筆者は現在、沖縄科学技術大学院大学(OIST)にあるレジデンスに滞在しながら、研究活動をしている(注1)。 OISTは、最近ノーベル賞受賞者が生まれたことに象徴されるような、その高水準の研究活動によって、国際的にも高く評価されてきている(注2)。 それはもちろん優秀な研究者や専門家が参集しているからこそ生まれたものだ。だが、その成果が生まれた要因として、彼らや彼女らの研究を支える技術者や科学者の存在も重要だ(注3)。 さらにOISTには、研究そのものだけでなく、資金なども含めた研究の環境を支援する人材も存在している。近年では、文部科学省も、高い水準の研究が行われるには、そのような人材の重要性や必要性に気づき、「リサーチ・アドミニストレーター(URA)を育成・確保するシステムの整備」を行うようになってきている(注4)。そして、京都大学などの大学ではそのような人材を活用して、研究の質および量の