教育社会学者の竹内洋・京大名誉教授に「教養」について聞いた。 ◇ ――文科省が国立大学に対して、人文社会科学系などの学部・大学院の廃止や転換に取り組むよう通知しました。 神学など虚学を教える場として始まった西洋の大学と異なり、日本の国立大学は明治以降、実学が中心だった。そういう中でも文学部は細々と維持されてきたのに、今それがたたきつぶされようとしている。 グローバル競争に勝つのに、このままでは日本がダメになると脅迫されているようだ。科学技術一本に絞り、理系に予算と人員を持っていきたい意図がはっきりしている。夢がない。そんなことでグローバル競争に勝つのかも疑問だ。 (たばこを吸うために席を外して戻ってから)人文知はたばこみたいやな。大学では吸うなと、居場所がない。嫌煙権ならぬ、嫌教養権だ。 ――人文知は役に立たないと思われているのでしょうか。 「実用知以外はいらん」という風潮がある。でもね、
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