎氏・街頭演説より。池戸万作氏作成。 そればかりか、上図のように、一か月に20万円消費する人にとっては、

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  • エスタブリッシュメント 彼らはこうして富と権力を独占する | ele-king

    Home > Reviews > Book Reviews > エスタブリッシュメント 彼らはこうして富と権力を独占する- オーウェン・ジョーンズ 著 依田卓巳 訳ブレイデ… 昨年12月、水道事業を民営化する伏線として改正水道法が成立した。いくつかのニュースサイトを見ると、大阪で地震が発生し、21万人以上が水道の被害を受けたことを理由に(というか逆手にとって)、「水道管の老朽化」問題を振りかざし、自・公、日維新の会、希望の党など大多数の賛成によって可決されたという。ナオミ・クラインが『ショック・ドクトリン』で解き明かした、災害便乗型の新自由主義をぼくたちは目の当たりにしたわけである。 水は……水だけを飲んでいれば良いという言葉があるように、水は人間が生きてくうえでの命綱だ。それを民営化するというのは、経済状況によっては水も飲めないひとが出てくる可能性があるということだ。こんな重要で恐ろし

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  • φonon | ele-king

  • R.I.P. ECD | ele-king

    ECDさんといつまでも(Together forever) 矢野利裕 ECDさんが亡くなってしまったことが、とても悲しく、つらいです。 ele-kingのかたより「ECDさんの追悼文を書きませんか」と連絡をいただきました。わざわざ人前で追悼文を発表することに抵抗感があるし、「オレなんかが」という気持ちもあります。しかし、そういう局面において、いつでも覚悟を持って言葉を発することを選び続けることが、ECDさんをはじめとする日語ラップの格闘だったはずで、僕自身、この20年、日語ラップのそういうアティテュードにおおいに勇気づけられてきたので、自分なりにECDさんについて書かせてもらいます。 紋切の言いかたですが、20年まえ、14歳のときに『BIG YOUTH』という作品でECDを知ったことからこそ現在の僕がいます。気でそう思っています。具体的に言うと、地に足をつけた労働者であるとともに、表

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  • JINTANA、イビザ紀行 ~究極のチルアウトを求めて~(後編) | ele-king

    ■JINTANA プレ・コメント そろそろ格的に秋の空気になってきましたね。 過ぎ行く夏の残り香を最後に楽しむチルアウト紀行をお届けします。 この連載を読みながらのBGMとして制作した楽曲もYoutubeにアップしましたので、ぜひ聴きながら、ゆったりと秋の美空を楽しんでくださいませ。 JINTANAプロフィール Paisley ParksやBTBも所属するハマの音楽集団〈Pan Pacific Playa〉(PPP)のスティール・ギタリスト。同じく〈PPP〉のKashifや一十三十一、Crystal、カミカオル、あべまみとともにネオ・ドゥーワップバンドJINTANA&EMERALDSとして『Destiny』をP-VINEよりリリース。オールディーズとチルアウト・ミュージックが融合したスウィート&ドリーミーなサウンドがTiny Mix Tapeなど海外メディアも含め各地で高い評価を得る。L

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