『グランド・ブダペスト・ホテル』を見てきた。私、たぶんウェス・アンダーソンの映画って『天才マックスの世界』しか見てないような気がするので、二本目ってことになる(っていうかなぜ『天才マックス』しか見てないんだろ…)。 舞台は東欧の架空の国、ズブロフカ。ここは昔は帝国の中心地、そのあと共産圏、今は東欧のまあなんかああいう国、ということらしい。1930年代に威容を誇ったグランド・ブダペスト・ホテルの運命を、伝説のコンシェルジュであるムッシュ・グスタフ(レイフ・ファインズ)とそのロビーボーイ、ゼロ(トニー・レヴォロリ、年取ってからはF・マーレイ・エイブラハム)を中心に、殺人事件や恋愛話を絡めて語る、というもの。タイトルに「ホテル」が入っているが、所謂グランド・ホテル形式の話ではなく、ホテルの従業員を中心にした物語である。 この映画の面白いところは時系列である。基本的に、この映画には以下四つの時間の